ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステムズ・カウンセラーのブログです

支援者はつらいよ… (ため息なこの夏)

こんばんは。お変わりありませんか?ノルウェーが先月、コロナ収束宣言したかと思ったら、あれよあれよという間に日本でも新規感染者数が下がり続けていますね。「もしや、これは!」収束宣言まで行かないまでも、さまざまな対策が大幅に緩和・撤去される兆しかもしれません…(と、最近帰国して隔離14日間を体験した私は期待するのでした。)だったら良いのですがね。だって、他の国々は『ウィズ・コロナ』になっていますからね。

今日はというと、ものすごく久しぶりに私の本業からのトピックです。守秘義務のためにいつも具体的にご紹介することはできないのですが、今日は私の立場からの独り言…「支援者はつらいよ」というところをシェアさせていただきたいと思います。本業については、約2年前のブログでこう書いています。

私の本業、Ungbo (うんぐぼー) - ハンブルネスのひとりごと

 

「訳アリ若い子」を支援する難しさ

人の支援にあたる職業を選ぶと、おのずと対象の方々は何か事情があって支援を必要とされる方々です。それは頭ではわかっていても、時々クライアントさんと上手くいかない時があります。そんな時、どう対処するかはいろいろですが、どう対処するかも悩むところです。

以前紹介したとおり、私の受け持つクライアントさんたちはほとんどが成人(ノルウェーは18歳)していて、これから自立した大人として第一歩を踏み出すべく、住宅を借りて初めて一人で住む…という子たちです。フォローアップの要請はクライアントさんが属している区の担当者から来ます。住居を借りる期間は3年。それは、「住宅賃貸法」(Husleieloven)という法で通常3年というのが決まっているからです。いつも申請者が順番を待っているので、延長はほとんどなく、それぞれが『3年』という与えられた期間と私たちのフォローアップを利用して、3年後には経済的にも実際の居住スキルでも自立していることを目指します。

夏のある日、2019年からずっと受け持っているクライアントさんから電話が入りました。いろいろなことをオープンに話してくれる子だったので、私自身も「気心が知れている」と感じていました。彼女は子供のころから児童保護事務所下に置かれていた人で 犯罪を犯したり、児童保護事務所の担当者とトラブルがあったり、自分が犯罪被害に遭ったり、何かいつも「ハプニング」が周りに起こる子です。今回も彼女の身の危険があると判断できる状況でした。そこで、私はノルウェーの各自治体にある、いわゆる「駆け込み寺」のKrisesenterに保護してもらうことを提案しました。ところが、それを聞いた彼女は突然 切れに切れて、どなって、ものすごい暴言を吐いてきたのです。そして、脅迫ともとれる事も言ってきました。とにかく、話を続ける状況ではないので、一度電話を切り メッセージ(sms)に切り替えました。そこでは、Krisesenterを出すなんて、とんでもない…という内容や、私では話にならないので、ボスと話したい…という内容も。

そこで、ボスに電話で相談し、ボスの番号を彼女に送ることにしました。その後、職場では緊急会議となり、とりあえず脅迫を受けた私は対応から外してもらうことになりました。結局、彼女からボスに電話がかかってくることはなく、対応を代わってもらった同僚も連絡を取り 新しいアポもあげたのですが、その子が来ることはありませんでした。

 

このケースのその後の対応

さて、支援者である私たちが言葉による暴力に遭った時、事例を報告することが推奨されています。労働者の権利がいろいろ守られているノルウェーですから、万が一ある事例がきっかけにメンタルがダウンして休職、また職場復帰できないという事態になった際に「労災」扱いになるか・ならないか…なども報告書があるか・ないかが決め手になったりするそうなのです。

私もその日のうちにこの事例を報告しました。このクライアントさんは精神的にもアグレッション・コントロールができず、急に怒り出して怒鳴り散らす…という事例も以前にもあったのですが、今回は最後に彼女が吐いた私個人に向けた脅迫ともとれる言葉で、直感的に「もう、この子の担当はできない」と思ったのです。ちなみに、このように事例報告するとボスも何もしないわけにはいかず、どう事後処理したか 報告する義務が生じます。今回の対応は、私を担当から外して、同僚を急遽 充てるという事でした。そして、ここがポイントなのですが、脅迫や言葉による暴力は自分が暴力だと受け取ったら、自分の判断で報告することができることです。他からみると全くたいしたことはない、と感じられても、個人の主観的な体験のみが該当するのです。総合福祉事務所(NAV)時代には経済的な支援をする・しないの決定をするため、言葉による暴力はかなり多かったのを覚えています。そのためか、長期休職する同僚も一人や二人ではなく居ました。支援の仕事はノルウェーでもやはり女性が大半を占めています。そして、多くの職員の方々が暴言などを受けつつも 報告を控えているのが実情です。

チーム・ミーティングでもこの事例について話あわれました。チーム歴がもっと長い同僚は、「このクライアントさんが自分の言動に対して何も影響を受けずに 支援を受け続けるのはちょっとおかしいのでは?」という疑問を投げかけてきました。そうですよね、一般社会で自立して生きていくための3年間を私たちがフォローアップするのに、脅迫や暴言をしておいて、何もなかったかのように支援を受け続けるのも 彼女が何も学ばないのではないか…という視点からはうなずけます。NAVの場合は、一定期間そのオフィスに出入り禁止というリアクションでしたが…。ただ、私たちのオフィスがこの子の支援を切ってしまったら、他に支援を受けられるところはどこにもないだろう…という、倫理上の点から 同僚によるフォローアップが続きました。

 

この業界で生き残るために 覚えておくことは…

このエピソードで、もちろん私の対応にも反省すべき点がゼロだったか、といえばそれも違うと思います。とにかく、彼女の話を最後まで聞いてあげるべきだったと思います。ただ、状況がひっ迫していると判断した私は、解決策(安全確保)を先に持って行ってしまったのですね。同僚にいわせたら、「自分だってそうしていた」というのですが。いつも何かが上手くいかない場合はいろいろな立場から検証する必要があるでしょう。特に、何をどう言ったりしたりしたか(英語のDoですね)は今後のためにも検証すべきでしょう。

私のチームは精神疾患やメンタルな健康が安定していない クライアントさんのフォローアップですので、クライアントさんと自分のいわゆる「相性」もかなり気を使います。この夏は3月から担当していた他のクライアントさんからも、「相性が合わないから、他の人と担当を代わってほしい」という申し出があり。私自身も、この彼女はとても難しいと感じていたので、そう言ってくれて良かったな、と思いました。ただ、担当を代わってほしいと言われると、人間の感情としては ちょっと寂しい・がっかり、という感情が出てきても 不思議ではありませんよね。こんなとき、「自分は足りないんだ」とか、あまり自分の性格や能力(英語のBe)についてネガティブにとらえないようにすることが大切だと思っています。そんなときは、居住期間が終わって 「ありがとう、あなたが担当で良かった」と、言ってくれた子たちの顔を思い浮かべながら、「そうそう、こんなこともあるさ」と、自分に言い聞かせたり、同僚と話したり…というのがこの支援者の仕事で定年まで生き残る秘訣ではないかと感じています。

 

まとめ

さて、今日はこの夏に実際にあったエピソードを中心に 支援する者の仕事の難しさなどを綴ってみました。どんなお仕事にもさまざまな課題やジレンマはつきものですよね。私もこちらに勤めて3年経ちますが、まだまだこういった支援の方法やクライアントさんとの人間関係の構築など、学ぶことが多いなと感じます。

 

日本のさらなるコロナ収束を祈りつつ。今日もここまでお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

9月25日・土曜日・午後4時 ー ノルウェーのコロナ収束宣言

みなさまこんばんは。お変わりありませんか?

