ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

1985年・A-ha・14歳のわたし

こんばんは。マイユニです。こちらではマイナス二けたの気温が朝晩と続いていますが、体調管理に気合入れてます!

さて、以前のブログでどうしてノルウェーを選んだか、の理由について 80年代にヒットしたポップバンド、A-ha(アーハ)*1の名前を出したかと思います。今イギリスで大人気の歌番組「The Masked Singer」*2 に出ていたモートンさんを昨日見て、「ああ、全然変わらない。昔本当に大好きだったんだよなあああ…」と、十代の当時の数々の想いがこみあげてくるようでした。

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そんなわけで、今日は超個人的な振り返りテーマ、私とA-ha (モートン・ハルケットさん)について綴ってみたいと思ってます。

 

いじめに摂食障害の中学校2年生

A-haとの出会いを語る前に、どうしてもお伝えしたいのがこのころの私のシチュエーション。どんな経路で長年のファンになったのでしょうか。

1985年。某公立中学校に通っていた私ですが、4月のクラス替えのすぐあとに男子二人組からいじめにあうようになったのです。彼らは私の顔を見るなり、「きもちわりい」の連発。ところが、これが残念なことに他の男子にも一気に広がってしまい、クラスの男子ほとんど全員から「きもちわりい」「こっち見るな」「こっち来んな」の精神的いじめがエスカレートしていきました。女の友人たちからは「気にしなくていい」と、慰められたのですが、誰もアクションを起こすほどの勇気はなかったのでしょう。毎日は私の一人きりの戦い… それもそう、いじめの内容が私の容姿なのですから。それから自分のなかで、「容姿を変えてみよう」という結論に至ってしまったようです。

すこしぽっちゃりしていた私。ここから猛ダイエットが始まりました。ただ、中学生が思いつくダイエットなんて本当に単純で、カロリー抑え、食べないダイエットでした。体重も減っていき、「スマートになったね」とか「やせたね」と言われるのが快感で、どんどん食べなくなり、どんどん痩せていきました。ただ、もちろんこんなダイエットが体に良いわけもなく、夏ころには生理がなくなったり、動悸がしたり、気が付くと失神していたりしました。さすがに母や学校の先生も心配はしだしたのですが、「食べなきゃダメだよ」と言われるのみ。大人たちの誰も「何かあったの?」とか「どうしてダイエットしてるの?」などと親身になって話を聞くという姿勢ではありませんでした。

そして、いじめの方はと言うと…。一向に変化なく続いていました。ただ、男子の中には私の異変を察してか、「やせても意味ないのにな…」と、つぶやく子も居たのです。(この時はただ、心ない言葉と思い傷ついていたのですが、実は言ってもらって良かったの一言でした。)秋になり、食べないことの限界点に達したのでしょう。ある日を境に今度は食べるのが辞められません。同じ摂食障害で自分で吐いて、痩せている状態をキープする方もいる中、幸いなことに、私は吐く行為はしませんでした。もししていたら、拒食症と過食症の無限のループに陥っていたことでしょう。様々な体の諸症状から、「自分の体を痛めつけていたなあ」と14歳にして悟ったからかもしれません。本当に、痩せてもぜんぜん意味なかったな、と思いました。体はこれまで足りなかった栄養素を必死で取り込むように、どんどん体重も増え、ダイエット前の体重をはるかに超えていきました。

 

ベストヒット・USAでA-haを「発見」

兄が洋楽好きで、「ベスヒ」こと、ベストヒット・USAを私もつられて見ていました。10月、「Take On Me」で全米1位になったノルウェーのバンド、A-ha があの有名なアニメーションのプロモ*3と一緒に紹介されていました。私の第一印象は…「髪型リーゼントかあ、なんかダサい」。ノルウェーも、どこかわからない田舎の国…、くらいの印象。そして、かなりひねくれていたので、「流行ってるものはパス」と、ネガティヴなリアクションでした。

拒食症と過食症を短期間で経験した私に、周りの大人たちもクラスメートたちも おそらく同情し、このことには言及していませんでした。ただ、自分的には「超最悪」な状態です。学校には行っていたし、テストや試験もそれなりにこなしていましたが、こんな状態に陥ってしまった自分に失望。そして、助け舟を出さなかった周りの人たちにも失望。なんだか、将来に夢も希望も何もありません。ただ、ただ「空虚」な暗い毎日が続いていました。

当時、物事をポジティヴに見ることができなかった私ですが、A-haはTVに出る機会が多かったので、「どれどれ」と言う感じで徐々にチェックを入れていきました。はじめっからお熱を上げていたわけでは全然なかったのです。「転機」となったのは、書店でポップ系の雑誌を読むようになってから…。年も明けたころでしょうか。

 

