ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

国際結婚を考える ― 日本とノルウェーカップルの場合 その2 ― 

Facebookでも"Humbleness"という名前で いろいろ独り言を書いたりしているのですが、結婚観について以前ちょっと触れました。「これから結婚を考えていらっしゃるかたには、結婚観についてお互いに話し合うのがおすすめですよ」というメッセージをこめて。

ノルウェーの現状は インフォーマルな関係の一般化です。結婚観どころが、結婚に至らないカップル。はじめは一般的な結婚観を書こうとおもっていたのですが、やっぱりその前の段階でもある「同棲」について先に書いてみたいと思います。

 

 「既婚」「未婚」・・・と「同棲」

日本からこちらに来てびっくりしたことの一つ、「同棲」という社会で認められたカテゴリー。いろいろな役所の書類などにも、この「同棲」が選択肢として挙げられていること。社会的に「同棲です。」といってもぜんぜん違和感なく、「ああ、同棲ねー。」と、既婚者や未婚者と同じ扱いで見られること。

24年前の私はどちらかといえば、結婚したいかどうかもわからなかったし、結婚の意味もぜんぜん考えたことはなかったので 「これって、とっても進んでてイイ!」と、感動したものでした。

なにをもって、だれが「同棲」の対象になるのか?というと、日本で言う住民課にあたる Folkeregistreret (ふぉるけれぎすてれ)の住所登録を彼氏や彼女と一緒の住所にすればいいだけです。(ちなみに、こちらの登録ではなぜかまだ「同棲」カテゴリーがありません。)そう、いたって お手軽なので、まずノルウェーの若いカップルは 結婚の前に多くが同棲します。信仰などの理由で同棲しないで、いきなり結婚する方々は 逆に「なんで同棲しないの?ふーん、変わってるね。」というまなざしを受けることもあり。そして、子供が生まれても籍などいれて結婚という形をとらずに 同棲のままで過ごしてしまう方々も、少なくないのです。 

ただ、ノルウェーと一口にいっても、東・西・中部・北ノルウェーと、かなり文化や「何が普通か」に違いがあります。首都オスロがある東の地域は、もっとも同棲が一般化している場所の一つです。

 

同棲のマイナス面

近年、ノルウェーの外国人法で「同棲ヴィザ」もでき、同棲後 最初の2年間正規の滞在許可を持っていたら3年目から このヴィザが申請可能になりました。たとえば、初めの2年を学生ヴィザで、で相手がいる方はこの後 このヴィザに切り替え申請できるというわけです。

そういうわけで、私も同棲ヴィザで滞在している日本の若い子たちがいるというのを聞くようになりました。理由は様々だと思います。様々な理由で結婚という形をとらない選択はリスペクトされるべきだし、他人がとやかく言うことではないですよね。ただ、おばちゃんとしてちょっと心配したりするのが、みんなリスクをわかっているのかな、ということです。そのリスク…とは?

結婚すると、「結婚法」が適用され 例えば相互扶養義務などが課されてきますし、相手が不幸にして亡くなった場合も国からの経済的なバックアップや 離婚の場合も自分のもらい分というのを権利として主張できるのです。そんなリスクを回避するために、「同棲契約書」を結ぶカップルも多くいます。そこでは万が一の時の相続の配分や 別れた時の配分などをあらかじめ取り決められるようです。

同棲は、つまり まったく法的に拘束されない インフォーマルな関係なので、逆に法的な保護も無、なのです。昔 こちらの社会福祉事務所・生活保護課(NAV Sosial)で務めていた時も 自分の同棲相手が事故で亡くなり、相手所有のマンションから出ていかなければならなくなったクライアントさんが居ました。相手の家族がマンションやその他財産の権利を主張されたので、彼女は長い同棲生活だったにもかかわらず 一銭も故人の財産を相続できませんでした。

もうひとつ、リスクではないけど 社会的に言われているのが 「別れる率が結婚より高い」ことです。統計などが全くないので 裏付けもないのですが、50%(以上)の離婚率よりも高い確率で同棲カップルが壊れている印象です。もしこれが本当なら、もしかして 結婚よりも同棲を選ぶ時の 選択時の姿勢と何か関係あるのかな、と思ってしまいます。

 

離婚している親たち

同棲を選ぶ方々の理由には、「生活費をシェアできるから」のような経済的なことも挙げられているのですが、一番多いのは「相手が結婚相手にふさわしいか見極めたいから」とか「二人が合っているかどうか生活してみないとわからないから」のような 不安からくるもの。つまり、うまくいかなかったときを想定しての、「出口」がすぐそこにある関係のイメージです。別れるのがカンタンなことが前提で、壊れてもいいやとおもって結ばれる関係って、どうなんでしょう… ちょっとした問題が浮上した時は 「やっぱりね」という感じで 本当に簡単に別れてもおかしくないかもしれませんね。

または、「結婚は紙だけのものだから、する意味がない」という自分自身の理念から来るものもあります。私の受けた印象ですが…(裏付けはありません)やはり、女性が社会に進出して 男女平等がうたわれるようになった50・60年代を境に 離婚率が急激に増え、その2世以降の世代が 結婚に対する夢・希望、ポジティヴなイメージを持たなくなっているのかな。だとしたら、ちょっと悲しい感じです。

 

まとめ 

同棲ヴィザができたことから 日本人パートナーも 滞在許可のために結婚という選択をしなくてもいい 現状が生まれています。もちろん、選択は個人的なことだし そのカップル、カップルにとって最善な方法なのでしょう。ただ、日本人パートナーが結婚を希望しているのに、ノル・パートナーが「いや、それはしたくない」ということも 無きにしもあらず、なのかな…どうなのかな…と、思いを巡らせています。

20代で同棲に感動した若いおネエチャンが 24年経っておばちゃんになり、私はあのころとガラリと変わりました。今は正式な、フォーマルな結婚という関係に大賛成になっています。それは、公的な保護もさることながら、結婚するときの姿勢「この関係に賭けるんだ!」という意気込みがある方が 結婚後のさまざまなチャレンジや問題を乗り越えていくパワー度が高い気がするからです。(クリスチャンなので聖書的な結婚観を支持するというのもあります。)

 

次回の「国際結婚を考える」では、なぜせっかく結婚したのに別れてしまうのか?(むちゃくちゃ大きなテーマではありますが)にチャレンジしてみようかなと思っています。

ここまでお読みいただき ありがとうございましたー!