ノルウェーに戻り、早くも2週間が過ぎました。久しぶりのノルウェーも収束ムードが漂い、マスク率もぐんと下がっていました。13日には国政選挙がありましたが(私は選挙権がないので、傍観のみでしたが…)政党の選挙会場でも 勝った政党の議員がお互いにハグしあったり、まるでコロナ前の様な光景です。

そうこうしているうちに、何と 先週の金曜日に政府の記者会見があり、次の日 土曜日の午後4時をもって、すべての国のコロナ感染政策を撤去するというお知らせがありました。今日のブログでは この数日の動きや 周りの人々のリアクションなどを綴ってみたいと思います。

 

9月24日、金曜日 政府記者会見。ついにコロナ収束か?

f:id:Humbleness:20210928023725p:plain

https://www.regjeringen.no/no/aktuelt/pressekonferanse-om-koronasituasjonen10/id2872395/ 英語バージョンのリンクです。興味のある方はどうぞ。

大体いつも記者会見の前にその時発表の内容などは伝えられるのですが、この日も国内のコロナ政策全撤廃のうわさがずっと流れていました。つまり、実質的なコロナ収束宣言です。実は、この政権(保守党などで構成されている)は先の選挙での保守党の敗退で、もうすぐ政権交代となります。一部の意見では、保守党政権が「コロナに勝利した」と、次回選挙に向けて印象づけるために この記者会見をちょっと前倒しで行った…と、いうのもあり。

この時の主な内容というと、まず「ソーシャルディスタンス」などのコロナ感染対策の廃止。今日はTVニュースでバス車内に張られた「距離を取ってください」や「マスク着用お願いします」などのシールをオスロ市の市会議員が剥がしている模様が流れました。催し物、コンサート、スポーツ観戦なども制限なし。アルコール提供も無制限。これからは、新規感染者よりも新規入院患者数や重症者数をバロメータにするということ。これは英国などの近隣諸国と足並みをそろえているかも知れませんね。政策廃止の理由は、ノルウェーのワクチン接種者が85パーセントほどになっていることや、入院者数の横ばいが挙げられていました。ただし、コロナの疑いがあるときは進んでPCR検査を受けることや コロナ陽性の場合の自主隔離(10日間)などは引き続き残り、例えば自主隔離を怠った場合は罰金に科せられる…とあり。

私たち夫婦のリアクションは、というと… やっぱり「時期早々」。フルにワクチンを受けているとはいえ、罹患した後の後遺症などもありますし。やっぱり、まだまだ「インフルエンザ」のような感じでは見れないです。

 

さながら大晦日、または憲法記念日のような…

私たち夫婦はいたっていつも通りの土曜日を過ごしていました。庭造りの作業を一日した後、ニュースを見た夫が「オスロがすごいことになってる」と教えてくれました。夜のニュースでもオスロ中央駅付近で午後4時に向けてのカウントダウンに参加する群衆、各地方都市でのお祝いの様子などが流れました。以下、ノルウェー全国からのフォトレポートを貼り付けます。(「こうしてノルウェーは再び開いた」ニーノシュク)

www.nrk.no

午後4時に合わせて、抱き合って喜びあう人々… 思いっきりお酒を飲んで、踊って楽しむ人々。私たち夫婦はパーティー好きなタイプではないので「へえー」という感じで見ていましたが、パーティーを我慢してきた人たちにとっては、本当に記念するに値するお祝いの日となったのでしょうね。先ほどの現政権もこの日の夕方に(さながらお別れ?)ディナーパーティーを開催していました。だから「午後4時」っていう半端な時間だったのでしょうかね。

 

Dagen derpå... どんちゃん騒ぎの週末の後…

今日、月曜日はというと… ここ最近見られなかったオスロに向かう長い渋滞。通勤のバスも最近は以前に比べ時間かかるな、と思っていましたが…。もうバスの所要時間はコロナ前に戻った感じです。朝、同僚からSMSで「今日は具合が良くないので、仕事休みます。」とメッセージあり。もしかすると、週末騒ぎ過ぎたのかもしれませんね。(ノルウェーではよくある話です…)そして、私はマスクをまだ続けようと思っているのですが、なんと私の他にもマスク姿の方々が「ちら・ほら」いるではないですか!これにはびっくり。しかも、ノルウェー人と見られる、若い人も、男女もいます。なんだか、昨日おとといとTVで見ていた パーティー男女ばかりではなく、ちゃんと感染対策を自分でしようとしている人がいるのに 感動しました。

職場で同僚の話を聞いても、やっぱり今 収束宣言が出されたことにも 賛否両論な感じです。もちろん、コロナが収束するのは嬉しいけど、このウィールスが消えてなくなった訳ではない… このどんちゃん騒ぎの週末の1週間後には 感染者がグンと増えているだろう…と。

 

長いコロナ禍は本当に終わったのでしょうか?ノルウェーは都市のある地域などを除いて、他国に比べ人口密度も低く、パンデミックに対して「抵抗力の強い」国かもしれません。つまり、たまたま「ラッキー」なだけだったのかもしれません。そして、コロナ禍で慣れ親しんでしまった テレワークなども、いきなりすべて撤廃と言われても ついていけない人がかなり居る、とも聞いています。

私個人的にも、まだまだ自分の感染対策をいきなり辞められないと思っていて、ちょっと世の中の流れについていけていない…感があります。どうなるのでしょうか。また、ノルウェーでのコロナトピックは折に触れてお伝えすることと思います。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

ノルウェーから一時帰国  最終回・出国編

みなさん、お変わりありませんか?

