ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステムズ・カウンセラーのブログです

オープンバイトとTMD(顎関節症)ー ノルウェー事情 その2

みなさまお変わりありませんか? 日本のコロナ事情もこちらのコロナ事情も、どうなんだろう、世界的に見てもかなり深刻になっていますね。ただ、唯一の救いはワクチン!本当にワクチンが早く許可され、効いてくれて世界の情勢も一転してくれたら… とただただ願っています。

今日は前回からの続きです。(前回まで)この春からどうもかみ合わせがおかしいと感じ、自分で開咬(オープンバイト)と気が付いたのが10月。と、ほとんど同時にMRI検査と口腔外科の受診… でも結果は「理学療法士に行ってください」と言われ 帰されてしまった。今のコロナ禍では日本に戻るのは困難なこともあり、こちらでどうにか治療してくれる人を探し始めた私ですが…

 

まずは訂正から

他の方の体験談について「見つからなかった」と書いていたと思います。が、果たして「顎変形症」「手術体験」「ブログ」と入れてみると、かなりのヒットがありました。訂正します!例えば、同じHatena Blog内ではこの方。

siretukyo-sei.hatenablog.com

顎変形症というと、日本の顎関節症4型にあたるのですが、ノルウェーではこのような分類はまだされていません。ただ、私の診断となった「下顎頭吸収」というのも、実は顎変形症にあてはまるようです。そして、顎変形症で手術をされている方々が結構いらっしゃることも知ることができたわけです。

 

 自分の体の変化を受け入れること

10月末の口腔外科でこの診断を受けてからというもの、実はかなり悶々と過ごしていました。昔(今年)の開咬になっていない写真を見ては「この時はまだ大丈夫だったのになあ…」と、ため息。ここ3年くらいなんだか毎年 病気(と言っても癌や心臓病ではない)を患っていて、2年前に心筋梗塞に突然なったうちの主人とくらべると「たいしたことない」と自分に言い聞かせるも この自分の体の変化を心で受け入れるのは本当に難しい作業でした。

ただ、先述の他の方々のブログを読むと、「自分は一人ではない」という思いが強くなったり、手術をされるほど重い症状の方々から励ましと慰めをいただいている気がします。間接的だけど、感謝申し上げます。

それと並行して、わかったのが 私はもともとブラキシズム(食いしばりや歯ぎしり)の症状が長年あり、しかも奥歯の早期接触もあったということ。*1 つまり、かみ合わせなども実は問題があり、顎関節に負担がかかる要素がいろいろあったので、今急に関節の吸収があったというよりは 数年かけて悪くなっていったということです。これまではかみ合わせって聞いてもピンときたこともなく、歯科治療に関しても 根幹治療とかインプラントほど 関心もなかったので、今回はかみ合わせも治せる良い機会になるのではないか、とも考えだしました。 

 

治療の進展は?

さて、前回ブログからの進展です。あの後、地元で予約が取れた理学療法士 Hさんの初回治療。ここで「顎関節の問題」と言うと「ああ、オスロにあるTMDで有名な療法士のところに行って」といきなり言われてしまったのです。Jさんという女性の療法士ですが、実は去年春、カイロプラクターに行く前に一度問合せていた場所でした。でも、かなり待つと言われたので、カイロに代わりに行ったわけです。案の定、今回も「数週間または数か月は待ちます」と言われたので 覚悟はしていたのですが…。突然、メールで13日の金曜日、キャンセルが入り予約をもらえました。

この地元の理学療法士も、Jさんも公との提携があるので、払った治療費が自己負担金としてフリーカード2というのに加算され、2万円ちょっと払うと今年分は無料になります。*2

13日、Jさんのところではたっぷり1時間かけて診ていただいたのですが、私のような症例の患者は診たことがないと言っていました。顎関節症とはいえ、口が開かないわけではなく、痛みも筋痛が主だからです。ただ、突発性下額頭吸収の場合は顎関節症にありがちなこういった症状はないことも普通らしいのですが。*3

f:id:Humbleness:20201122020940p:plain

*4

それから、地元の歯科医に日本でやっているようなスプリントを使った顎のけん引(脚注参照)ができるかどうかも聞きましたが、答えは「ノー」。自分の歯科技工士に問い合わせた結果、「見たこともない」のでできない、とのこと。結局、オスロ大の歯学部のクリニックとそこの先生が働いているというクリニックへ紹介状を二通送ってもらいました。

この間にも先日行った大学病院に正式クレームを書いて出したり(あまりに何もせずに帰されたことやTMDの外科的治療以外の知識が足りなすぎるという内容のクレーム)、うちから1時間先にある病院(大学病院ではない)の口腔外科に問い合わせ、セカンドオピニオンを聞くための紹介状*5をかかりつけ医に注文したところ…です。

うーん、なんかこの1か月ほど 突っ走った感ありますね。日本では医師を信用して「おまかせ」するという感じが普通ですが、こちらは「名医」と呼ばれる人は聞いたこともなく。私のイメージでは医者もみんな公務員でいい仕事しようが、しまいがあまり関係ないのでたらたら仕事している…(超ネガティヴ!)感が否めません。要するに、患者として自分の体は自分が一番よく知っていて、自分で責任持つって感じでしょうかね。医者にお任せするのは、本当に手術してもらっている時くらいかな? 

医療関係でも頻繁にノルウェー語にアクセントのある人(外人)と話すことがあり、なんか親近感。地元の理学療法士 Hさんもスウェーデン人で、なぜか安心感。(だって、スウェーデンの方が医療関係進んでるに決まってます!)結局、Jさんのところに通いだしても首や肩の問題もあることから、しばらく彼のもとに通わせてもらうことになりました。もちろん、ノルウェー人だからやぶ医者とかいうことはないと思いますが。何せ、この国は人口が少ないので、やっぱりちょっとレアな症例はかなりお手上げ状態かもしれません。

 

さて、これからもまったく期待はしないけど、この件でどんな歯科医や医師に会うのか…。もう自分のできることはした感じなので、あとは祈りつつ 待ってみたいと思います。コロナのせいもあり、気持ちはロー気味なのですが、なるべくポジティヴに頑張っていこうと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。みなさんもお元気で!

 

*1:これは3年ほど前からつかっている保護用のマウスピースの削れている部分が奥歯のみということからわかった。

*2:フリーカードについては前回のブログご参照ください

*3:山口泰彦、顎関節の形態変化や咀嚼筋障害に起因する二次的咬合異常、日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 10 : 123-128, 2018 (文献2)山口泰彦.咬合異常.覚道健治,久保田英朗,小林 馨,
古谷野 潔,柴田考典,杉崎正志編,顎関節症(第2 版)京都:永末書店;2013,22‒24.

*4:同上

*5:公と提携している専門医や病院はかかりつけ医からの紹介状を直接送ってもらい、やっと見てもらえる仕組みです。