ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

(長い休暇を終えて…)ノルウェーの休暇のお話し

こんばんは。ご無沙汰しております。お元気ですか?

1月は4週間の里帰りで、親戚を訪ねたり 実家のもろもろのことで やはり忙しくなってしまい、ブログはお休みしていました。1週間ほど前にこちらに戻り、今やっと時差ボケも取れてきたかな…といった感じです。

さて、今日のトピックですが…「ノルウェーでの労働者の休暇」について書きたいと思います。こちらで就職してから日本に里帰りした際に「こんなに休んで大丈夫なの?」と家族や友人からよく聞かれていました。休暇の長さはいろいろでしたが、里帰りには大体いつも3週間から長くて4週間休みを取ります。私は公の機関で2001年からフルで仕事をしていて、主人は民間の会社で30年以上勤めていますが、二人ともこれまで休暇が取れない、などのトラブルはありませんでした。

 

休暇についての独自の法律 Ferieloven

欧米では一般的に休暇を良く取ることが知られていますよね。日本に住んでいた時も、外資系に努める友人の話を聞いて「へー」と思ったものでした。他の国も似ているかもしれないのですが、ノルウェーは休暇についての独自の法律があります。(Ferieloven, 今の法律は1988に制定されました)この法の目的は、被雇用者の休暇と「休暇マネー」を 保護するというもの。休暇マネーとは、前年の収入の約10パーセントを雇用主からいただける収入です。私のように毎月の給与が固定されている人は6月の給与の代わりに休暇マネーが支給されますが、夫のように時間給があり、給与が労働時間により支給の人は月給プラス休暇マネーが支給されます。ただし、後者は休暇をとることで労働時間が減るわけですから、休暇後の給与はおのずと低くなります。通常、こちらはボーナスがないので、休暇マネーの月はいつもよりも支給額が高くなり、ちょっと嬉しい月でもあります。ちなみに、転職をしても前雇用主からちゃんと休暇マネーが支払われる仕組みになっています。

この休暇法では雇用主は年間25就業日の休暇を労働者に取らせるようにしなければならない、とあり、労働者もまた年の間に休暇を消化しなければならない、とあります。私の場合は、25就業日を消化しないで、よく次の年に繰り越したりしています。

 

休暇法だけではなく…カルチャーの問題でもある?

私の勤めるオスロ市ですが、大多数が休暇を取る6月―8月の夏の3か月は連続休暇はマックス3週間までという規定があります。それから いくら休暇を取る権利があっても、やはり雇用主と同意の上で 休暇の時期や長さも決めなければなりません。

特に7月は "Joint holiday"、多くの人が一斉に休暇に入る月でもあり、ノルウェー全体が(さらに)スローペースになります。クローズする事務所もありますし、あちらこちらで「低キャパシティー」状態となります。医療機関などはさすがに、代行の医者や職員を雇うのですが、私のこれまで務めてきた職場などでは 人手不足となるため、あの手この手で 休暇時期を乗り越える対策をしています。

ユーザー、お客さんの立場とすれば、ことが運ばないのでイライラもしますが、最終的には「仕方ないなー、休暇の時期だもんなー」という感じで、あきらめムードでしょうか。それから、自分だって休暇を取るのだから、「お互い様」的な感じもあるかもしれません。

 

休むことの意味

日本と比べると、というか、比べてはいけないくらい 労働者の権利がいろいろ保護されているノルウェーではありますが、その代償はやはり 社会が潤滑に回っていかなかったり、効率的・効果的なことがあまり期待できないことではないでしょうか? それは、日本からいらっしゃる方々からよく聞くことでもあります。

本当は「いいとこどり」な、ほどよいバランスの社会がいいのかもしれませんが、私個人的にはノルウェーに残りたかった理由の一つはやはり このスローペース、または「誰にでもついていけるペース」の社会構造かなあ、と思うのです。つまり、「人間、仕事ばっかりじゃなく、休まないとだめだよ。」という思想でしょうか。そこには、日本とはちょっと違った人間観があったり(たとえば、弱者や障害を持った人々に対するもの)、私のような外国人でもあからさまに虐げられずに生活できる社会環境があります。

休暇が保証されていること。実家の母が高齢者となった今、本当に 私にとってはありがたい、必要不可欠なこととなっています。