日本での5週間の滞在を終え、この日曜日に戻りました。できる限り実家の母のお手伝いができた達成感と、自分のうちにやっと帰れることの安堵の気持ちで迎えた出発日。ただ、ここに来てこのようなトラブルに見舞われるとは… まったく予想だにしていませんでした。こんなことは再びあってはならない!という思いを込めて綴っていきたいと思います。

 

「お客様、今日は乗れません」と言われた件… まさかの搭乗拒否

数日前にフィンエアーコードシェア便でしたが、運航はJAL)からもらっていたメールのリンクでも、他の場所でも今現在の検疫条件などをチェック。ノルウェーはフルワクチンかどうかが渡航国にかかわらず「分かれ道」となるので、「フルワクチンを受けたことをQRコードで証明できる方」のところを読んでしっかり確認していました。

余裕をみて2時間半前、朝8時過ぎには空港へ到着。チェックインカウンターに進みます。グラウンドスタッフさんは30代くらいの若めの女性。ワクチンのQRコード(グリーンパスと呼ばれているようです)を見せ、もうすぐチェックインが終わるもの…と思いきや、「今入国条件を確認しますね」と言って、いろいろな資料を読み始めました。その時、もちろん「あのお、ノルウェーはこのQRコード以外は他に要らないんですけど」と伝えたのですが、聞き入れられず。そのうち、ちょっとベテランっぽい、リーダー格の方が呼ばれ、二人でアイパッドを見ながら何やら相談し始めました。

「お客様、24時間以内に受けたPCR検査の陰性証明が必要らしいんですが」と、グランドスタッフさん。「いえ、そんなはずはないんですが」と、私。「陰性証明がないとお乗せするわけには行かないんです。」ここまで来ると、もう何を言ってもダメっぽい感じです。他にノルウェー渡航した方のことを聞いても、みなさんが陰性証明を持っていたというし…。「陰性証明を持たずに乗りに来るなんて信じられない!」という感じが伝わってきます。

そのうちPCR検査を受ける場所やいつクリニックが開くかなど、いろいろ伝えられ、「残念ながら、今日検査を受けられても結果が出るのが数時間先なので、この便には間に合いません。航空券をキャンセルしていただくことになります。」と告げられました。私はと言えば、まったくの「寝耳に水」。ええ、どこをどお見落としていたんだろう…。そして、スーツケースを持ってまた来た道を戻り、母に「今日は乗れなかった」と言っている姿や、職場に連絡して「しばらく仕事に出れません。」と伝えてる姿が浮かんできました。この時、「だめだ、仕方ない。きっと何か見落としていたんだわ」と本当に一瞬あきらめかけました。(ここでクリスチャンの私は神様に祈ったのは言うまでもありません…)

ただ、実際はダメになるまで粘る性格の私です。「いや、待てよ。」と思ったのはスタッフさんが読んでいたアイパッドの内容。「すいません、どこのホームページのどの情報を読んでいるんですか?」と、言って私の持っていたスマホでも開いてもらいました。

 

大きな読み間違い

スタッフさんたちが開いていたのが、「在ノルウェー日本大使館」のホームページ。ここでは、さまざまなリンクがありましたが読んでいたのは9月3日現在の「ノルウェー政府による対策措置」。*1 

ノルウェー政府による新型コロナウイルス感染対策措置(検疫措置) | 在ノルウェー日本国大使館

ここを開くと最初に目にするのがノルウェ-入国時の検疫措置が全て免除されるケ-スという項目です。この1番に私は該当します。ところが、彼らが指摘していた内容、24時間以内の陰性証明や事前の入国登録といった条件(1から4まである)はその下にあるノルウェ-に入国する人のうち、検疫措置免除の対象にならない人に対する措置の箇所ではないですか!つまり、スタッフさんたちは二人ともはじめからページを読まずにすっとばして読んでいたわけです。きっと、陰性証明を提示しなければならないという思い込みがあったせいで、これに該当する項目を探して読んでおられたと思います。「あのお、私のこのページの理解では、グリーンパスが在る人と無い人と分けて書いてあると思うんです。ですから、グリーンパスが在る私は初めの箇所にある通り、すべて免除のはずです。」

 

それでも「陰性証明は必要」だと言い張る若い方のスタッフ

ここまで来ると、一筋の希望が見えてきた私ですが、この後、なんとこの若い方のスタッフの方は「いえ、IATAでも国際便ご利用のお客様には陰性証明が要ると明記されています。」と、別の事を言い出したのです。実は9月初めにJALのサイトで「内閣官房からのお願い」という見出しで、

「現下の新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、日本政府から、緊急事態宣言が発令されている都道府県にある空港をご出発、もしくは到着されるお客さまについて、出発前の検査を受けることを要請されています。お客さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。」

と、言う記事を読みJALにメールで問い合わせをしておいたのです。この時の返答はというと…

「当該URLは、主に国内線へ搭乗されるお客さまを対象としたお知らせでございます。弊社国際線へご搭乗のいただくための陰性証明書は不要で、渡航国へ入国するための必要書類をお持ちください。」

このメールをこのスタッフに見せたところ、さすがにそれ以上IATAの件は出しませんでしたが、「JALさんの中で全然情報が共有されてないんですね。」と言わずにはいられませんでした。

 

祈りが聞かれた瞬間…

さて、JALの方が二人がかりでディスカッションすること30分以上。私の後ろではかなり長いチェックインの列ができていました。リーダー格の方はおそらく私の指摘に一理あると思われたのでしょう。「相談して来ます。」とひとこと言われて消えていきました。私は、といえば後ろのお客さんを通すためいったん外されて 端っこに移動。椅子も用意されました。この時時刻は8時45分。若い方のスタッフさんが最後に、「9時までには答えは出ると思いますが、下のクリニックが9時に開きますのでそちらで検査お願いします。」とのこと。

待っている間、心拍数が上がって動悸もあり、足もガクガクになっていたことに気が付きました。この時も祈りました! 座って落ち着いて他の入国条件を読んでいると、他にもノルウェーのFHIにあった英語の記載でも しっかり、はっきりと「テストや陰性証明は必要なし」と書いてあり、万が一結果が「ぺけ」だった場合の再ディスカッションに備えました。それがこちら。

www.helsenorge.no

 

予想に反してあまり時間をかけずにリーダーの方が戻って来られました。もう、彼女が何と言っていたかあまり覚えていませんが やはり私の理解が合っていました。「心配おかけして申し訳ありませんでした。いろいろ勉強になりました」と、謝罪を受け、とりあえず晴れてチェックイン終了。本当に、祈りが聞かれたと思った瞬間でした。足のガクガクはしばらく続きましたが…。

 

水戸黄門の印籠のようなグリーンパス(ワクチン証明のQRコード

さて、実際のトランジットや入国審査はどうだったかというと…。

乗り換え地のヘルシンキではオスロ行フライトの前に搭乗口でパスポートと一緒にQRコードを提示。オスロでも最初にQRコードを見せ、その後パスポートと滞在カードのチェックです。この際、どこから飛行機に乗ってどこで乗り換えたかを聞かれましたが、かかった時間はものの2-3分。QRコードの効力ってすごいわ…、まるで水戸黄門の「この紋所が目に入らぬか」状態でした。と、いっても半年前くらいは状況は全く異なり、ノルウェー人でも入国の書類を提出したり 10日間の(自己負担の)隔離ホテルでの強制隔離があったものです。

 

まとめ

実はこの私のストーリーは以前ご紹介したユーチューバー「ダイスケさん」で取り上げていただきました。他の視聴者さんからいただいたコメントは様々。「PCRを受けずに飛行機乗ろうとするのも身勝手だ」というご意見もあり。ただ、このフライトでも40人ほどの込み具合だったのですが、スキスキの飛行機に乗る方が都内で電車に乗るよりよっぽど密になっていないというのが私の意見で、もしPCRを受けなければ身勝手になるなら、電車に乗る前にも毎日PCRを受けなければならないことになります。