誠実な人っているんだな…モートンさんのインタビューに感動

初めは大してカッコいい、とは思っていなかった12歳年上のモートンさん。彼を好きになったのは各雑誌*4 のインタビューを読んでからです。彼は敬虔なクリスチャンという、自分の信仰についても恥ずかしがることなく、いろいろなことについてオープンに語っていました。例えば、スターとなった今の自分について。自分にはファンに対する多くの責任があり、言動には本当に気を付けているということ。一人のファンでも傷つくようなことがあったら、自分の責任だと。とにかく、ポップスターなんて女の子をはべらして、酒飲んでいい気になっている人ばかりと思っていたのに、こんなに誠実なポップスターが居るんだ…と、とても感動したのを覚えています。そして、彼のフィロソフィックな深い思考にもすごいなー、と感じていたのでした。まわりに、こんなに深くいろんなことを考える人、居ないよ…と。当時、ただルックスがカッコいいから、ではなく、彼のインタビューを読んで、彼の人柄に感銘を受けたファンも多かったのではないでしょうか。そう、モートンさんのような人になりたい、と。

もちろん、モートンさん自身はノルウェー人一般を代表しているわけではなく、こちらではかなり「変わった人」というイメージで、日本のメディアでのポジティヴなイメージと違っているのですが、A-haは他の二人も含め、なぜかとっても「普通」にこだわる人たちな印象です。そう、スターの生活にありがちな女の子やドラッグには一切興味なく、ひたすら自分自身でありたいとする姿勢が感じられました。そんなこんなで、ノルウェーという国や人々・文化に対する関心も次第に大きくなっていきました。

 

人生の方向性が生まれる

さて、ひねくれて人生に挫折していた14歳の私はそれからどうなったのでしょう?なんと「将来は絶対ノルウェーに行く」という、一つの人生の夢を見いだしたのでした。と、同時にA-haの曲を聞きまくり、新しいリリースなどもチェックを入れ、得意とは言えなかった英語を真剣に学び出しました。1986年のジャパンツアー来日でも学校を一日休んでチケットぴあに朝から並び、コンサートチケットをゲットするなど、徐々にファン活動(?)も開始。チケット売り場でもコンサート会場でも、ファン層がヨーロッパとは違い年上だったため、周りの方々は大学生とかで 中学生だったのは私だけだったと思います。

そんなこんなで、気が付くと私の人生軸もA-haとの出会いによって、ポジティヴな方向に変化していきました。まさか、実際にノルウェーにやってきて暮らすことになるとは 全く予期していませんでしたが、英語が得意になったおかげでその後の進学や就職もおのずとインターナショナルな方向に傾いていった気がします。

 

49歳になったわたしとA-ha

ずっと、憧れの存在だったモートンさん。本当に、当時辛い状況に居た私を間接的に、ですが救ってくれた…という感謝の想いが今でもあります。ただ、こうして自分も大人になり、成長していった過程で モートンさんも一人の人間なんだなあ、と思うに至っています。自分がクリスチャンになったころからですかね。そう、もう彼を憧れの対象(パーフェクトな存在)にして生きていく必要は全然ないのです。A-haの音楽の方は、といえば、昔の歌詞を全曲暗唱というエネルギーはもうなく、どちらかというとコンサートのアレンジをちょっと批判してみたり、見る目が厳しくなっていますかね…。おばちゃんですから。

若いころは英語を活かせる仕事がしたい、といって某商社にお勤めしていましたが、気が付くとルーティーンの繰り返し。ノルウェーの学生生活2年目に、ソーシャルワーカーの勉強を選んだのも 実は自分自身のいじめや摂食障害の経験が大いに関係していると思います。もちろん、その人その人の体験は、他の人の体験とは比べられないし、比べるべきでもないのですが、自分の体験がいま辛いところを通っている方々の何かのヒント・何かのお役に立てるのではないか…という期待はあります。

自分でも、本当に不思議なくらいA-haの曲を聞いて、インタビューを読んで影響を受けた10代のころ。今振り返ると、本当に必要なことでした。普段、初めての人に会うと「どうしてノルウェーに来たの?」と聞かれ、「A-haが好きだったから」と答え、ちょっと恥ずかしい感じなのですが。ここまでの長くて深い関係だとは、みんなわからないだろうなあ。

 

それでは、みなさま、引き続きご自愛くださいませ!今日のパーソナル・ブログをお読みいただき ありがとうございました。

 

*1:80年代にデビューしたノルウェーのポップトリオ。ヒット曲、Take On Meは全米チャートで一位に。詳しくは、オフィシャルサイト www.a-ha.com 参照。

*2:各界の著名人、有名人が被り物を着て歌う番組で、審査員や視聴者が誰が被り物の正体かを当てながら楽しむ。票の多数で毎回脱落者がうまれ、脱落すると被り物を取って、正体を見せなければならない。昨日はかねてから噂だった通り、A-haのボーカリスト、Morten Harket(モートン・ハルケット)が「Viking」という被り物の正体だったと判明。

*3:https://www.youtube.com/watch?v=djV11Xbc914

*4:Rock Show、Pop Gear、In Rockなどなど。洋楽ブームだったので、たくさん雑誌出てましたね。