こんばんは。皆さまはいかがお過ごしですか?
この1週間で生活に様々な変化がありました。まず、私も在宅勤務が始まり、思いのほかうちでする仕事の難しさやストレスを感じています。週明けには国王に続いてノルウェー首相のスピーチもあり、それから非難豪豪の「ヒッテ禁止令」も発令。メディアでは今の政府のコロナ政策に警鐘をならしたオスロ大学病院のNyborg(二―ボルグ)医師の発言が沸騰。そして、なぜこの国で爆発的感染(一部専門家は否定)しているかが垣間見れたIKEAでの体験。
今日はこの非常事態が更にエスカレートを見せた「第12週」*1 のまとめをしてみます。
警鐘を鳴らした医師に「ますます国民を怖がらせた」と非難が…
火曜日、こちらの国営放送の「Debatten」(ザ・ディベートの意味)という番組では、オスロ大学病院(OUS)の医師で研修者でもあるNyborg医師が出演。彼女はこの国の政策ではイタリアの荷の前だ、と警鐘を鳴らし、外出禁止などの提唱をしました。
この番組でノルウェーの医療関係者が日本ではとっくに聞いている「エアロゾル感染」や「マスクの重要性」というのを語るのを初めて聞きました。彼女も番組出演時にマスクをしたかったらしいのですが、司会者からお願いされ、マスク無し出演。
彼女の言い分は、感染がいたるところにまん延していて、どこもかしこも感染の危険がある、というもの。横浜のクルーズ船の件で「レッドゾーン」と「グリーンゾーン」という言葉が使われましたが、彼女もまさに同じことを言っていました。他の出演者(ウェブ出演)とのディベート部分では、「精一杯みんな頑張っているんですよ」とか「ノルウェーの多くの感染者はヨーロッパの他国で感染しているので、国内の爆発的感染はない」と静かな口調で語る二人のおじさま方(政府がらみの方々)に反し、Nyborg医師はかなり激しい口調…というか、おそらく本当になんとかしなきゃ、という感じだったのでしょう。
そして、次の日。彼女の出演後メディアでは非難が沸騰したそうです。理由は「国民を更なる恐怖に陥れたから」。個人的にはマスクもしないで感染を防げると思っているノルウェー人もちょっとやばい、と思っているので Nyborg医師の意見はぶっとんでいるとは思えませんでしたが…。やはり、戦後始まっての「最大の危機」という感じでナーバスになっている人がかなりいると思われます。それに、天災もあまりないノルウェーではやっぱり非常事態や危機といった状況に気持ちが対処しきれないのかも?(超個人的な印象ですが…)
迷ったあげく出かけたIKEAで…
IKEAも他のショッピングセンター同様、Nyborg医師が危険視していたところ。夫と私が住む家は8年前に中古で購入したのですが、ずっと洗濯機を置いている小部屋の使い勝手が悪く、実はこの2月から自力でリフォームしていたのです。大まかなところは終わっていたものの、予定を変更したりして新たなパーツがどしても必要になりました。電話注文も試みたものの、プランナーが空いてなくてブッキングできない。不要不急の外出を自粛する要請があるので、IKEAには行けないかな、としばらく控えていたのですが…。まったくリフォームが前に進まず。1週間ずっとこれは不要不急か否かを考えた結果、「うちから車で行って、注文するもの注文して、居るものだけ買って素早く帰る」というわけで、マスクと消毒液を車に積んでお買い物決行。
IKEAでもコロナ対策はしており、営業時間も短縮していました。私もあまり人が居ない時間帯をねらって行ったはずだったのですが、結構たくさんのお客さんでにぎわっていました。注文するパーツも順番待ちがあり、こんな時に限って嫌に前の人が長い。やっと私の番か、と思えば「いや、あっちのプランナーのところで注文してくれ」と言われ、並びなおし…。この間もお買い物を楽しむ人々がかなり通り過ぎ、ストレス度が上昇。思わず、「こんな時にIKEAに来たくなかったんだけど、あなたたちのブッキングシステム全然空いてなくてブッキングできなかったから、ちょっと不満だわ。」とクレーミングしてしまいました。でも、このプランナー部門の方、ぜんぜん私が言っていた意味も「わかんね」という感じで、「なに焦ってるの、お客さん」的な態度。
IKEAのホームページでは「他のお客様とは最低1m開けましょう」といった、お願いもあったのですが、そんなの関係なくその辺中(特に経路)でたむろっていたり、ましてやマスクにサングラスをして店内を小走りしていたのは私だけ。何だろう、その時すごく恐怖を覚えました。危機感ゼロの人々… みんな今どういう状況がわかってるの?いつも通りのんびり買い物楽しんでいる場合なの?と、心の中で叫んでいた気がします。もう、一刻もここから出なきゃ、というわけで店を後にしたわけです。
これは余談ですが、うちの夫はIKEAが超苦手。と、いうのもいつも行くIKEAは特に外国人が多く住んでいるエリアにあって、本当に来ているお客さんたちも多文化なので 人との距離感覚がもともとちょっと違っています。夫は他のお客さんがぶつかってきたり、レジ前に並ぶ時も押されるような経験をしているので、ほとんどいつもパス。今回は特にコロナがあるので、うちからは私一人で行きましたが 多文化ってことも私の猜疑心につながっていたのかしら、と思います。本当に、今の非常事態ではいつもに比べて他人を疑ってしまいがちですね。
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今日は新たに3人の方が亡くなり 死者10人、感染者数も前日から166人多い、約2500人となっています。
ヨーロッパの他の国に住んでいる知り合いのSNSの書き込みを見ていても、コロナを軽視したりする人は特に若い世代で多いようです。この状況で本当に自分の身を守れるのだろうか、IKEAではその辺に限界を感じてしまいました。Nyborg医師の意見、当たらないことを祈りたいですが、でも新しい感染者が100人単位で毎日増えているので どうなるかわかりません。今のところ医療崩壊の可能性はまだないのが唯一の救いです。
事実上の非常事態になってから今週の木曜日で2週間となります。まだまだこの状況は続きそうです。