別にJALに限らず、このような事例は他でもあったかもしれません。それにこの時対応したスタッフを個人的に批判する気も毛頭ないのですが、できたら現地情報に詳しい私の言い分に最初から耳を傾ける姿勢を示してほしかったし、わけのわからないIATAの条件を混同する必要もなかったと思います。読み間違えたのも、おそらく「陰性証明は絶対に必要書類だ」という思い込みのせいだったと思います。

この件で、私も今後気を付けたいことを考えてみました。まず、情報を読むときに検疫情報のみならず、入国についての情報を日本語で読み込んでおくこと。普段はどうしてもノルウェー語で情報を読む癖がついていて、このような事態ではアタフタしてしまいますよね。それから、日本人のグラウンドスタッフも間違えるということを想定して、いつでも情報提示やディスカッションができるように準備しておくこと…でしょうか。これについては、ノルウェーではどんな分野のスタッフでも十分社内教育を受けているわけではない、というのを知っているのでUDIなどでもあちらの間違いを指摘したこともありました。それはどんな人でも実は当てはまる…ということですよね。

入国条件や検疫条件が刻刻と変わる今日のご時世。本当に航空会社ひとつ、経由地ひとつで陰性証明が’必要かどうかも変わってきます。日本に一時帰国するのも ものすごく気力とお金が要る昨今です。こんな体験をもう誰にもしてほしくない…という思いを込めて 詳しく書いてみました。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

*1:今現在は9月12日付のが最新ですが、当日はこれはアップされていませんでした。

ノルウェーから一時帰国  コロナ第5波下の首都圏

こんにちは。みなさまお変わりありませんか?久しぶりにブログを更新します。私の長い日本での休暇もあと数日を残すのみとなりました。8月24日に隔離期間が終了した後、さまざまな用事もしましたが 首都圏でも緊急事態宣言が出ていることから、できるだけ「ステイホーム」で実家におりました。

首都圏のコロナ状況はここ2週間あまり 新規感染者の減少が続いていますが、重症者の数値はそれほど減ってきておらず、ニュースでも首都圏は緊急事態の延長が言われています。今日のブログでは私が感じたノルウェーとの違いなど 少しご紹介したいと思います。

 

電車内では座席のソーシャルディスタンスがない

一時帰国の目的の一つは、ノルウェーでにっちもさっちも行っていなかった 顎関節症の再検査や診断がありました。東京都内には顎関節外来がある病院が複数あり、診察のため都内に3度ほど行ってきました。予約もラッシュ時を避け、割と空いている時間の移動だったのですが…。

まず、ちょっとびっくりだったのが私鉄・JR共に座席のソーシャルディスタンスが取られていないこと。これは、通勤・通学人口が多いので仕方ないのかもしれませんが ノルウェーで去年見られたような座席の「バッテン印」(座れませんの意味)は全くなく、皆さん普通に詰めて座られていました。もしかしたら、ディスタンスが取れないことや これが「普通化」しているせいもあるのでしょうね。しかし、ディスタンスが取れない…というのは政府による「リモートワークのお願いベース」にも原因があるのでしょう。公務員が多いノルウェーでは、市の事業所などは強制的にでもリモートに変更できるという利点があります。*1

 

駅構内でも…

空いている電車に乗って、座らずに距離をとることで ソーシャルディスタンスは確保していましたが、ホームでもやはり人が多く 混雑していました。私は時間をたっぷり取っていたので、人の流れが通り過ぎるのを待って移動も可能でしたが、やはりお仕事などで利用されている方々にはそれはいつも難しいだろう…と、思ったものです。それから、通常ならホームから上るエスカレーターなども「前の方に続いて」だったのですが、コロナ禍では「前の方と間隔をあけて」というアナウンスになっていました。ところが、見ているとやはりそうはなっていないのです。これも、「慣れ」というか、これが普通だからなのでしょうね。私などはたいがい最低でも1メートルは離れて移動していましたが、そうするとエスカレーターの列がおのずと長くなってしまう。この辺も後ろの方などはヤキモキされていたかもしれませんね。

 

PCR検査も簡単に受けられない

これは市町村により異なるかもしれませんが、実家のある市ではコロナ対応電話が24時間開いています。そこでコロナの疑いがあった場合どうすればいいかを聞けるのですが、まず近くのクリニックに連絡を取り、そこで予約を取って 検査するかしないかは医師の判断になるというのです。のどが痛かったので念のために聞いてみたのですが、平熱だと発熱外来となっているため、おそらくPCRは受けさせてもらえないと言われました。名前を教えてもらったクリニックのホームページを見ると、完全予約制とのこと。これで本当に高熱があってコロナ疑いがある方々は空いているクリニックがあるまで延々と電話をかけ続けなければいけないのでしょうね。はっきり言って、大変です。ノルウェーでの私の自治体ではPCRを自分の判断で予約することができ、それもウェブ予約です。7月にのど風邪が長引いたときも、次の日の午前中には予約でき、あとは行くだけでした。(結果は陰性でした)実はこの自治体でも一年ほど前まではやはり市の相談電話に電話をして 症状からPCRを受けられるかどうか 判断されたのですが、コロナの蔓延にともない このような簡単にPCRが受けられるシステムが構築されたようです。日本ではPCR検査が足りないと随分以前から言われていましたが、自分の判断や希望で簡単に受けられないのも一つあるのではないでしょうか。それはもしかすると文化的な背景もあるのかもしれません。ノルウェーは割と「各自の判断」が重視されている背景があると思います。

 

本当に緊急事態だという雰囲気ではない

1年7か月ぶりの里帰りで、本来なら友人や知人、親戚などにも会いたかったのですが、緊急事態宣言もあり すべてこういった会合はキャンセルしました。メディアで言われているように 世の中の空気的には全く緊張感がなく、私のその決断にも反応はいろいろでした。「せっかく来たのに、そこまでしなくても」というニュアンスもあったかと思います。緊張感がない、というのも個人のせいではなく、はやり国のコロナ政策のせいではないかと思うところが強いです。オスロオスロ近郊でも この春にはスーパー・薬局などを除くすべてのお店・飲食店・娯楽施設が数週間 閉じていました。ロックダウンではなく、外出禁止令も出なかったので、実はそれほど厳しい政策ではなかったものの、町がいつもと違うのを目の当たりにすることが、人々に緊張感を与えるのでないかな、と日本の状況を見て思った次第です。

 

まとめ

私は政治にはそれほどアクティブではない方ですが、今回 日本の第5波では自宅療養中にお亡くなりになる方、または緊急搬送しても入院先が見つからない方など、信じられない事態になっていることで 日本のコロナ政策に大きな疑問を持った一人です。

今はワクチン接種が進んできたので、これから秋ー冬にかけて事態は良くなると期待はしているのですが…。お願いベースでうまく収束させると高をくくっていた政府の考えがあるとしたら、大きな誤解だったのではないでしょうか。

