ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステムズ・カウンセラーのブログです

額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2022 年上半期)

みなさまお久しぶりです。お変わりありませんか?私はといえば、夏(暑さや日差し)はもともと得意ではないのですが、ここ数年更年期障害も重なって、さらに疲れやすく ちょっとバテ気味なこの頃です。

さて、今日のトピックは前回からもう半年以上アップデートしていなかった顎関節症の治療について、今年上半期ということでまとめてみました。様々なことがありましたね…。結論から言うと、まだオープンバイトは以前のまま。改善はされていません。悪くなっていないだけ良いかもね、と自分に言い聞かせているのですが。どんなふうに参考になるか わかりませんが、何かのお役に立てればと思い、シェアいたしまーす。

 

私の顎関節症・治療ブログ ~前回までは~

顎関節症一般についてはググっていただいた方がより正確な内容を見ていただけるので、あえてこちらでは説明を省かせていただきます。さまざまな種類がある中で、顎関節の骨の部分が変形してしまうものを「顎変形症」というのですが、私のケースはその中でもレアな「突発性下顎頭吸収」らしい…、というのがこれまで判明しました。「らしい」の理由は、結果的に前歯部開咬(オープンバイト)が現れているのでこの診断しかない…という各先生方の見解ですが、すべての症状があるわけではないのです。なので、これに賛成しない先生方もおられました。下顎頭吸収と開咬の関連ですが、下あごの先端が吸収してしまうことで、下あごが短くなり、後方にずれてしまうことで前歯などがかみ合わなくなります。

発症はおそらく2020年の今ころ。初めの自覚症状は、顎がつっかえるようになった感覚があり、話がスムーズにできない、はっきり話せない…など。と、同時に奥歯が妙にがっちん・がっちんと当たるようになったのです。ただ、この時はまさか下あごが動いてしまって開咬になっていることまで 全く思いもつかず。歯並びも、毎日何気に見ているだけでは少しの変化に気が付かないと思います。

顎の骨関係は、日本だったらすぐに口腔外科のある病院などに行けるのですが、こちらは病院は国立で医師からの紹介状がないといけない場所です。(プライベートのクリニックは行けますが、通常は歯科医の紹介状が必要だし高い。)まずはMRIを取って、少し疑わしい点があり、紹介状をもらい、オスロの大学病院に行ったのが同じ年の10月。ここではあっさり「うちでは外科的治療以外はしていないので、矯正歯科を自分で探していってくれるかな」と言われ、帰されてしまいました。ここから自分の患者としての権利を試すべく、オンブズマンさんにお世話になったり、歯科医と相談の上、専門歯科医(補綴系と矯正系)やオスロ大学歯学部専門クリニックで診ていただいていました。自分でも日本の治療論文などを探してみたりして、3・4か所の大学病院で外科以外の治療法が試されていることが分かりました。

去年夏、コロナ禍で初めて里帰りをした際、治療論文でも見たある大学病院でスプリントによる牽引治療を試させてくださることになりました。また、違う大学病院の先生よりイスラエルの治療論文を紹介していただき、英語ですが何とか手に入れ、読むことができました。去年の11月にはヨーロッパの口腔外科医の団体を通して、論文執筆の先生とメールでコンタクトが取れ(でも、案の定返事来ず)、希望の光があちこちに差しているような、すごくハッピーな気分で終わったのが、前回のアップデート*1

 

今現在の症状

あまり普段詳しく書かないのですが、今回はちょっと主症状について書いてみます。まず、2年前にあったような初期症状は今はなく、顎の位置に合わせて筋肉も変化してきたような感じで、話すことは以前より楽になりました。が、調子はアップ・ダウンもあるので、顎の調子が悪い日は顎を動かすのもおっくうです。それから、「サ行」は発音できない時があります。以前頻繁にあった、咀嚼筋の筋肉痛ですが、なぜかスプリント治療で顎を固定して寝るようになってから少し改善されました。でも、痛い時もあり、「あ・い・う・べ」体操*2などでなるべく関節を動かし、筋肉をストレッチするように心がけています。

もう一つの大きな課題が咀嚼。なにせ、奥歯の2,3本しかかみ合っていないので、麺類や薄いもの、細いものは嚙み切れないし、少しずつ口に入れて少しずつ食べないとしんどいです。一番楽なのが厚さがあるもの…。パン類は食べやすいです。ただ、人間って適応性が備えられているもんですね。あれほど、悲しかった開咬も だんだん慣れてきています。もちろん、とても不便ですが、開咬だって人生を楽しく過ごせる、と考えると 少しメンタルで軽減される気がします。

 

スプリント治療…効果のほどは?

今年は3月下旬に里帰りしたのですが、例の大学病院で再診。まったく顎位置が変化していなかったのですが、もともとどちらかというと「試してみる」治療だったので、この時は上あごのスプリントにピヴォットという小さな突起(というかプラスチックの盛り)を付けていただきました。ピヴォットがある方が関節が動きやすいとか。先生に、これまでこの病院でこの治療をされた方々(約10名ほど)のうち、どのくらいの確率で改善されたのかと、もし効果ゼロの場合、考えられる治療は何かというのを伺いました。答えは、ほとんどの方々に改善が見られたそう。でも、ケースバイケースがあるので、私の場合はこれが無効果だった場合は矯正に入るのが良いのでは…とのこと。とりあえず、最低1年くらいはこの方法を続けてみても良いのではとのご意見でした。

 

オスロ大学歯学部・補綴科専門クリニック

私が行っていたのは補綴科だったのですが、初回の説明では矯正科に回していただくことも可能とか。でもこれは違っていました。担当の先生(専門歯科医コースに通う一般歯科医の先生)は「絶対原因を突きとめますからね」と、ずいぶん意気込んでくれていたのですが、結局はっきりした診断はここでもされず。「おそらく」下顎頭吸収…とのこと。まあ、はじめっから分かっていたんですけどね。最終回では、作ってくださった自分の歯型模型で、補綴系(かぶせものや削る)治療ではどう開咬を改善させられるかを見せていただいたのですが、先生曰く「あごの角度はだいたいで、正確には測れていないのよね」とのこと。うーん、顎の角度が変化した故の開咬なのに、なんだかアバウト。模型ではかなり上下の奥歯があちこち削られていました。でも、削るっていってもクラウンもあるので、場合によってはクラウンのつくり直しが必要になったりと、かなり費用がかかるかもしれない、とのこと。(またしても、アバウトなのが、削る想定の歯の神経の位置関係などは全く見ていない。)まあ、あくまで「これが治療の一例ですよ」的なものと理解しました。まだ請求書は届いていないものの、歯学部といっても歯科関係は全額負担なので、ウン万円はくだらないでしょうね…。あまり意味のない感じでしたが、でもやるべきことは やってみた…感あり。

