みなさまこんにちは、またまた久しぶりのブログ更新です。今回は、ある方より顎関節変形症についてアップデートのリクエストをいただきました。この、おばちゃん・へなちょこブログを読んでくださっている方がいらっしゃる…と、私も(単純なんで)一気に元気をいただき、またPCに向かっております。
ブログを振り返ると、そう…前回このトピックを扱ったのが2023年の1月!もう1年半以上の月日が流れました。実はこの期間って、停滞期と言いますか…。経過観察と言いますか…。実は進展らしい進展もなく、かみ合わせはオープンバイトのままです。今日はこの期間中に何が起こっていて、これからどうするかなど まとめ的に綴っていきたいと思います!
これまでのいきさつと過去ブログ
このトピックを初めて読まれるための方に少しおさらいです。題名は顎関節症となっていますが、私の症状は顎関節に何らかの異変が起き、その結果 左右両方の関節の角度が変わり前歯がかみ合わなくなってしまう「前歯部開咬」という症状になっています。かみ合っているのは奥歯の2‐4本ほどです。いつこの異変が起きたか、はっきりした時期は断定できませんが、2020年、コロナ一年目の春…というのは確実です。右下奥歯の虫歯治療後に顎を自由に動かせなくなって話ずらくなるという異変が起き、その後前歯がかみ合っていないと気が付くのが同年秋。
この後、オスロの国立大学病院・口腔外科で検査していただいたのが2020年の10月。そこでは加齢による顎関節変形症(他の関節の様に吸収が起こったが、進行性かどうかは不明)で何もできないと言われ、民間の補綴科専門医に行ったのが2021年1月。その先生の紹介で矯正歯科医に行ったのが2021年5月。この後、日本に行く機会ができ、コロナ禍でやっと大学病院2軒で検査を受けたのが2021年8月…。結局、両病院から「原因不明」と言われ、2軒目の東京女子医大でこちらで書かれた論文をお見せしたところ、論文中と同じ治療を試みていただけることになりました。だた、これも結果が出ずにストップしたところで前回ブログでした。
以下、興味のある方のためにこれまでの私の顎関節症関連ブログを一気に張りつけます。(新しい順)
顎関節症(TMD)ノルウェー事情アップデート (2023年1月) - ハンブルネスのひとりごと
額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2022 年上半期) - ハンブルネスのひとりごと
額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・4) - ハンブルネスのひとりごと
額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・3) - ハンブルネスのひとりごと
額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・2) - ハンブルネスのひとりごと
額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・1) - ハンブルネスのひとりごと
もうすぐコロナ禍のクリスマス & 顎関節症 ノルウェー事情アップデート - ハンブルネスのひとりごと
オープンバイトとTMD(顎関節症)ー ノルウェー事情 その2 - ハンブルネスのひとりごと
オープンバイトとTMD(顎関節症)ー ノルウェー事情 - ハンブルネスのひとりごと
最初の顎関節症に特記したブログの前にもノルウェー歯科事情についてのブログも書いていますが、この時は右奥歯の親知らずを治療してもらった後に異変が起きた…と、自分では結論付けていたようです。
新しいレーザーとスプリント治療
ここからは、前回ブログ2023年1月からの続きとなります。
さて、地元の歯医者で「無料で作ります」と言われていた、Anterior Deprogrammerというスプリントですが、ふたを開けてみたらなんだ、昔作ったスプリントに細工しただけのものでした。これをとりあえず使いだし、再び介護帰国のため日本へ。
予約を取っていた東京女子医大へ行きますが、ここでは1年以上スプリントゴムけん引治療をして、なおかつ歯茎が後退する結果になったことから、この治療は終了することになりました。先生は謙虚でとっても良い方だったのですが、やっぱりこの類の症例は珍しいのでしょうね。「日本にいらっしゃたら、もっと何かできたかもしれないですが…。すみません。」と、言葉をかけていただきました。
せっかく日本に居るのに、このまま何もせず帰るのもなあ…。そこで事前に検索で調べておいたとある歯科医院へ。実はうちの夫が私の学生時代の友人で、現在カイロプラクターになっているUちゃんの施術をうけるために東京三鷹に週1・2回通っているのですが、お隣の吉祥寺に顎関節症のレーザー・スプリント治療の歯科があるとのこと。(ここで医院名は書きませんが、この検索ワードで出てきます。)いつも咀嚼筋(頬骨のあたり)が固くなって痛かったことがあり、この痛みだけでも緩和できたら…という感じでした。