これから感染が下火になることで、海外にお住まいの方々の里帰りもしやすくなることも期待できます。うちも、高齢で持病がある母のところに里帰りというのも どうしたものか、なかなか難しい判断だったのですが、やはり二つの選択肢の中でよりダメージが少ない方で選択するしかなかったと思います。今回は病院の付き添いや トイレ交換など、必要なことができたので、来てよかったと思っています。

引き続きみなさまもご自愛くださいませ。今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

*1:去年、まだラップトップが支給されていないころもスマホだけで私たちはリモートワークになっていました。もちろん、ラップトップがないので仕事だって十分にできたわけではなかったのですが、それは問題視されませんでした。とにかく、通勤するな、というオスロ市からのお達しでした。

ノルウェーから一時帰国 隔離期間編

みなさま こんにちは。引き続きお元気ですか?今週になってここ関東地方の天気も回復しましたが、また猛暑となり、実はちょっと熱中症気味…。ノルウェーでも7月末に熱中症になったので、今日はクーラーの効いた部屋でおとなしくします…。

隔離は11日目となりました。「やっと」という感じです。ブログは前回、前々回に引き続き一時帰国トピックとなります。私も帰国前は気になっていたのですが、やっぱり隔離期間に何が起こるのか…気になりますよね。 

 

自主隔離期間について

まず、到着後の入国手続きでいろいろな説明をされますが(前回ブログ参照)、こちらの小冊子が渡されます。

f:id:Humbleness:20210820113414j:plain

わたされた小冊子。厚生労働省HPからもダウンロードできます。

飛行機の中で渡され、入国時に出した書類のうち、「誓約書」がありますが、これはこの待機期間中のルールを守りますと誓約する内容になっています。これを破るとどうなるか、というのも 表紙ページの一番下にありますが、氏名などを公表されることがあるそうです。外国籍の方の場合はもっと厳しく退去強制の対象になることがある、とのこと。

この14日間は原則自己隔離となり、食料品の買い出し以外は外出不可とのこと。私はこれまでにスーパーに2回買い出しに行って、近くのコンビニにも2回行きました。この他、母のかかりつけ医への付き添いも、かかりつけ医の許可を得て行ってきました。どうしても、私が行って話をすることが必要だったからです。自分にどこか(コロナ以外でも)体の不調が現れた時は自治体の保健所に一応連絡するとも記載されています。私は7月のベリーつみの後、どうも股関節が調子が悪く、昨日は保健所に電話を入れてみました。なるべく期間終了後に受診していただきたい、とのことでしたが、やむを得ない場合は受診機関の了解を得て、行ってもいい…とのこと。今日はとりあえず様子見です。

 

入国者健康確認センター

実際にどうやって帰国者を監視しているかというと、ダウンロードさせられたアプリのMy SOSが、連絡ツールとなっています。

 

f:id:Humbleness:20210820141625j:plain
f:id:Humbleness:20210820113424p:plain
f:id:Humbleness:20210820113456p:plain
My SOS

写真左から、通常画面と各種メニュー。真ん中がコンピュータが掛けてくる通話の通知画面。この通知の後、数分で通話が来ます。画面には自分と背景が30秒映るよう指示されます。これは最初は午後の遅めの時間(18時とか)に来ていたのですが、最近は午前中だったり、日に2回の時もあり。最後、右側は大体毎日11時ころ来る通知で、メニューにある「健康状態報告」で質問に答えます。質問その1は本人と同居の家族の中で37、5度以上の熱があり、体調不良の人はいないか。質問その2は息苦しさや倦怠感などの症状はないか…です。写真は在りませんが、この他に 今の位置情報を登録するよう促される通知もあります。この時はメニュー画面の一番左ボタンを押します。

いつもマナーモードを解除するよう指示されたのですが、私の場合マナーモードではなくても どこか他の場所で充電していて通知が聞こえなかったりで ビデオ通話通知を受け取っていたのが30分前だったり、同じく現在地報告も1時間以上遅れてしたり、と結構いつも即座に対応できていたわけではなかったのですが、それでもセンターからお叱りの電話をもらったことはありません。

噂には聞いていたのですが、コンピュータではなくセンターの方からの通話も一度ありました。その場合、私だけが画面が映っていて、あちらの画面はなしでした。通話の内容は何も変わったことがないかと、これからも隔離よろしくお願いします、とのこと。

とにかく、位置情報はいつもオンにしていなければならず、Bluetooth もオン(厚生労働省接触アプリのため)なので、バッテリーの減り方がとにかく早いです。

 

これまで実家でしていること(個人的な例ですが)

さて、14日間も何をすればいいのか… ちょっと途方に暮れる方もいれば、これまで読みたかった本が読んだりできる…と嬉しくなる方もいるのではないでしょうか。私はもともと高齢の母の家事手伝いのつもりで来ていたので、14日間の過ごし方はそれほど戸惑った方ではないかな、と思います。

母が住んでいるのはマンションですが、通常は一緒に来ている夫が母の要望に応え DIYでいろいろ作ったり、棚を吊ったり、台所やお風呂場の大掃除などをしてきました。私も今回はまず各部屋にあるエアコンのフィルター掃除から。それから、お風呂場やトイレの換気扇のフィルターの交換など。母はこういったことは昔からできませんので、私たちが毎回やっています。1年7か月交換されていなかったフィルターには数ミリのほこりが…。😂

 

突然トイレ交換!

実はこの後、サプライズがありました…それはトイレ。以前より床が湿っていたりしていましたが、この時は結露が原因であろうと診断。湿っている個所がトイレの貯水タンクや給水管の真下だったからです。湿り具合も温泉タオルを敷けば大丈夫というところ。ところが、今回は湿り方が尋常ではありません。温泉タオルどころか大きな分厚いスポーツタオルでもすぐに重くなります。場所もタンクなどの下ではなく、トイレ便器の横。湿る場所はトイレ向かって右だったり、左だったり。実家に来て2日目くらいの夜、時差ボケのため眠れずにトイレ床を観察していました。タオルを敷かずにしばらくして見ると、なんとトイレ便器と床の間に小さな水たまりができています。ああ、これで 結露ではなく水漏れが確定しました。

次の日より、ネットで検索して水道屋さんに来てもらい、修理や交換の見積もりをいただきました。一軒目の水道屋さんは、「ウォッシュレットからの水漏れ」という診断。ただ、見積もりも私が頼まなければ口頭のみで終わっていたくらいの、ちょっと不親切な業者さんでした。ウォッシュレットもトイレもマンション新築時のおよそ20年前のものです。ウォッシュレットは水漏れしているので絶対に交換が必要でしたが、トイレも古く、ひび割れもあるので、思い切って交換に決定。それから、床の材質(クッションフロア)もついでに交換での見積もりをいただきました。さて、数社から見積もりいただいた方が良いと判断して、二軒目。こちらの業者さんはアイパッドとプリンターを持っていて、見積もりもプロっぽい感じです。やはり水漏れの原因はウォッシュレットとのこと。金額は最初の業者よりちょっと高めで、そう伝えたところ、こういった点検ですぐに来てくれる業者さんはどこもネットよりは高い相場…とのこと。ただ、こちらの方は有料でしたが水漏れを止める作業をしてくれました。(最初の業者は、「自分で止められますよ」と言って帰っていったので、やっぱり不親切。)うーん、値段さえ良ければこの業者さんが良かったのですが。兄と弟を含め話し合ったところ、もうちょっとネットで見積もりをもらってみることになりました。同じ機種のトイレでも値段にかなり開きがあるのです。日本のトイレ交換業者事情も何も分からない私ですが、とりあえず時間はあるので手続きも一人でやることにしました。

