こんばんは、お元気ですか?11月に入り、こちらも暗く寒い冬が始まりました。毎年この時期って、雪が降るまでとってもどんより暗くて たくさんの人が「しんどい」と言ってます。また、街では早くもクリスマス商戦が始まりました。
さて、今日は巨大なテーマ、「なぜこんなにも離婚率が高いのか」「どうして離婚するのか」を、ノルウェーというコンテクストで私なりに考えてみたいと思います。
結婚も離婚も自由意志
日本との違いを考える中で、大きく違いを感じるのは こちらでは 離婚も自由意志で成立してしまう、ということです。自分か相手が「もうやめた」と思ったら、相手の同意があろうとなかろうと、理由は全く問われずに離婚できるのです。
離婚が成立するには、その前段階の別居が最低1年以上あることが条件としてあります。別居はお役所に申請するか、また住所を移して2年以上たつのを待つかのどちらかで認められます。
例えば良く聞くパターンが、どちらかが先に新しいパートナーを見つけてしまい (つまり不倫です)、「ごめん、もう結婚続けられない」という感じで出ていくとします。ここから1年経つと出て行った方は離婚申請でき、残された側が同意しようがしまいが関係なしに離婚できてしまいます。離婚の理由とか、「どっちが悪い」も全く話し合われません…というか、もともと結婚が自由意志をもとに成立していたので、その意志がなくなったら離婚して当たり前…みたいなニュアンスです。
ちなみに、こどもさんがいる家庭では別居の前にメディエーションと言って、家庭相談所の方と話し合いを持って こどもさんの養育はどうするかを合意して メディエーション証明書を発行してもらうことが義務づけられています。
ノルウェー人があげる離婚理由
以前のブログで紹介したSSB(ノルウェー統計局)でも、年齢別離婚者数などの統計は公示しているものの、離婚理由やまたその経緯を取り扱った文献や研究などはちょっと見つかりませんでした。
ネット上で一般的にノルウェー人はどう思っているのか、検索したところ いくつかのホームページが見つかりました。その一つが "skilsmisse.net" (離婚.net)です。ここでは離婚に関わるあらゆる情報(実際の手続きや財産の分配、こどもの養育分配など)が載っているほか、メンタルをサポートするような記事も載っています。
「離婚には様々な理由があります」と、前置きした後 良く聞く理由として 不倫、熱が冷めてしまう状態、または気が付いたらこんなはずじゃなかった結婚生活…など。また、夫婦喧嘩の3大理由、「性生活・家事・家庭の経済」も挙げられています。
また、2018年12月のTelemark Avis(テレマルク地方紙)では あるカップルセラピストの意見として、「恋人感」の消失が挙げられていました。この「恋人感」は コミュニケーションが悪かったり、心と体の親近感の不足で失われると言います。自分の時間やエネルギーを仕事・キャリア・家族・トレーニングにかけ、パートナーをおざなりにしてしまうことも挙げられています。
このプロの方の意見はおそらく 誰もがうなずく感じがします。なので、カップルカウンセリングにせよ、問題が浮上する前に参加できる カップル講座にしても、「いかに、コミュニケーションをとって、なおかつラヴラブを持続させるか」かが、カップルの寿命を左右すると言っているような印象を受けます。
うーん。日本で育った私たちは、親たちがキスしたりハグしたりする姿を見て育ったわけでもなく…(もちろん、そういう親御さんのもとで育った方も居ないと言い切れませんが)この「夫婦ずっとラブラブ状態」って、なんか無理…というか、すごく大仕事な感じしませんか? もちろん、私を含め西洋文化で育った人と結婚していたら、それなりに頑張らなきゃって感じの「努力」は必要かもしれませんが、やっぱり相手にも私たちのバックグラウンドを知っておいて理解してもらわないことには、不公平でもありますよね?
まとめ
本当に、どうして離婚率が高いか、なんて複雑すぎて このブログ上では大きすぎるテーマだったかもしれません。ただ 日本とノルウェーを比べると やっぱり 離婚があまりにもお手軽にできてしまうのが もしかして離婚率の高さとちょっと関係あるのか、と思ったり。ただ、お手軽と言っても、もちろん離婚してハッピーになる人はほとんど居ないと思いますし、できたら「したくない」ことの一つですよね。それに、こどもたちのメンタル面でのネガティブな影響(ただ、今はタブー視する傾向から真逆な感じで、こどもにネガティヴな影響は無い、という人も多々)や、財産分配とか本当に大変です。
私の周りにも国際結婚で離婚された方も割といるのですが、理由なんて他人には計り知れないのが普通です。そう、ご夫婦のことは他人にはわからない。ただ、本人たちの言い分を聞いていると、上に挙げた「ラブラブ欠如」というのが割と当てはまる印象です。
では、本当にラブラブ欠如でみんなが破局してしまうのか…?というと、実はそうでもない気がします。私はノルウェーで洗礼を受けたプロテスタントのクリスチャンですが、クリスチャンにとっては結婚って、「死が二人を分かつまで」なんですね。
そんなこんなで、次回は"The Five Love Languages" (日本語タイトル、「愛を伝える5つの方法」)のGary Chapman先生をヒントに書いてみようと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!!