ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステムズ・カウンセラーのブログです

❤結婚10周年❤ その3.私たちの選択・コミュニケーション編

みなさまこんばんは。世界的にデルタ株でコロナ感染が増加していますね。ここ、ノルウェーも、週ごとに50%とか100%の増加傾向です。今日のニュースでは首都圏よりも西ノルウェーでの増加値が高いとのこと。こちらは若い子たちのワクチン接種が夏休みに入ったころ(6月下旬)から始まっており、ワクチン2回目*1の子たちもぼちぼち出てきました。

さて、前回ブログではレアケース(かもしれない)私たちの国際結婚をちょっと取り上げました。今日はもうちょっと掘り下げて、日ごろ気を付けていること、自分たちで決めたコミュニケーションのルールなどをご紹介したいと思います。これらはあくまで、私たちの選択なので、どのカップルにも当てはまるというわけではないと思います。が、「ああ、こんなこともありなんだ」という感じでインスピレーションのようなものになれば良いなあ、と思います。

 

1.カップル・セラピストにならない

私の本業はソーシャルワーカーなのですが、副業でちょこちょことカップル・ファミリーカウンセリングをさせていただいています。この勉強をし始めたのは夫と会うずっと前なのですが、結婚後に修士課程を3年かけて勉強しました。そのころから夫に言われていたのは、「絶対に(自分の)セラピストにならないで」ということ。なんでも、一方がいわゆる「プロのモード」に入ると、夫婦関係がおかしくなる…というのです。確かに。一般的にも、カップルの関係は均衡がいいと言われているので、これはうなずけます。でも、どうしても職業病…ではないですが、セラピー的な質問とかは出てきてしまうこともあり、その時は夫に注意してもらうようにしています。

ただ、自分がセラピストモードに入らずとも、やっぱり喧嘩がエスカレートして来ると、「これ、やばい」と客観的に見えてくるので、そんな時はストップをかけたり…。誰でも腹立つときは、腹は立ちますし、身近な人だと余計怒りが大きいこともありますよね。ただ、怒りに任せて言ってはいけない事・してはいけないことに及ばないよう、喧嘩の時もちょっと冷静に距離を置いて見れるトレーニングをしています。(じゃないと、せっかくした勉強も無駄っぽくて悲しいものがありますよね。)でも、私が提案すること(例えば仲直りの仕方など)は、一般的に正しい事、というより、できるだけ自分の意見として伝えるよう気を付けています。でないと、一つのやり方を「これが正しいんだ」と相手に押し付けるようになってしまいますよね。

実はファミリーセラピーを学んでいた時も、クラスの中や先生陣で離婚される方が複数いて、「この科目を取ると離婚の危機が訪れる」というジンクスまであるのです。それが、たまたまなのか、何か典型的な要因があるかはわかりません。ただ、言えるのはこのコースではかなり自分自身の価値観・人格・歴史などを掘り下げていくので、もしも不幸な結婚をしている人がいるとしたらおのずと疑問符を投げかけてしまう…可能性大でしょうか。

 

2.正直さとオープンさ

幸いなことに、うちの夫も私も うそや取りつくりが苦手というのが一致しています。素のまま、ありのままが一番だ、という価値観が同じなのです。もちろん、時と場所は気にしますが、ほとんどいつも、と言っていいほど自分の「今一番伝えたい・言いたいこと」を伝えられるメンタルの環境にあります。例えば、相手のさっきの態度で「なんだろう、気になるな」と思っていたら、すぐにそれを口に出しても大丈夫。「ごめん、今聞きたくない」というのはお互いにほとんどありません。

ボランティアでしているチャットカウンセリングでも これまで夫婦・カップルの関係のご相談がありました。悩んでおられる内容は異なりますが、一貫して思ったのが「あれ、あんまりオープンに会話されてないんだな」ということ。自分の思っていることをなかなか言えなくて、相手がわからないという印象です。もちろん、その人の人格や価値観もあるので オープンがいつでも、どこでも良いとは限らないと思いますが、カップルの二人が少なくともお互いのコミュニケーションのスタイルを理解・了承していることが大事ではないかな…と思います。

それから、自分のしてほしいこと・望んでいることをはっきり言う…のも、自分ではかなり大事なポイントかな、と思っています。日本では「以心伝心」という概念がありますが、こちらではそれが全く通用しません。ましてや、女性・男性の違いもあるので、やっぱり希望ははっきり(言いすぎなくらい)言わないと、なかなか分かってもらえない気がします。

 