この間、実はノルウェーでお留守番の夫にも毎日相談していて、床の状態を確認するために敷いてあった床材を自分で剝がし、床の状態を見ることに…。剥がしてみると、やっぱりいつも湿っていた床の下の木材が一部腐っていました。が、乾かしてみることで何とか交換せずに行けるかもしれない、という夫の提案で、腐ってぼろぼろの部分のみを除去して、三日三晩扇風機をあてました。結果的にこれは正解でした。と、いうのも、ネットで見積もるような格安業者さんの中には床の状態にちょっとでも問題があると工事を引き受けないところもあったのです。結局、トイレ便器下の床は便器を撤去しないと確認できないものの、周りの木材の状態から おそらく大丈夫だろうと判断。最終的に頼んだ業者さんも多少の床のでこぼこは料金内で修復可能な方を選びました。トイレ交換は隔離期間が明けた日に来る予定。どうなるか、わくわく・どきどきです。

ちなみに、水漏れに絡んで保険会社にも連絡を取りました。母が入っている火災保険では水漏れの原因により保険が適用・そうでないかが分かれるとのころ。今回は給水管ではなく、ウォッシュレットが原因でしたので こちらはぺけとなりました。やはり、ノルウェーの保険事情とは違うな、と感じました*1まあ、日本にも原因は関係なく被害が生じたところで適用になる保険ももちろんあるかとは思いますが。

 

隔離期間ルーティン

その他、私個人のですがルーティンを紹介しますと、ネットでやっているチャット相談のボランティア、ブログ更新…など。ノルウェーにいる夫とも時間をだいたい決めておいて毎日話しています。あとは、主目的だった母の手伝い。うちの中のこともありますが、他には主治医の先生と話して 専門医への紹介状の依頼だったり、病院とのやり取りだったり。電話やネットでできることはこの期間に進んでやろうと計画していました。必要品の購入もネットでできるので、できることはいろいろありますね。食事は朝・昼は母と時間帯が違うので別々ですが、夕飯を一緒に作ったり、一緒に食べたり。うちの中でマスクは調理の時や食事以外はなるべくつけています。やはり、これまで長い間一人でステイ・ホームをしていた母が喜んでくれるのがなによりです。

 

今日のまとめ

帰国前・初めはどうなるかと思った14日間。あと残すところ3日となりました。まだ日本政府の今後の緩和政策がどうなるか見当もつきませんが、いつもいつも長い休暇はとれませんので、次の帰国は隔離期間プラス数日くらいで来なければいけないかもしれません。ただ、思ったのは外には自由に出られませんが、スーパーには行けますし、そこで必需品もそろえられます。買い物ができないノルウェーの隔離ルールと比べると*2、日本の隔離ルールはみんなが一応生活できる程度になっているかな、と思いました。ただ、うちは徒歩で行ける場所が複数あるのでいいのですが、これがバスなどを使わないといけない場所では、ほとんどアウトですね。(その場合、自転車やバイク、自家用車はOKだと思いますが。)そんなわけで、隔離はないに越したことはないですが、この期間でもいろいろできましたので、次回短い休暇となっても やはり来ることに意味はあると思っています。

 

このブログで一時帰国ができるかもしれない、と思われた方がいるのではないでしょうか。そうですね、判断の仕方はいろいろあると思いますが コロナ禍がいつ収束するかわからないご時世ですので、実家に高齢の親御さんがいらっしゃる場合は様子を見に来るというのが不要不急ではない…という判断もできるかもしれませんね。今日は最後までお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

 

 

*1:通常、住まいの中の損害は「Innboforsikring」(Innboとは建物内の設備や所有物など。)で適用となるのです。持ち家でも賃貸でも一般的にみんなが掛けた方がいい保険です。

*2:ノルウェーの場合、フルでワクチンを受けている・いないでかなりルールは変わってきます。隔離・待機の種類もいろいろありますが、身近の人の感染の場合で未ワクチンだった場合の隔離は買い物で外に出られません。ただ、不思議なことに散歩は可能。以下、「待機の家」、FHIがわかりやすく図にしたポスターのリンクです。

http://file:///C:/Users/mayju/OneDrive/Skrivebord/2021-05-03-karantenehus.pdf

ノルウェーから一時帰国 日本入国編

みなさまこんにちは。お代わりありませんか?東京を含め、日本全国 ますますコロナ状況が悪化していますね。私は今日で隔離7日目。ちょうど半分まで来ました。以前オスロで半ロックダウンのような状況を経験していますから、「日本もやればいいのに」と思っているのですが。自分は隔離中ですので、怖いという気持ちはありませんが、これで出勤して満員電車や人の多い駅を通らなければならない方々はさぞ 不安だろうな…と、お察しします。

さて、前回に続き 今日も一時帰国についてのブログです。ノルウェー出発から経由地ヘルシンキや、羽田空港での検疫について綴ってみたいと思います。(長文注意です!)

 

オスロ(OSL)-ヘルシンキ(HEL)

あらかじめ、空港のHP*1で情報を確認すると、チェックインに時間がかかるのでいつもよりも時間の余裕をもって…とありました。夫に車で送ってもらい、チェックインカウンターの前にならんだのは、午前9時。初めのヘルシンキへのフライトの3時間も前です。私の他には女性が一人。次々にその列に並ぶ人が来たのですが、せいぜい15組くらいでしょうか。結局、すごく典型的ですが、カウンターが開いたのは通常通りの2時間前。

さて、すぐ後ろで並んでいるノルウェー人の家族連れの話が聞こえ、彼らも日本に行くのを耳にしました。なんでもノルウェー大使館関係の方で、ディプロマットパスポートを持っているとか。私の前の女性が呼ばれ、見ていると複数の書類を見せ、15分ほどかかっていました。私の番が来てカウンターに行ったところ、なんとマニュアルらしきものを見ながら、すっごくわかってなさそうな雰囲気でした。「しょっちゅう変更になっているのでね…ちょっと待ってね。」と言いながら、マニュアルをパラパラめくっています。そのうち大使館の家族連れが隣のカウンターに来たので、すかさず「あのお、となりの人たちも日本行きですよ」と教えてあげました。そこで、二人の職員さんがあれこれと相談しながら、なんとかチェックイン(本当はオンラインチェックイン済みだったので、荷物のみ)終了。