 

オスロ大学病院・口腔外科の部長と対決

さて、大学病院は以前からお伝えしているように国の管理下にあり、独自の法律で患者の権利などが(一応)保護されています。詳しくお伝えするスペースがないので省略ですが、私が理解するところ、患者の私が病院の判定である「外科的治療は行っていないので、あなたを治療することはできません」に不服である場合は、クレームする権利、そしてクレームは通常判定を下した機関の病院に出すもので、病院が初めの判定を変更しないと決定した場合は、速やかに上訴機関のStasforvalter(スターツフォルバルテル)にクレームを送る義務があります。去年、実は病院がなかなかクレームを転送していないのにヤキモキして、直接Statsforvalterにクレームを送り、病院が義務を遂行しない旨もクレームしました。12月頃、私にStatsforvalterより、病院あての勧告状のコピーが届きました。つまり、義務を果たしていない病院に対するお叱りの手紙です。

2月、以前から骨の吸収が進行性なものかどうかを調べてもらうべく、同じ口腔外科に出向いた際、このクレームについての話になりました。外来担当医は「しぶしぶ」といった感じで、「じゃあ、部長と面談の予約とってあげますよ」と、この5月に予約を入れてもらったのでした。親切…というよりは完璧に責任逃れな感じですね。

さて、行ってみると再診の診察だと思い込んでいた部長と対決…。と、いうのも、私が望んでいる非外科的治療(例えば、日本やイスラエル)は、口腔外科からすると完璧に矯正歯科医の領域だという理解が私にはどうも腑に落ちないから。その旨もはっきり伝えました。矯正歯科医は通常、歯を動かす専門だけれども、顎関節の知識はやはり口腔外科医にはかなわないのではないか。ましてや私のように骨の吸収が起こっている患者にとっては、顎関節の知識が浅い医師にはかかれない…と、いうのが私の主張。現に矯正治療がきっかけで開咬になる患者さんも、かなり居る。だから、矯正歯科に回そうとする病院の意見は全く反対である…と。部長さん、この意見は一理ある…と、かなり我慢強く聞いてくれていたのですが、かなり横柄な態度の方でした。そして、例のイスラエルからの論文も「こんな治療を希望しています」の例で見せてみました。初めのリアクションは、「ああ、こんな治療法はどこの矯正歯科でもやってるよ」そして、「これ、どこの学術誌?信用できるのかなあ」。でも、私が何が矯正歯科治療と違うのか(ど素人ながらも、読み込んだ論文ですから。この何ページのこの患者さんは私の症例に似ている…と伝えたわけです。)できる限りお伝えしたところ、同じ症例の患者さんの治療データをもっと持ってきたら 海外治療を承認してもらう可能性*3があるかもしれない、と言い出しました。この日の面談では、これが結論となりました。ただ、例のクレームは私は取り下げないので、病院側の義務を説明し、速やかに転送してくれるようリマインドしました。部長さんは外科医なので、全くこの手の事務的知識はない模様…。(ある・ある、ですかねえー。)

 

イスラエルの先生

治療データかあ。たぶん、私みたいな一患者が頼んでもダメだろうな…。この論文の先生は11月以来お返事がないので、ちょっと気が引けたのですが、とりあえず事情を説明して、メール送信。でも、もし海外の患者を診てくれて、治療費を提示してくださるなら、国の援助云々は関係なく診ていただきたいです…とも、アピール。イスラエル…ニュースで見る以外はどんなカルチャーでどんなシステムだか全く見当もつかないのですが。とりあえず、先生がお勤めの病院のHPをチェックすると、かなり英語で書かれた部分が多いので もしかして海外から患者さんを受け入れているのかも…と、また希望が湧いできました。

 

まとめ

今日は長くなってしまったのですが、この半年間で起こった顎関節関係の体験を綴ってみました。病気って、本当に思いがけない時、思いがけない形で表れるものだなあ、とつくづく思います。今回はたまたま顎関節で、命に関わらない病ですが、本当にいつ何があるかわからないですよね。

私も正直、これからこの顎・かみ合わせがどうなるかわかりません。歯を抜いたり、削ってしまえば、時間は短くて済むのでしょうが それもまだやりたいとは思えません。いろいろやってみることで また先も見えてくることでしょう。

長いブログ、最後までお読みくださり、ありがとうございました。みなさまもお体に気を付けて。

マイ・ユニ

 

 

*1:前回少しご紹介した、Nye metoder、という新しい治療法を提案するのも、やりましたがやはり却下されました

*2:

www.minato.coop

*3:必要な治療がノルウェーの病院で受けられない際、海外の医療機関での治療費などを援助してもらえる制度があります…。が、どの治療でも良いというわけでもなく、承認されるにはこの部長さんが言うようにデータが必要です。

PREP(プレップ)試してみませんか? (その2・4つの危険信号・エスカレーションとは?)