さて、行ってみるとかなり丁寧な院長先生の問診から始まりました。先生にこれまでの経緯や、自分で見つけて読んでいた論文などのお話をし、日本には半年に一回くらいしか来れないけど…治療をしていただくOKが出ました。院長先生は、すごく患者さんに寄り添われる方で、原因不明な異変や治療法が見えないことなど、大きなご理解をしめしてくださり、それだけで感動もの…。この時は地元歯科医で作ってもらったスプリントを確認していただいて、レーザー治療を3回ほど受けたでしょうか。このレーザー、もう病みつきになりそうなくらい気持ちよかったです。一つの部位に5分ほどですが、気持ちよすぎて一瞬寝てしまうくらいでした。そして、咀嚼筋の痛みも軽減。本来なら、1か月に一度くらいは通わないと効果がないのだと思いますが、それでも快く治療を引き受けてくださった医院に感謝でした。
先生も、原因不明な前歯部開咬があるのはご存じで、またかみ合わせが不安定なことも指摘されました。そこで、不可逆的治療(後戻りができない治療、矯正など)に行く前に、かみ合わせを安定させてそこからまた次を考えてはどうか…と、具体的に提案していただきました。何もわからない状態でやみくもに治療を始めるのではなく、治療の手がかりを得るためにも、まずできるところ(イコールかみ合わせの安定を目指す)からと。そして、その半年後。今度は2023年秋ですが、またお世話になり、今度はこちらで新しくスプリントも作っていただきました。このスプリント、原理はノルウェー地元歯科のと同じく、噛んだときに(奥歯を除いた)上下の歯が均等に当たるようになっており、奥歯をかませないことで咀嚼筋などの緊張をほぐすのが狙い。地元歯科スプリントの時はあまり変化は感じられませんでしたが、新しいスプリントを使い始めたら先生が言われていたように数週間で頬が楽になってきました。
今年の春にもスプリント調整やレーザー治療のためお世話になりましたが、先生によると以前よりもかみ合わせが安定してきたと、久しぶりにポジティブな変化。矯正に入るにしても、噛む位置が安定して初めて歯をどのように動かすか決まるので なかなか重要なポイントだったらしいです。
これからの方向
私は生まれつき受け口で、小学生‐中学生の時に一度矯正をした経験があります。その際、下あご2本、4番(?)の歯を抜歯しています。その経験や、矯正のせいで開咬になったという記事も読み、矯正は本当は一番避けたい治療法でした。ただ、歯を削ったり、クラウンに替えてかみ合わせの高さを調整する治療法も、すごく懐疑的です。本来は歯を動かす矯正治療ではなく、角度が変わってしまった顎関節の角度を元に戻すような治療を希望していました。
これまでも何とか辞書を引き引きそういった治療法を読んでみましたが*1、やっぱりこれらの方法はまだ広まっている治療法というよりは、試験的な治療法のようです。(とにかく、ノルウェーに住んでいる限りこれらのチョイスはなさそう…)
幸い、自分で見る限りは大きく前歯のかみ合わない部分が進行しているとか、話すのにすごく大変とか(咀嚼筋はしゃべりすぎるとやはり疲れていたくなりますが)、命に関わるとではない病気ですので、今すぐどうのと決める必要はないです。奥歯しかかみ合っていないので、奥歯がダメになるとも言われていますが、とりあえず根っこが短くなっているような異変もレントゲンでは確認されていません。これからどのみちオープンバイトをクローズするとしたら 今のところ矯正治療になると思いますが、アンカースクリューなどを用いたものとなると、専門知識や経験のある矯正歯科を探さねばなりません。とりあえず、今できることとして、知人・友人から情報を集めています。
と、言う事で… 今日は一気にこれまでのアップデートを書いてみました。ちなみに、以下に私が読んでみた文献のタイトル、著者と年を載せてみましたが、やっぱり無断転載はまずいのでリンクでは貼り付けませんでした。ちなみに、学術書系の論文は公営の図書館などからいただきましたので、この方法で入手可能かもしれないですね。へなちょこブログ、なにかのお役に立てていただければ幸いです。それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
*1:"Anterior open bite with temporomandibular disorders treated with intermaxillary traction using skeletal anchorage system", 2012 Hye-Sun Kim, with more。"A Guide to Anterior Open Bites" 2021 Spear Education," "Closed Reduction" Principles Can Manage Diverse Conditions of Temporomandibular Joint Vertical Height Loss: From Displaced Condylar Fractures to Idiopathic Condylar Resorption" 2017, Dorrit W.Nitzan with more...