ヘルシンキまでのフライトはこれまで乗ったことがないくらい小さなプロペラ機。飛行機が苦手な私ですが、もうこれに乗るしかしょうがない…とあきらめました。当然、無事に着いたのですが。小さな機体のせいか、いつもより長く時間がかかって、約1時間50分のフライトでした。途中乱気流もなく。まずは、ほっと一息。

 

f:id:Humbleness:20210816153525p:plain

プロペラ機…。68人乗り。

 

ヘルシンキ・ヴァンター空港

さて、機体を降り早速パスポート・コントロールへ。いつも思うのですが、本当にこのパス・コントロールってインフォメーションもわかりにくく、そして審査の方々もイカツイ感じで、ちょっとストレスな場所です。案の定、今回は自動通り抜けの機械が停止で長蛇の列になっていました。最初、間違った列に並んでいたのですが、乗り換え時間は2時間あったので、焦らず良かった…。ただ、日本行きの飛行機って、空港の拡張後は遠くの方になってしまったんですよね。居心地はいいスペースではあるのですが。タックスフリーも、他のブログなどで拝見していた通り、半分以上は閉まっていました。

出発三日前にJAL現地事務所さんからメールが来ていて、搭乗口で入国書類の確認があるとのこと。これも他で聞いていた話です。前回ブログでもお話しましたが、一番左右するのが、陰性証明書。これは文章の表現などの違いで、入国拒否となられた方もいたことから、JALさんでも日本政府のフォーマットを使うように、あらかじめ勧められていました。私の書類は、大丈夫でした。準備の時に時間と労力を使ったのが報われました。陰性証明書の他にも自分でネットリンクに行って記入する「問診表」というのがあり、記入後に来るQRコードもチェックされたかと思います。それから、接触確認アプリと、My SOS という入国者健康確認センターとのやり取りに使うアプリのダウンロードも確認されました。

 

f:id:Humbleness:20210816153825j:plain

JAL搭乗口手前にあった、クリスマスコテージ。おしゃれな空間です。

 

ヘルシンキ(HEL)-羽田(HND)

なんだか、JALの飛行機を見てはずかしながら、一瞬「うるっ」っと来た私。そうですよね、自分の国に行くのも1年7か月振りですからね。実は出発1週間くらい前に航空券を購入したフィンエアーのオフィシャルサイトで同じ航空券がどのくらいの値段か調べたのですが、この時点でエコノミーはなく(プレミアムエコノミーのみ)、しかも成田行きのフィンエアー運航フライトも増便で出ていたので、てっきり満席なものだと思っていました。ところが、機内に入るとCA さんが一人ずつ挨拶に来てくれ、「今日は御覧の通り、10名様のみです」ですって!!はあ、席の移動も自由だったので、もともと取った2人掛けのところと、寝るために移動した4人掛けの6席も使わせていただきましたよ。席では入国時に必要な書類をまた3つほどいただき、早速記入。誓約書、健康カードと税関の書類でした。食事も個々に持ってきていただき、なんとも良いサービス。トイレも10人だったので、きれいでした。

フライトは台風10号の影響で当初揺れると言われていたのですが、全然大丈夫でした。(この時期の移動はちょっと緊張する私です。)機体を降りる際も、パーサーのような長の方がわざわざ個人的にご挨拶くださり、「ノルウェーじゃ、ありえねー」と一人で感動しておりました。

 

f:id:Humbleness:20210816153832j:plain

もおすぐ日本!

 

いよいよ入国手続き

フライトでは、1-2時間眠れたでしょうか。でも、こんな大事な場面では、人間目がさめるものですね。以前読んだ情報どおり、まるでオリエンテーリングのように いくつものチェックポイントに送られます。まず、航空会社の方が全員を第一関門に導きます。ここではまず、例の陰性証明書を提出。やはり、出国前の72時間というのを念入りにチェックされていました。でも、無事にクリアー。いやあ、これでもう送り返されることはない…と、安心しました。お次は、健康カードに抗原検査用のシールを張られ、他の書類とアプリのダウンロードをチェックされます。お次は、検査サンプル採取、で一応三方を仕切られたブースに分かれて、唾液を採取。(順番もしかして間違えてるかもしれませんが)この後、アプリの使い方を説明される場所と、問診票のQRコードを提示する場所がありました。この一連のチェックポイントは空港内の使用していないゲートなどを使って作られたもので、通路にはトイレはあるのですが、ほとんどは閉鎖。一番最初にオープンしていたトイレはアプリ説明のポイントだと思います。なので、やっぱり他の皆さんが言われていた「機内でトイレに行っておいた方がいい」は、正解です。チェックポイントの後は、検査結果発表のポイント。ここは自分の検査番号を口頭で読み上げられます。が、大体同じ便で来た方々が呼ばれていたら自分の番もわかります。ここでも、幸い陰性でした。これで、実家に行けることが決定。(陽性な場合は、国の隔離施設に直行だと思います。)よくされた同じ質問は、ヘルシンキでは入国しなかったか、解熱剤などは飲んでいないか、など。

コロナ禍で初めて来る日本ですが、皆さんマスクはしているものの、職員さんの中で皆さんがソーシャルディスタンスをきっちり守っているわけではない、と感じました。特にスマホアプリ説明の方はちょっと近いかなー、と思いました。

 

ハイヤー

さて、一連の入国手続きは陰性カードというピンク色の紙をもらい、パスポートにスタンプをもらい、荷物を引き取って終了。ここでも、私のスーツケースにはJALさんから、手書きの「ありがとうございました」のメッセージが。「ありえない、ありえない…じーん。」結局、すべて終わって出てきたのは午前10時半。飛行機を降りてから約1時間半でした。実はお盆前ということで、もっともっと混雑していると思ったので、ハイヤーは到着時刻の5時間後に予約を入れていたのです。3時間半も待つものなあ、と思い、ダメ元でもいいから運転手さんに聞いてみようと連絡したところ、なんと12時過ぎに空いているので時間変更OKでした。空港から実家までは40キロくらいの道のりでしたが、途中私が住所を間違えてお伝えしていたことが判明。それも嫌な顔をせず、時間変更も追加料金もとられず、親切で良心的な会社でした。お世話になりました。

 

まとめ

本当に緊張の入国手続きでしたが、旅も手続きも無事に済んだこと 感謝です。検査結果発表の前の最後のチェックポイントで、どの程度が「不要不急」に当たらないか伺いました。具体的に、うちの母は高齢で、母に二人分の食料の買い物をさせるのはちょっとかわいそうだ、と伝えたところ 「ああ、そういう人道的な理由でしたら、食料品の買い物は大丈夫です」との返事でした。ただ、ノルウェーで人道的な理由に値する「健康維持のための散歩」は、不可とのこと。まあ、仕方ないですね。あと7日間、頑張りたいと思います。では、今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました!

 

*1:https://avinor.no/en/airport/oslo-airpor, 英語バージョンです

ノルウェーから一時帰国 準備編

こんにちは。みなさま、お変わりありませんか?私の方は、というと念願の一時帰国を決行し、4日前に日本の実家に到着しました。前回から1年と7か月ぶりです。実家は関東ですが、いやあ、この暑さは尋常ではない感じですね。到着翌日から14日間は隔離のためいやでもうちの中ですので、とりあえずクーラーの効いた部屋でこれを書いています。今日のブログは、ここ数か月をかけて準備してきたことをご紹介する「準備編」として綴っていこうかと思っています。

 

なぜ今の時期に?