こんばんは。大変ご無沙汰しております。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

今日は(ノルウェー時間で)5月16日。明日は年一回、国中がお祝いムードになる憲法記念日の「セッテネ・マイ」(17.maiと書きます。5月17日の意味)です。民族衣装などを着る人も多く、今ころはリネンのブラウスにアイロンをかけたり、とにかく明日の準備に忙しい日でもあります。こちらのコロナは、というと、5月に入ったころよりPCR検査場もすべて閉鎖してしまい、事実上 新規感染者の登録もなくなったと言っても良いかもしれません。

前回ブログではロシア侵攻後のヨーロッパから日本への迂回路線の件も含め、私の一時帰国のトピックでした。今日は2月にご紹介したカップルの「予防と関係強化プログラム、PREP」の続きで、4つの危険信号を順にみていきたいと思っています。初回のリンクはこちら:

humbleness.hatenablog.com

 

カップルの関係に対立はつきもの

人間関係には親子でも、夫婦でも対立やケンカはつきものだと言ってよいと思います。ケンカの中でも「建設的」なものもあり、言い合ってしまったけど、逆にお互いの本音がわかったり、フラストレーションを吐き出せたりと 絆をより一層強くする働きのものもあります。

ただ、そうではなく、もしもケンカや対立が関係を悪くし お互いに一緒にいる意味を感じなくなってしまったら?PREPではこの類のケンカ(コミュニケーション)は「パターン化」しているといい、これが無意識のうちに繰り返されている…と提唱しています。そして、このパターンに気が付いて言動を改善していくことで、関係が壊れてしまうのを回避していこうというのが狙いです。このパターン化した言動を「4つの危険信号」と呼んでいます。これらの危険信号は実はとても身近なもので、誰でも経験があったり身に覚えがあるのではないでしょうか。今日はその中から最も一般的な危険信号、「エスカレーション」をご紹介します。

 

パターンその1 エスカレーション (opptrapping)

何かの理由…、例えば約束に相手が遅刻したとか、やるのを忘れた、とかでケンカとなり、どちらも自分の正当性を主張し、相手に勝とうとして 言い争いの収拾がつかなくなっていくコミュニケーションを、エスカレーションと呼んでいます。たいがい、この時お互いに怒りも強くなっていき、冷静に考えられなくなってしまいます。相手の意見を聞くというよりは、次になんて言ってやろうかと考えています。強い感情が働くので、相手にどなったり、時には物にあたってしまったり ひどいことを相手に言ってしまったりするものです。結果はどうなるかというと、お互いに傷つけあって、嫌な後味がのこり、誰も得する人はいません。

みなさんは、どのようにヒートアップしてしまったケンカを終わらせていますか? PREPでは以下のことを提案しています。

 

早い段階で中断する

ああ、また言い争いが始まって来た…と、気が付いたら 一旦「わかった、わかった。怒ってるのはよくわかった。でも、いったんやめて後でまた話そう」と、一方が早い段階で引くことです。一人がちょっと引くことで、相手もちょっと落ち着きを取り戻すのが期待できます。それはどうしてかというと、言い合いをするのは通常、自分の事を見てほしい・聞いてほしいという欲求から来るもので、「わかった」と相手に言ってもらうことで少しこの欲求が満たされ、エスカレートさせる必要がなくなるから…ではないでしょうか。

 

自分が正しい=相手に勝つ…のをやめる

この言い争いで自分が正しいと証明したからといって、どんなメリットがあるのでしょうか。自分が正しいと証明することより、もっと夫婦(カップル)でチームとして上手くやっていく方が大切なのではないでしょうか?もしも最終的に何が大切でどこを目指しているかわかっていたら、無駄な言い争いも意味がない…と、思えるかもしれませんよね。

 

落ち着くために他のことをする

近しい人との言い争いって、本当にむかついたり傷ついたり、強い感情がわいてくるものです。かといって強い感情で心がいっぱいになっているうちは冷静に話すことも難しいと思われ、どうしても心を落ち着けさせることが必要になってきます。こういう時は、いったんその場を離れ、散歩やジョギングに行ったり、怒りのエネルギーを他の建設的なこと(例えば家事)に向けてみるのはどうでしょうか。

 

今日のまとめ

対立が言い争いになってしまって、いわゆるここでいう「エスカレーション」してしまう事って、「ある・ある」とうなづいていただけたかと思います。うちも例にもれず…たまに「やっちゃったよ」ということはあります。(ただ、ひどくなる前にやめるように心がけておりますが。)

実際私がお話を聞くカップルの方々には、「ケンカが絶えない」という方々もいらっしゃって、この時のケンカのパターンはエスカレーション型が非常に多いかと思います。そして、気になるところは「どんなふうにケンカされているか、ケンカについてパートナーとお話されていますか?」と聞くと、ほとんどの方が「話していない」というのです。もしかすると、あまり日常どうやってコミュニケーションしているか、普段から話ができない…という方々もいらっしゃるかもしれません。こちら、西洋ではやはりオープン・コミュニケーションが良しとされている文化的な背景もあり、PREPなどで提唱されていることもはやり「夫婦でよく話し合いましょう」的なアドバイスが多いのです。ただ、パートナーとあまり話ができない、相手がそういったことを好まない場合もありますよね。人と人との間のコミュニケーションって、相手の出方に影響されることも多く、もちろん自分が出方を変えれば 相手の出方も変わって来ることも期待はできるのですが…。やはり、カップルの関係って二人の人が作っているもの…と考えると、一人ではなく二人でこのことを一緒に考えられるのがベストだと思っています。

 

さて、次回の「4つの危険信号」は、パターン2「相手を見下す言動」をご紹介したいと思います。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

夫と一緒にノルウェーから一時帰国 入国・隔離編

みなさまこんにちは。今回は前回の続きで、いよいよノルウェー国籍の夫との検疫・入国手続のところから綴ってみたいと思います。

 

夕方午後5時・羽田空港到着

15時間のフライトを経て、やっと羽田に着陸。以前もそうでしたが、機内で10‐15分ほど待たねばなりませんでした。私たちの乗るはずだった2日前の便の欠航で、この便は振り替え便だったのですが、ラッキーにもプレ・エコへアップグレード。プレ・エコ部分も少しだけ空席がありましたが、およそ8割がたは埋まっていました。すると通路を挟んだ隣の3席並んだ空席に年配の男性が移動してきました。その方は「鼻出しマスク」で咳をかなりされていて、一つ通路を挟んだ私たちもちょっと冷や汗もの。確か、前後左右の2列に空港検疫での陽性者がいた場合は7日間の自主隔離になってしまうからです。

 

