ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

トラブったらとりあえず相談… ノルウェーの労働組合について

こんばんは、お元気でしょうか?

前回ブログからあっという間に3週間です。まず4月初めにイースター休みがあり、5日間連休でいろいろな作業に当たっていました。その期間もそのあと1週間ほど、歯のトラブルで毎日鎮痛剤を飲み、ネットで検索の日々。今結構ノルウェーで歯医者難民状態なのですが、歯医者トピックはまた後日といたします…。

さて、今日は以前から書こう書こう、と思っていた「労働組合」トピックです。日本とかなり組合の在り方や社会での位置が違うかな、という印象です。それから今はコロナ危機の影響で事業主から不当な扱いをされている方もいらっしゃるかもしれません。私は法律家ではないので、3月11日付ブログで言及した「労働法」のコースや同僚たちから聞いたりした自分の体験をもとに書いてみます。

 

労働組合あれこれ

日本で務めていたころは、たしか職場の中で組織化された組合に入っていたと思いますが、こちらは組合は自分で自由に選べるようになっています。では、どんな組合があるのでしょうか?

例えば、「職業別」組合。以前 ノルウェー国教会で務めていたころは「Diakonforening」といって、Diakonの資格を持ったり、またはその役職で働いている人が対象の組合に入っていました。他には看護師さんの「Sykepleieforbundet」とか、医師の「Lægeforeningen」など。これらは例えば特殊資格などを認定する権限を持っていたり(資格が認定されるとお給料アップの交渉や、転職時に有利)機関紙などもなかなかスペシャリティーの高い学術的な内容だったりするので、職業別の団体を選ぶ人も多いと思います。

その他、例えば 今私が所属している団体などは「短期大学3年以上の学歴」を入会資格としていますが、職業や役職の種類、または公か民間かも問わずでは入れます。なぜ、わざわざここを選んだかというと、大きな理由の一つはこの組合は「政党と無関係」である、ということ。と、いうのも多くの組合がノルウェー労働党とつながっている「LO」(Landsorganisasjonen i Norge) という大きな組合の傘下に入っているので、間接的に政党を支持してしまうというのが「いまいち」だったのです。ちなみに今の団体もやはり大きな母団体の傘下に入っていますが、こちらももちろん 「政党独立型」。

それから業種や、公か民間によって「この仕事をしている人がよく加入している組合」もあります。かなり数も多いので結構探すのも大変かもしれません。

組合に加入すると組合員となりますが、もし職場に複数同じ組合の組合員がいる場合、この職場で組合を代表する人「Tillitsvalgt」(ティリッツヴァルグト)となることができます。Tillitsvalgtとなると職場での様々な雇用主との話し合いや、交渉などに関わるのですが、もちろんしっかりコースなどに通わせてもらって(費用は組合が負担)知識やスキルを身に着けます。新しく雇用する際の面接も、通常Tillitsvalgtが立会い、面接が正しく行われているかを見守ります。

 

みんなどうやって組合を選んでいるか

いろいろな方法がありますが、同僚や職場の組合の代表者などから聞いたのが主に…

  • 自分の職業を代表している組合
  • 職場の大多数の人が加入している組合

自分の職業に直結している組合の場合、他の同僚とは違う組合に入っていたりすることもあり、こちらも団結という意味ではマイナス面もあるかもしれません。ただ、職場で取得資格や学歴がまちまちだったりする場合は、それに見合った給与の交渉をしても「高額すぎる」といった見方をする人がでませんので、有利だと聞いています。

 

組合員となるメリットは?

実はメリットはかなり多数です。一つは払った会費が税金に対して控除対象になること(上限あり)。これを見ても国で組合加入が奨励されていることがわかります。それから、各割引制度。どの組合も銀行や保険会社と提携しているので組合員が対象の、各種保険や住宅ローンなどがあります。

でも、何よりもメリットは電話一本でいろいろなボスや事業主とのトラブルを相談できることでしょうか。ノルウェー人はどちらかというとコンフリクトを嫌う文化なせいか「トラブルは最低限のレベルで解決する」のが通例です。例えば、もし職場の代表が居たら、その人にまず相談。そこでも解決に至らなければ、その上に居る組合の職員とか組合の専属弁護士などに持ち掛けます。(その辺は組合の組織の大きさによって異なりますが、私の所属する組合はこじんまりなので、割と早い段階で弁護士クラスの人につないでもらえます。)

先述のブログでも触れた「労働法」ですが、本当に事細かく様々な労働に関する権利や責任が定められています。素人でもある程度は学ぶことができますが、やはり意見の不一致やコンフリクトとなった場合は労働法専門家に頼むのがベストです。

私自身はそれほど不当な扱いをされたことは 幸いにしてないのですが、はやり事業主やボスなどの「無知」が原因で 不愉快な思いはしたことがあります。その時に「うちの組合の人に来てもらいます」と話しをしたとたん、あっさりこちらの要望が聞き入れられました。この時のボス以外にも複数のボスにあたりましたが、労働法を熟知している人は居ませんでした。

知り合いの方にも、長い間非常勤で働いたのち、組合の方に相談した結果 正規の仕事をもらえる権利があることが判明し、念願の正規のポストをもらえた方がいます。

 

 

ざっと、簡単にノルウェー労働組合事情を書いてみました。日本では私は一つの企業にお世話になっていただけで、こちらでの就労経験の方が長いのですが、かなり日本の「労働組合」のイメージとかけ離れているかな、という印象です。もちろん、いつもトラブルが解決されて自分の要望・希望が通るわけではないとは思うのですが、ただ やはり自分が「外国人」ということもあり、自分の持っている権利を守りたいという思いは強いかもしれません。