まず初めに、一時帰国の背景から。そうですよね、「なんでまた今の時期に」と思われる方がいてもおかしくないと思います。うちの実家には80歳手前の体の弱い母がおり、最近目に見えて老化が進んでいることから、以前より年に2回の帰国が必要なのではないか、と思っていました。とはいえ、本人はいたって自分はまだ大丈夫と思っており、まあ一人でもなんとか暮らしていけてはいますが、日常のルーティン以外はヘルプが必要です。(この辺もおいおいお伝えしたいと思います。)前回の帰国直後にコロナが発生し、予定していた秋の帰国も見送ることとなりました。今年に入り、夏の前に母も私もワクチンを受けられて事で一気に「行けるかも」と、期待が膨らみました。ただ、そのころは日本の入国事情などは全く分かっておらず、情報を仕入れることからスタートです。

 

日本のコロナ水際対策

みなさまもオリンピック関連のニュースで水際対策の話を聞かれたことがあるかと思います。去年の3月から基本的には国境は封鎖され、外国からの入国はビザが必要となっています。うちのノルウェー人の夫は結婚前から一緒に一時帰国していたのですが、今回はビザの壁に阻まれ、断念。日本国籍である私も入国手続きとして、陰性証明書(出国前の72時間以内のもの)やアプリのダウンロードなどなど。ここでご紹介するのはあまりに量が多いので、準備の際フォローしていたチャンネルを貼り付けます。

 

www.youtube.com

このチャンネルでは視聴者さんからの情報、体験談も含め、ダイスケさんという方が詳しい解説をしてくれています。これによると、検査機関からもらう陰性証明では入国拒否のケースがあるということ。(この情報は出発直前に来たヘルシンキ空港内JALオフィスさんからのメールとも一致しています。)それは、日本政府が証明内容の表記や表現にもとても細かい事もあるからで、原則的に日本政府指定のフォーマットの使用となっています。

それから、「変異株蔓延国」という指定もあり、これに該当すると到着後3日間の強制隔離となります。旅行準備期間もスウェーデンが指定されたり(現在は解除)、そして出発1週間くらい前には経由地のフィンランドも指定されてしまいました。いつ変更があるのかは、外務省から送られてくるメールが頼りだったのですが…。自分でも、外務省のページに行ってチェックしたりと、なかなか気が抜けないものがありました。隔離期間中は一切の公共交通機関の利用は禁止なので、空港からはハイヤーを予約。でも、強制隔離になるかならないかで、実家に移動の日にちも変わってきますよね。それで、やきもきしていたわけです。

 

旅の手配

職場では通常5月1日までに夏の休暇予定を作成するのですが、マックスで休暇を取りたかった私は他が休暇を取り終えた後の期間を狙い、それでこの時期になったのです。実際に航空券を購入したのは6月の末。いつも使っているヘルシンキフィンランド)乗り換えです。日程を決める際に考えたのが陰性証明書を出してもらうための72時間前の検査。結局、フライトも毎日は運航していないこともあり、一番速くて高い検査を受けることを決めました。航空券の方は、JAL便がいつもと同じくらいの値段であったので、こちらをゲット。やっぱり、同じくらいお金を払うなら、フィンエアーは乗りたくないのが本音です。(まあ、この辺は好き好きなので…)

それから、空港からのハイヤーも同じころに手配。うちは東京23区外なので、関東と言ってもかなり割高です。でも、他社よりも5千円ほど安い会社を見つけ、こちらで予約しました。*1

 

陰性証明に記入してくれるクリニック

ノルウェーではこういった旅行用のPCRにせよ、通常の無料のPCRにせよ、結果は医療機関公サイトのHelsenorgeに登録されます。本来はこの結果だけで良いと思うのですが、そこが簡単ではない日本の役所。旅行用PCRはみな有料となっており、結果が5時間以内に出る速いPCRや、クリニック独自の陰性証明書はオプションの割り増し料金となっています。日本の陰性証明書フォーマットは手書きでなければならず、そこに医者のサインとクリニックのスタンプまで押してくれるところ…を探すのがちょっとした仕事でした。と、いうのも、多くのクリニックが電話対応はなく、チャットやメールだったのです。しかも、日本のフォーマットを実際に送ってできるかどうかを説明したので手間はかかりました。それから、PCR検査と一口に言っても検査検体をどこから取るかなどで 一つ間違えると入国できないというケースもあり、これもいちいち確認です。

結局、FaceBookのグループ、「Sub Japan」で経験者の方の情報を募り、知り合いから勧められたクリニックで検査を受け、陰性証明書も記入してもらえ、無事に入国できました。

私の航空券はフィンエアーの公式サイトから購入したのですが、こちらで購入の場合は48時間以内の変更が無料だったのです。夏の間ずっと働いていて、しかもノルウェーでも変異株が徐々に増えていた時だったので、「万が一陽性」の場合に備え 検査を72時間を切った時点で早めに受けました。直前で陽性が出たら、航空券の変更も有料になってしまいますもんね。

 

準備完了…

さて、検査を受けたその夜にもう陰性の通知が来ました。この時点で日本に行けることが決定。次の日に記入してもらっている陰性証明書を受け取りに。この日は職場では私の誕生日ランチをチームリーダーが開いてくれ、ちょっとほっこりするエピソード。花束までもらってしまいました。いつもはかなりくせのあるチームリーダーも、いいとこあるじゃん…ですかね。同僚などにも「日本でいい休暇をねー」と送り出されました。

 

f:id:Humbleness:20210812172544j:plain

 

いつも通っているオスロのTorggataの風景もしばらく見納めです。ノルウェーでは9月13日の国政選挙を控え、政治家のポスターなども張られていました。

f:id:Humbleness:20210812172633j:plain
f:id:Humbleness:20210812172627j:plain
Torggata

出発前日。今回同行できない夫はしょんぼり。私もしょんぼり。日本人の伴侶を証明する戸籍謄本があればビザも申請できたのですが、その謄本も3か月以内のものが求められています。今回は私一人で行って、謄本を役所で取ってきて次回に備えるという目論見です。しかし、こうして日本に来て思いますが、母がいるのでうちのなかでもソーシャルディスタンス、マスク着用だし、14日間も缶詰なのはやっぱりしんどいです。そこにノルウェー人の夫が居たら、やっぱりしんどくってストレス溜まってしまいそうでした。次回一時帰国の際にはワクチンパスポートの提示で14日間が短くなるとか、など もうちょっと緩和してくれることを期待します。

さて、無事にこちらについたわけですが、次回ブログでは実際の移動や検疫で体験したことを綴ってみたいと思います。今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

 

*1:AS国際ハイヤー  料金がネットで見られて、その通りの金額を払ったのでとても良心的だと思いました。次回、もし必要ならまたこちらにします。