やっと搭乗機から出たところで、最初はファストトラックのQRコードを見せるところから始まりました。たしか、質問票を登録したところでQRコードスクリーンショットで取っておくように画面で指示もあったかと思います…が、これがこの時に使うものとは知らず、夫も私も空港のWifiにアクセスしたのですが、ネットがなかなかつながらず焦りました。降機してきたお客さん100人以上が一気にその狭い空間でごった返して ちょっとカオスになっていました。スマホなどにイマイチ弱い夫などはそこでもたもた…。(ですので、スクショしたQRコードはここで使うものと皆様にはお伝えします…)それから必要だったのはファストトラック画面のワクチンの日付が書いてある場所。ここもスクショするよう、その場で言われたのですが…。(My SOSを入れられるようにスマホを買い替えていた夫…。ここでもスクショがすぐにできず、あたふた。皆さんはそんなことはないと思いますが…。)QRコードについては、この最初の入り口以外にも数回見せるように言われます。なんだって、何回も見せなければいけないのかは理解に苦しみますが…・

次に検査用の容器を渡されて唾液採取のポストに来ます。親切にも唾液量を確認してくださる職員さんが居たので、助かりました。それからスマホのアプリ確認のポストでMy SOS・位置情報をチェックされました。ノルウェーはかなり前に「強制隔離指定国」から除外されていて、ワクチン証明がある私たちは下のチャート(厚労省のHPより)の「待機なし」が適応されると伝えられましたが、My SOSと位置情報はオンにしていなければなりません。

私自身の感覚では去年の8月、ファストトラックがなかったころに比べると、やはりとても楽でスピーディになった感じです。事前に審査していただけるのも良いと思いました。

 

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さて、いよいよ最後、空港での検査の結果待ちは大きな待合室の様なところで画面で番号が表示されるという仕組みになっていました。数百人くらいの、かなりたくさんの方が居たと思います。ここには自動販売機で飲み物やスナック類が売られており、お手洗いも行けました。30分ほど待ったでしょうか。自分たちの番号が表示され、いよいよ受付に並び、結果をいただきます。ここでも、マジで祈りました。だって、万が一どちらか、又は二人とも陽性だったら困っていましたもんね。幸いなことに、二人とも陰性。私は自分のことに夢中で見ていませんでしたが、夫は同じ列の先の方に陽性だった方が居て、違う場所に案内されていたのを見たと言っていました…。(陽性が出たら空港からは自分で出られない仕組みです。)

そして陰性を示すピンク色の紙をもらい、入国審査へと進みます。今回、外国人留学生や夫の様な配偶者短期ビザの方も増えていたせいか、この列もかなり長かったです。ここでも30分は待ったでしょうか。ここに並ぶ間に夫情報で、例の「鼻出しマスクおじさん」も陰性で空港から足早に出ていったと聞きました。とりあえず、ホッ。この列に私たちの前の列に座っていたご家族も居て、前と右(私たちは左はじの最後部だったので)の方々は陰性だったことがわかり、とりあえず濃厚接触者になる可能性は低いと見たのでした。

入国審査ではパスポートのビザを見せ、戸籍謄本を見せたらあとは問題なく通過できました。夫はチェックイン時の件もあり、ここではかなり緊張していたようですが、本当にすんなり行きました。戸籍謄本も、実はビザ申請時の必要書類なのでこれを前提にビザをもらっているのですが、大使館で伝えていただいた通り提示が必要でしたね。

 

バスに乗れる幸せ

全ての検疫・入国審査を終わり、荷物を受け取ったのが夜7時半。着陸から2時間半かかったというわけです。平日の夜とあり、満員電車も辛いので今回はエアポートバスで実家のある町に向かいます。いやあ、前回と違い すぐにバスに乗れたのは嬉しかったです。これがハイヤーなら費用もかさみますし(片道2万円くらい)空港でどのくらい時間がかかるかわからない中で、またストレス要素でしたね。

実家の母は私たちにすぐに来てもいいと言ってくれたのですが、他の家族がこれには反対なこともあり…。私たちも万が一にそなえ、政府の待機期間中(到着日の翌日から3日間)は同じ町にある長期滞在型ホテルを利用しました。

ホテルに着いてからMy SOS画面の位置情報を送信。次の日には(隔離は実際免除なものの)隔離期間終了日が画面に現れました。結果的には濃厚接触者になったとの知らせもなく、「待機免除」イコール 位置情報確認、健康状態確認、またAIによるビデオ通話など、去年隔離期間にあったすべての通信は今回は全くありませんでした。隔離終了日が経過した次の日、下のメッセージが表示されました。ここでMy SOSのお役目も終了です。

 

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さて、今回の隔離期間は前回とは雲泥の差となりました。去年12月にオミクロン株のせいで一時帰国が延期になった私たちでしたが、今思えば延期になって良かったなあと。12月の時点ではまだ14日間の自主隔離期間(そしてノルウェーはオミクロン蔓延国として強制隔離期間も6日間あった!)もばっちりありましたもんね。そんなわけで、今回の滞在は着いた次の日から普通に動けるとても自由なものとなりました。

海外におられてご家族で一時帰国を計画されている方々も、もちろん陰性証明などはかなりストレスだとは思いますが、一度入国したら実際の隔離期間はかなりコロナ以前に近くなっていますので 是非トライされてみてください。今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

夫と一緒にノルウェーから一時帰国 準備・出国編

「これって、アリ?」12月初旬、日本政府による短期滞在ビザの無効化。夏から着々と準備を進め、お正月帰国を指折り数えていたノルウェー国籍の夫と私にとってはショックすぎて立ち直れないかと思った出来事でした。

そして、それから3か月…。とうとう念願の一時帰国を果たすことができました!個人的にSNSでこのことを公表したところ 反響をいただきましたので、またここにブログとしてどんな体験だったか綴っていきたいと思います。今日は準備、出国編。

 

1月中旬:短期ビザ「特段の事情」枠で再トライ

以前ブログでもご紹介した、私たちの強ーい味方、ユーチューバー「ダイスケ」さん。この方のフォローをしていた1月のある日…。【緊急】査証発給の現状について - YouTube

なんと!視聴者さん情報として他国でビザ発給が始まったとのこと。次の日、早速オスロの大使館に確認を取り、「特段の事情」を説明した手紙を書いて持ってくるように指示されました。そこで、以前提出した申請書類のみでビザ再発給を審査してくださるというのです。今回は夫に自分で行ってもらったのですが、驚いたことに手紙を提出すると即発給していただけました。

この後はみなさんもご存じの通り、外国人の入国緩和となってきましたよね。

 

