ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

コロナ禍のコミュニケーション

お久しぶりです。皆様お元気ですか?

コロナ禍のノルウェーでは、高校卒業生たち「ルス」の大音量パーティーが毎晩のように続いております。(5月24日のブログ参照ください)今日はというと、そこではなく、前々から気になっていたコロナ禍の夫婦関係や家族関係について ちょっと触れてみたいと思っています。

 

コロナ禍でDVや児童虐待が増えるというのは世界共通かもしれない

日本のTVで見た、フランスのDV予防*1のCM。とてもリアルな感じでインパクトが強かったのを覚えています。こちら、ノルウェーでもコロナ禍でのDVや児童虐待の増加ということが言われました。私の本業でもよく児童保護事務所からの依頼でクライアントさんを引き受けるのですが、ある担当者などは「コロナで件数が増えた」と語っていて 忙しそうにしていました。

家族がステイホームで一緒に居る時間が長くなり、また経済的な問題などで精神的にも余裕がなくなったりすると家族とケンカしてしまったり、またそのぴりぴりした家庭の雰囲気から移行できなかったりするのも とてもうなずけます。ただ、いつも仲良くしている夫婦や家族がいきなりそういった状況下で暴力的になるのは ちょっと考えにくかな、と思います。心理臨床士やその道の専門家の記事もいろいろ読んでみましたが、やはり今問題が起きるとしたら、それはもともとあった問題が表面化しているという意見でした。

そうなると、普段がどうなのか、一体どうしたら普段から夫婦や家族関係の問題を防げるのか、というクエスチョンに行きつきます。

 

コミュニケーションの形

一般的には、やっぱり「普段から良いコミュニケーションを持つ」というのが一番大切だと言われているかもしれません。ただ、何を持って良いコミュニケーションなのか、というのは その人その人(カップル・家族)によって違ってくる、いろいろな形があっても不思議ではないと思います。

知り合いの日本人&ノルウェーカップルで3人のお子さんがいらした家庭では、毎日曜日の夜に家族会議を開いていました。子供たちの好きなお菓子を食べながら、この週の出来事を振り返ったり、新しい週の予定を伝えあったり、など。その時に、たしかこの週に起こった兄弟げんかなどについても語り合っていた気がします。

数年前に、ノルウェーのModum Bad*2でPREP*3インストラクター養成コースを受けたことがあります。PREPではどうやってカップルの二人がお互いの話をよく聞き、理解するかという実践的な手法を取り入れていて、わかりやすく面白い、と思いました。それが、「リスニングとスピーキングのテクニック」です。

 

リスニングとスピーキングのテクニック

PREPコースではこのテクニックを実際に習って体験することができます。これは、ある一定の時間を決めて、その中でルールに従ってカップルの二人が交互に話し手と聞き手になるというものです。話し手になる人には「スピーカーカード」(または、ペンマイクでもなんでもいいのです。)が与えられ、ルールに従って自分の伝えたいことを話し終えると聞き手だったパートナーにカードを渡します。

カップルの二人が同じくらい話し上手で 同じくらいの量や割合で相手に話を聞いてもらっている…と、日々思えるなら もしかしてこのテクニックは必要ないかもしれません。ただ、家庭でも、職場・学校でも、話をしていつも聞いてもらえる人と、そうではなくてなかなか聞いてもらえない人が居るのかな、と思います。(そして、同じ人でも状況によって変わったり…。)私も、うちでは主人に比べると話す方ですが、職場ではある2,3人の人たちが中心になって話しているので、どちらかというと静かに聞いている方です。聞いてもらえる人というのは、話し方が良く 人を引き付けるというのもありますが、いつもそうではなく、わりと人が話していても強引に割り込みのできる人・または話が途切れない人も会話を牛耳る傾向があります。それは、おそらく皆さんも気が付かれたことがあるかと思います。私たちもこのテクニックを練習してみて、時間をかけて相手が言わんとしていることを丁寧に理解しようとする姿勢というのも 足りなかったと初めて感じ、いい勉強になりました。

 

メタ・コミュニケーション

また、家族療法を学ぶ時に必ず出てくる 「メタ・コミュニケーション」という概念も普段の生活で役立つときがあります。メタ・コミュニケーションとは、コミュニケーションについてのコミュニケーションなのですが、実際はコミュニケーションしている自分や相手から一歩距離を置いて どんなコミュニケーションになっているかを観察することから始まります。例えば、うちの主人は「マイ・ユニは僕の話を聞いていない」と言うことがあって、なんだろうと考えたところ、彼が私の発言を注意深く聞いてくれることに対して、私は「ながら聞き」が多かったことが判明しました。全く悪気はなかったのですが、おそらくいろいろ家事をしながらやニュースを聞きながら、だったのでしょう。それ以降、どうしても食事の用意をしなければならない、とか、何か家事をしながら話すときは 「今、ちゃんと聞いてるからね」という意思表示も心がけています。それからたまに「話聞いてもらってると感じてる?」と、確認も入れています。

 

今日のまとめ

こうしてみると、いかにパートナーや家族に「聞いてもらっている・理解してもらっている」という感覚を持ってもらうか、がその相手にとって安心できる・信頼できる材料になるかがわかります。もちろん、片一方だけでなく、自分だってそう感じたいですよね。でも、悲しいかな…大概は相手は変ってくれなくて、まずは自分が変わってみることが前提です。

安心感や信頼がある関係って、ひとつひとつの行いや言動が積み重なってできるものですが、その積み重ねがコロナ禍を耐え抜く 夫婦・家族関係なのかな、と今日のまとめとして思える次第です…。そうはいっても、なかなか一人一人が辛い時に大変でもありますが。みなさんはどうお感じになっているでしょうか?

*1:DVにあったり、目撃したらここでヘルプがうけられます、という内容

*2:ノルウェーで有名な精神科の病院。家族療法もおこなっています。

*3:プレップ、The Prevention and Relationship Enhancement Programの略で、カップルのより良いコミュニケーションのためのコース。アメリカのデンバー大学で開発されました。