コロナの次は戦争 ー ロシア迂回でフライトがなくなる

3月末の航空券もゲットし、短期ビザも再発給。「さあ、これで一安心」と思った矢先のロシアによるウクライナ侵攻。前回ブログでも書いた通り、3月に入ってからはフライトが次々に欠航となり、乗る予定だったヘルシンキー羽田のJL48便も欠航が相次ぎました。当初はJALはヨーロッパ路線を羽田ーロンドンに絞っていたので、この48便も当然なくなるものと覚悟。この航空券はフィンエアーの公式サイトで購入したのですが、フィンエアーに問い合わせても搭乗便が欠航になるまでは便の変更はできるが差額発生時は自己負担となるとのこと…。そして、HPで見る限りチケット代も2倍とか3倍へ高騰。フィンエアー自体は3月初めに早々とすべての便を欠航にしていたので、もしフィンエアー便を予約していたらこの段階で振り替え便を手配していただけたとのこと。ところが、JALは欠航の公表がスローで、例えば全日空が3月中旬には3月いっぱいの欠航を発表していたのにも関わらず、私たちの便は1週間前になっても一向に欠航になりませんでした。*1 欠航が決まり、振り替え便の手続きができないと(出国72時間前からの)PCR検査も予約できません。「早く欠航を発表してください」とJALにクレームせど、「申し訳ございません」ばかり。フィンエアーにもどの便に振り替えられそうか問い合わせましたが、4月14日までは自社便は満席…との答え。…焦りました。

 

出発までの怒涛の日々

JALの欠航便案内をほとんど一時間おきにチェックしていた数日間。最終的に私たちの便の欠航が発表になったのが、搭乗4日前の3月23日。この日はたまたま仕事の予約がキャンセルになり、ラッキーにもオフィスで事務作業をしていたので HPを見てすぐにフィンエアーに電話できたのです。それでも待つこと45分…。私のブロークンな英語も丁寧に聞いてくれ、空いていたのが予定の2日後のヘルシンキ乗り換えの便。なんと、JALは私たちの欠航便の次の日からヘルシンキ便を再開したのでした。他に空きがある便はオスローロンドンーNYー羽田(40時間以上)、またはオスローロンドンーシンガポール―羽田(30時間以上)だったので、2日遅れでも最短距離の便があってラッキーと言えるかもしれません。

お次はPCRの予約。今回も事前にメールで日本の陰性証明の記入をしてくれるか確認した後、ファミリー割引があるクリニックを選びました。昨年私一人の時はエクスプレスという一番高い検査を受けましたが、今回は二人で念入りに抗原検査を家で何回かやって陰性を確認してからスタンダードタイプの検査を選びました。土曜日の夜8時半に受けて、結果が来たのが日曜の朝8時ですから、割と早かったと思います。ただ、こちらが記入してくれたのは検査結果の部分のみ。名前やパスポート番号は自分で記入するように言われ、あちらでは書いてくれなかったのです。これには(おそらくナーバスになっていたせいもあり)クレーム出しました。もし筆跡が違うと言っていちゃもんつけられたら、どうするんだ…ってことで。クレームを出した先はこのクリニックの本社のある事務所で、さすがにボスの方は対応も良かったです。新しい陰性証明を書き直してくれることになりました。

この冬から春にかけ、職場でも親戚でも次々にコロナにり患している中、最後のPCRで陰性になるかどうかでは本当に神経をすり減らしました。仕事以外では人にもなるべく会わず、マスクも常時着用。なので、私として行けるかどうか早く知りたいと思い、早めの検査を選びました。夫の方は検査を受けてから、空港で陽性になったらどうしようとかなり心配していたようです。

さて、もろもろの手配と並行して今回は「ファスト・トラック」を試してみました。ダイスケさんの動画はこちら:

羽田など4空港へ拡大。スマホで事前登録、検疫時間の短縮なるか【日本入国ファストトラック】 - YouTube

陰性証明(書き直してもらったもの)をアップロードできたのは出発前日だったのですが、日本が夜中の時間でも審査されていたようで、画面はグリーンになりました。ファストトラックについては入国編で後日お伝えいたします。

 

出国・チェックイン

前回、去年8月の帰国時はチェックインカウンターが開いたのが通常通りの2時間前。今回も列の先頭になっておいた方が良いと読み、3時間前にはチェックインカウンターの前に並んでいました。ところが、今回チェックインが始まったのが2時間半くらい前。ちょっとびっくりでした。

ここでは夫のパスポートにもらったビザが問題に。グラウンドスタッフ曰く、「このほかに何か大使館からの手紙や証明書があるはずだ」と。そう言われても今回は平日の昼間の時間だったので「何なら大使館に今電話しますよ」とかわして(スタッフの方は代わりに相談しに行っちゃいましたが)それほどナーバスにならずに済みました。平日の昼間の移動、いいかもしれませんね。案の定、この後大使館に電話で確認しましたが、スタッフの勘違いということでお答えをいただきました。短期滞在ビザ(Vのタイプ)は、パスポートのシールのみで大丈夫です。このあと、ファストトラックのQRコードを見せ、陰性証明を見せチェックイン完了。

ヘルシンキに着いてからは、前回同様、JALの搭乗口に進み、事前にファストトラック画面と陰性証明を見せてその後は乗るだけ。そうそう、出発数日前に気が付いたのですが、振り替え便にしていただいた時になぜかプレミアムエコノミーへアップグレードしてもらえていました。実はコードシェア便としてJL48ではなく、AY5073でチケットが発行されていたので、JALサイトでの事前座席指定ができず(そしてJALヨーロッパ地域のカスタマーサービスも全く電話がつながらず)普通にウェブチェックインしたときに座席指定がやっとできたのですが、並んで座れる席が空いていたのでラッキーでした。

 

人生初めての長いフライト

さて、実際のフライトですが 向かい風の影響もあり、15時間のフライトとなりました。すっごく長かったです。(改めて、お子様連れの方々、お疲れさまでした)ただ、いつもはあまり寝る時間がないなあ…と思ったりするのですが、今回は時間が有り余るので5時間ほどは寝られたかもしれません。いずれにしても、迂回ルート(北回り)は遠いですね。機内サービスは通常通り夕食と朝食の2回と、夜中(?)にマフィンが配られました。日本に午後5時に着くのも私にとっては新鮮な体験でした。

 

自分への教訓

もちろん、戦争なんて本当に予期できない事態ではあるのですが 今回のように多くの便が欠航となり不安定な状態では、航空会社の自社サイトでオリジナル便のチケットを持つのが一番なのかな…と、思いました。フィンエアーJALは提携しているから…と思っていた自分は甘かったです。フィンエアーJAL便買いすると、旅行会社で買ったものと同じような扱いとなり、JALに問い合わせても「フィンエアーに聞いてください」となりますね。

 

さて、次回は羽田空港での体験について綴ってみたいと思います。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

*1:3月15日の日本航空HPでは、私たちの搭乗前日までが欠航となっていたので、羽田から機材が来ない以上、この時点で欠航は事実上決定...でも公式発表がないと手続きは不可という...

ノルウェーからウクライナ侵攻を見る ー 世界中を巻き込む非常事態でメンタルを守る大切さ

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか?前回ブログを書いた約一か月ほど前は コロナはあるとはいえ、何と平々凡々とした日々だったのでしょうか… 一か月前と言えばまだ北京オリンピックの最中で、ノルウェー勢が大活躍して盛り上がっていました。私たち夫婦もうちの2階のペンキ塗りをしつつ、週末の午前中は競技を見ながらテレビの前で朝ごはんを食べたり。なんと平和だったことでしょうか… 

今日、本来ならまた「プレップ」の続きを書こうと思っていたのですが、2月23日以来 あまりにもさまざまなことが起こり、やはり日常から書くことに変更しました。今のこの心境・状況を記録しておきたい…という気持ちからです。

 

ウクライナ侵攻後のノルウェー

ノルウェーは北の地方でロシアと国境を接していますが、この地域にお住まいの方々が脅威を感じ始めているということと、反戦デモなどのニュース以外では 特に身の回りの変化は感じていません。ロシア人の友人が二人ほどいるので、友人たちに「元気出してね」的なメッセージは送りました。一人の友人は、私への返事の中で、自国の知り合いや家族とはこの話はできないと語っていました。これは日本のメディアなどでも伝えられている通り、Putinを指示する層が多数いるということでしょう。

ウクライナ侵攻が始まって以来、こちらのメディアでも毎日トップニュースで報じられています。丁度NATOのリーダーが元ノルウェー首相のJens Stoltenberg (イェンス・ストルテンバルグ)なのも関係しているでしょうか。いずれにしても、ロシアは隣の国なので関心の高さは理解できます。

先週あたりからウクライナからの難民を受け入れ始めたというニュースも入ってきました。国営放送のNRKがチャリティーコンサートを流したのも先週です。もともと非営利団体の活動が活発なノルウェーですが、町のあちらこちらでも団体が募金を呼び掛けるポスターを見ます。今晩のニュースではノルウェーは最大2万2千人を受け入れる体制があるそうです。

私の職場でももしかしたら難民受け入れに関わるかもしれない、とも最近お達しがありました。今の職場につく前に、オスロ市が運営していた難民収容所で働いていたこともあり、おおよそ難民となるとどんなプロセスを踏むかはわかります。外国人管理局によると、ウクライナの方々は集団的保護が適応になるため、難民申請したらそのまま許可となるようです。許可が降りると各自治体の受け入れ態勢が整えられるまで待機ですが、ここ数年は難民申請数が減少だったことで 割とキャパシティーは大丈夫なのかな、という印象です。それにしても、幸せに暮らしてきた国を離れ、新しい環境で新しい言葉を覚えて…と、難民の方々にとってはものすごく大変なプロセスになりそうです。

 

個人的に影響されたこと

ウクライナは元ソ連、イコール「東側の国」というイメージもありますが、近年は民主化も進んで人々が何不自由なく暮らしている国でした。言ってみたら、私や家族と何ら変わらない人々です。そんな方々の国があんなに破壊されているのは これまでのどんな紛争よりもとても身近に感じられ、かなりショックでした。私たち夫婦ももしこんなことがここで起きたらどうするか…どこに避難するか、なども話し合いました。もしも、NATOがロシアに反撃を始めたら、あっという間に第3次世界大戦となってしまいますし(ノルウェーは加盟国)、先述の通り、ロシアはすぐお隣。自分たちでも「こんな話をすること自体がまだ信じられない」と思うくらい、非常事態モードなのです。

もう一つはロシア航空海域を飛ばないことから来る各航空会社便への影響。年末の一時帰国を断念し、今月末に再度トライしようとしていた私たちですが、いつ日本に行けるのか今のところ未定となっています。(もし、運よく日本に行けた暁には、ご報告しますね…。)

そんなこんなで、最近注目しているのは「どうやってメンタルを守るか」ということ。「ウクライナの方々がこんな悲惨な目に合われているのに、自分も彼らの身になってあげないと…」という気持ちで日本・ノルウェーのニュースなどをかなり見ていたのですが、ちょっと今ペース・ダウンしなければというのに気が付きました。私には今日の生活もあり、仕事もしなければなりません。悲惨なニュースばかり見ていては、悲観的になってしまいますよね。今日のチーム・リーダーとの会話でも、彼が「もうこんな世の中になって、長生きしたくないな… これから何が起こるかわからないよ。」と言っていたのを思い出しています。そう、人間は楽しい事・希望が持てることがないと 元気が出ない、やっていけない…。普段はこんなことは当たり前かもしれませんが、こんな非常事態の時には 特に自分に言い聞かせないと…と感じています。そして、個人的なことですが、(キリスト教の)信仰があって祈れることがとても感謝なことです。

 

「コロナの次は戦争か…」と言われる方々も多くいます。全くその通りですよね。一日でも早くこのパンデミック、この戦争が収束を向かえますよう お祈りします。

PREP(プレップ)試してみませんか? (その1・PREPとはなんだろう)

みなさまこんばんは。お変わりありませんか?

こちらノルウェーでも北欧隣国にならい、『ウィズ・コロナ』が進み、ついに先週土曜日より、ソーシャルディスタンスやマスク規制も撤廃となりました。私は、というと、周りを無視してこれらをもちろん続けています。職場でこの旨同僚たちにメールで知らせたところ、「知らせてくれてありがとう」と、ポジティヴなリアクションをもらいました。

さて、今日は以前からずっと考えていたブログ構想を実際に文字にしてみます。私はファミリー・セラピストとしての経験はまだまだ浅いのですが、ボランティアや副業のカウンセリングで頻繁に思うのは「コミュニケーションさえもうちょっと上手く行っていたら、もっと仲良くできそうなのになあ…」というご夫婦やカップルが非常に多いということです。特に今のコロナ禍が長引く状況で、もともとあまり上手くいっていない関係だったとしたら、悪循環に陥ってしまったり。カップル・セラピーは敷居が高い…という方々に向けて、もしかしたら私にもできることがあるかもしれない…と、思いPREPをご紹介していこうかな、と思いました。

 

PREP イコール 夫婦関係改善と問題予防のプログラム

PREPは英語のPrevention and Relationship Enhancement Programの略で、直訳すると「予防と関係強化プログラム」となります。何を予防して強化するかというと、ずばり夫婦・カップルの関係です。PREPはもともと80年代に米国・コロラド州デンバー大学の研究をもとに開発されたプログラムで、その研究は30年以上に渡るといいます。ノルウェーでは、Modum Bad (モードゥム・バード)という全国的に知られている精神保健の研究施設で、PREPをノルウェー仕様にする権利を取得し、PREPコースのコースリーダーを養成する役割も担っています。*1実は私と主人もPREPコースのミニバージョンを受けたことがあり、ファミリーセラピストの勉強を終えた後も、先生の勧めでコースリーダーの資格を取りました。その当時、Modumにノルウェー語で書かれた教材(コースで参加者に配られるもの)を日本語に訳して使用していいかどうかの許可を取り、とりあえず許可は頂いたものの、なかなか前に進めずにいたのです。(日本語って本当に難しい言語ですからね…と、言うのはちょっと言い訳っぽいですが…)そんなわけで、私的にはコースを開くのではなく、先にもお伝えしたとおり、ご夫婦やカップル間の問題の中核がコミュニケーションにあるかもしれない、と思った場合はPREPのエッセンスからアドバイスなどをさせていただいています。

 

PREPは学んで練習してみるプログラム

さて、わかりやすく(と言ってもノルウェー語バージョンのみで申し訳ないのですが)ModumのHPにPREP の紹介があります。フルのPREPコースは14課からなっており、ざっと簡単にご紹介すると、自分たちのお互いとの関わり合い方(コミュニケーション)で危険因子はないか探ってみたり、もしいつもケンカで終わってしまって大切なことを冷静に話し合えない場合のコミュニケーションツール(スピーク&リッスンテクニック)を実際にコースで試してみることができます。日常の様々な問題をどうやって解決していくか、も学びます。また、どうしたら関係にもともとあった強みの因子(リソース)を強化していくことができるか…など。簡単に言うと、弱い所を補正して、強い所をより発展させていく…ものです。これはアメリカ発のコンセプトなので、いかにもアメリカっぽい感じもするのですが、30年以上の研究に基づいているし アメリカには多文化カップルも多いので もしかしたらどの文化にも普遍的に役立つプログラムかもしれないですね。*2こうして文章に書いてみると簡単に聞こえますが、やっぱりやってみると親しい間柄のコミュニケーションを改善するって言っても、なかなかそう簡単ではないですよね。

PREPではカップルの一人だけではなく、お二人で同じことを学んで試していただくことに重きを置いています。そうすることで、やってみたら難しいというのも一人ではなく、二人で体験してもらおうという仕組みです。

もともとカップルでしっくりいかない場合、バックグラウンドに重度の精神障害や(薬物などの)依存症、DVなどが潜んでいない限り二人のうちどちらかが「悪いから」上手くいかない…ということは非常にまれです。逆に二人のお互いのコミュニケーションがかみ合っていない、つまり誤解が多かったり、それぞれのコミュニケーションパターンがものすごく違っていたり、また取り巻く環境が大変すぎる場合だったりしたときに、本当は二人とも上手くいかせたい、仲良く楽しい毎日をパートナーと過ごしたい…と思っているのに何故か上手くいかない…でも、どうしたらいいかわからない…という悪循環になっていることが多いのかな、と感じます。せっかくお互いに上手くいきたい…と思っているのに、上手くいかなくなってしまってはもったいないですよね。

 

ブログでご紹介していくのは…

通常PREPはコースであったり、個人的なカウンセリングの場面で使われているので、ブログでお伝えするには多少 チャレンジがあるかな…と思います。ただ、こうして複数の方にご紹介し、必要とあらば試していただくことで まだまだ終わらないコロナ禍の日常でありうるカップルのギクシャクを少しでも改善していただけたら…と願っています。

取り上げる項目、次回はPREPノルウェーの教材に乗っ取って、まず カップルに潜んでいるかもしれない「4つの危険信号」から行ってみたいと思います。

 

どちら様も、引き続きご自愛のほどを…。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。まだまだ寒いノルウェーより、マイユニでした。

 

 

 

*1:PREP Samlivskurs - Modum Bad

*2:ノルウェーバージョンではプログラムの内容そのものよりも、カップルのコンテクスト・背景について、オリジナルバージョンから改正したとのこと。例えば、ノルウェーでは女性が働いている家庭が圧倒的に多いことや、連れ子が普通な背景でしょうか。

冬のリフォーム再開・オミクロン蔓延と規制緩和 - 2022年・第5週

みなさまこんばんは。前回ブログを大晦日にアップしてから、かなりサボっておりました。今年は3日の月曜日から仕事はじめで、かなり目まぐるしく毎日が過ぎていった気がします。そんなマイペースのブロガーですが、今年もゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

さて、そんなわけで今年に入ってからこの1か月を振り返ってみたいと思っています。とくにホットな話題といえば、毎週末ののんびりに飽きてきたため、また去年の続きのリフォームを始めたことでしょうか。あとは、ノルウェーコロナ事情にも 触れてみたいと思います。

 

プチ・リフォームからリフォーム心に火が付いた?

日本で所ジョージさん司会の「ビフォア・アフター」という番組がありますが、それをYouTubeで発見したのが去年(番組自体も実は知りませんでした…)。こういった建築系の番組って、言葉が全部わからなくてもうちの主人と一緒に楽しめるし、日本の大工さんのお仕事も興味深く見ているようです。毎日のようにこの番組を見ていますので、おのずとうちの中の片付いていない場所や不便な場所が気になってきた…ということで。実は玄関部分の靴収納が、かなり長い間気になっていたのです。ですが、新しい収納家具が必要だったりして、なかなか始められませんでした。

ところが、良いチャンスが訪れました。ノルウェーIKEAで「IKEA Family」メンバー*1のクーポン券キャンペーンが1月中旬にあったのです。2000クローネのお買い物につき、200クローネのクーポン券がもらえるというのです。(2000クローネは大体2万5千円くらいでしょうか。)以前は背の高いクローゼット家具を見ていたのですが、ちょっと壁のようになってものすごく狭くなりそうだったので、新しく出てきたシリーズ家具の「Havsta」を購入してみました。(そして、クーポンもさっそく新しい植木バチに消えていきました…)

ちなみに、こちらの家の玄関ホールには日本の玄関の様な段差はなく、靴を脱ぐ習慣はありますが、うち同様、みなさんドアの内側にマットなどを敷いていて、だいたいマット付近で靴を脱ぐ感じになっています。

壁は白ですが、前の家の持ち主さんが地中海ブルーを下ににぬっていたらしく、ペンキのはみだしが随所にあったこともあり、階段と同じ色のペンキ(ベージュ、グリーン系)を壁二面に塗ってみました。

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ビフォア&アフター

棚の上のレイアウトは夫が好きでいろいろ持っている「マリン系」。しばらく様子をみて、配置を決めていこうと思っています。

そんなこんなで、またペンキを塗り出したら、去年の続きのTVの部屋の天井のペンキ塗りもぼちぼち再開してみようと、モティベーションがわいてきました。去年のリフォームについては、こちらで…。

humbleness.hatenablog.com

そうです。TVとソファを置いているリビングの天井も、お風呂場と同じ木材パネルが張られていますが、はやり木目処理剤が塗られていない様子。インテリアは好き好きなので、もちろん節々が出ていても悪くはないのです。が、うちの夫はその辺が妙に神経質というか… 節々が見えないきれいな天井にしたいようです。

ただ、こういった木材パネルはローラーではなく刷毛で塗るのが普通ですので、ローラーに比べると、大変です。うでや首がすぐに痛くなってきます。そして、うちは夫にむち打ちの後遺症があるので、首に負担のかかる仕事は私が頑張らねばなりません。

 

2月1日からのコロナ政策の大緩和

さて、ここで話は変わりノルウェーのコロナ事情について少し。最近日本の番組でもデンマーク規制緩和について見ることがあったので、おそらくみなさまの中でもご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。他のこともそうなのですが、政治政策でもスウェーデンデンマークの流れを見て舵を切ることも多いのでは…と感じます。(足並みをそろえる…というか。でも、スウェーデンの初期のコロナ政策はノルウェーでは取り入れませんでしたね。大正解だったと思います…)

ノルウェーでも連日2万人を超える方が感染しています。全人口が大体北海道くらいなので、すごい数です。人口10万人に対する数でも日本をはるかに上回っています。が、なぜか入院者数や重症者数は横ばい状態で、爆発的には増えていません。ブースター接種も、最近では20代前半の私のクライアントさんあたりの年齢まで達していますから、かなり進んでいるものとみています。でも、今は本当に周りでも感染する方が続出なので、いつ自分の番になってもおかしくない感じです。

そんな中、2月1日の政府記者会見では、1メーターのソーシャルディスタンス、(ソーシャルディスタンスが取れない場所での)マスク着用、罹患した際の自己隔離の三点を除き、対策緩和となりました。これも、デンマークなどの動きを見て、似ている部分が多いからかもしれません。(ただ、昨日夫が言っていたのは、デンマークから早急な対策緩和はやめた方がいい旨助言があったとか…。)

テレワーク要請もなくなりました。これについては、各企業や事業所により賛否両論があるようで、職場の判断に任せ テレワークが感染防止につながる場合は継続してもよいとのこと。うちの職場は、というと「全面出勤体制」が去年の暮ころから続いています。つまり、テレワークなしです。以前はどちらかというとオフィスにも50パーセント以上は来ないようにお達しがあったのですが。所長いわく、「クライアントの仕事をしている人はテレワーク免除になっているから」とのことでした。ただ憶測ですが、これは建前の理由で、本当は何かしらの問題が発生していてこうなったのかな、と考えています。つまり、うちのようなもともと自分でその日の予定を自分で立てるような職種はどこでどんな仕事をしているかはカレンダーで自己報告しているのみで、その日こなした仕事は目で見ることはできないのです。もちろん、皆が就労時間は働いているという信頼があって雇われているわけですが…。実際、所長が「本当にみんな全然オフィスに来ないのよね」と、ぼやいていたのも思い出します。やっぱり全く顔を見せない職員のこと、気になるものわかる気がします。私などは一度オフィスのあるオスロに出たら、ここを拠点として動きたいので テレワークがあった時も、かなりオフィスに来ていた度合いは高かったのですが。ただ、全面的にテレワークがなくなったと言っても、実際のところ木曜・金曜はかなりガラガラになっています。不思議です…。(ま、他の人のことはどうでも良いのですけどね。)

ノルウェー規制緩和については、何とも言えません。まだピークアウトが来ていないのもあり、はやり時期尚早ではないかと思いますが、自分でできる限りの感染対策をして乗り切るしかありませんよね。先週も風邪症状(特に喉。オミクロンと同じですー)が出てきたので、職場の抗原検査を数回分もらって出勤前に自分で検査しました。とりあえず陰性で、症状も良くなったので風邪だったのでしょうね。そんなこんなで、まだまだコロナとは付き合わなければなりませんね。ちなみに、こちらもPCR検査が追い付いてないので、ブースター接種済みの人は抗原検査で陽性になったら、PCRを受けないで市のホームページにある 感染者登録に自己申告するようお達しがありました。ブースター接種者がバロメータになっている理由はわかりません。

 

と、いうわけで、ここ数週間の日常を振り返ってみました。みなさまも引き続きご自愛下さいね。最後までお読みくださり、ありがとうございました!

*1:無料で入会できる独自の会員システムで、さまざまな割引などがあります。