3.愛のを伝える5つの方法…を気に掛ける

かなり以前のブログ*2でお伝えした、「人は何をもって愛されていると感じるか」(by ゲイリー・チャップマン)ですが、私もこのセオリーに出会ってから かなりうなずくことがおおく、夫との生活でもできるだけ実行に移しています。例えば、男性の多くが「スキンシップ」を愛を感じる方法として挙げており、夫もこれに当てはまります。欧米は一般的にスキンシップ・ハグのカルチャーで、彼の育った環境もご多分にもれず。スキンシップを大切にしているご家庭も日本ではあるかもしれませんが、私個人はいたってスキンシップのあまりない家庭環境だったので、こちらのあいさつのハグなども、初めは戸惑いました…と、いうか「頑張らないとできない」ことではありました。夫は夫で、私の愛を感じる方法であろう「お手伝い・私のためにしてくれること」を嫌がらずにやってくれているのでとても感謝しています。

 

4.「ありがとう」と「ごめん」

夫は「ありがとう」を言うのはとても得意だと思うのですが、なぜか「ごめん」があまり得意ではありません。(一説には、日本のようにどこの国にも侵略されなかった国民は謝罪するのが苦痛ではない…とか。日本人が稀なんでしょうか。うーん、どこで読んだか全然覚えていないのですが。)でも、私にとって「ごめん」はかなり大事なこと。そして、何をもってごめんと聞こえるか 全然違うのも、やっかいです。先述のチャップマンさん共著の謝り方についての本*3も二人で読んでみたりしたのですが、こちらはこれからも改善課題ですかね…。

 

5.二人で祈る

私たちはクリスチャンの出会いサイトで会ったわけですが、当初夫は「誰かと祈る」という習慣がありませんでした。そこで、食事の前でもいい、短くても一緒に祈ることを習慣づけることを私が提案したのですが、快く引き受けてくれました。この「祈り」はクリスチャンにとっては大切なこと、神様とのコミュニケーションだと感じています。

 

 

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今年結婚10周年ということで、個人的なことをテーマに先月から綴って来ました。具体的なことをお話することで、もしかしたら誰かのインスピレーションにならせていただけるかも…と思った次第です。

もっと長く結婚生活をされている方からしたら、「まだ10年」かもしれません。まだまだ喧嘩もありますし、お互いのことをよく知っていく必要があると言えますねー。でも、見ず知らずの赤の他人だった私たち二人が出会って、こうして寝食を共にしていること自体、本当に不思議です。

夫も私も晩婚だったのですが、それまでの人生のいろいろな経験が教訓になっているのかもしれません。夫も私も早く結婚されて、離婚されている方を複数知っていますし、自分たちなりに、何が結婚生活において必要かをよく考えて、覚悟して結婚に至っていると思います。結婚とは、「ゴール」ではなく「出発」。そして、夫婦関係は毎日ちいさなことの努力の積み重ねで成り立っている…というのも、お互いで一致している考えです。

 

皆様はどう感じられましたでしょうか。先にも書いたとおり、夫婦関係っていろいろな要素が複雑に絡んでいるので、簡単な答えがないように思います。また、人間関係・コミュニケーション・家族関係については繰り返し取り上げると思います。ここまでお読みくださり、ありがとうございました!それでは、お元気で。

 

❤結婚10周年❤ その2.国際結婚のカタチ

みなさまこんばんは。気が付けば、7月ももう後半。今日(まだ21日)は前述の「22.juli」から10年を明日に控え、追悼イベントなどが始まっています。コロナの方は、デルタ株が主流となり油断ができない事態なのですが、若い子たちのワクチン接種も始まっていることから 感染者はそれほど増えていない状況です。日本のメディアで見るのと、こちらの私のクライアントの子たちからの話を比べると、こっちの若い子たちの方がワクチンを抵抗なく受けている印象です。

さて、今日は私たち夫婦の結婚10周年記念企画の第二弾…ということで、私たちが出会ったころからの夫婦関係を国際結婚という視点でつづってみたいと思っています。

 

日本とは関係のないノルウェー人とインテグレート外人の出会い

さて、一年前のブログ*1 でもお話したとうり、主人と出会う前の私はノルウェーにすでに15年ほど住み、正規の公務員、車や自分のマンションを持ち、ボランティアなどでも2・3の団体にかかわっていました。自他ともに、ノルウェー社会にとってもインテグレート*2していましたし、一人で十分やっていけたのです。ところが、最初の独立目標が実現を果たすと、なぜか一人で自分のすべての時間・お金・労力を使うことがさみしく感じられるようになったのです。「ここに生活を共にする伴侶がいたらなあ…」という希望です。そんなこんなで始めたネットデーティング。いわゆる「出会い系サイト」なのですが…。

ネットを通した婚活では、多くの方々とお会いしました。しかし、大半の方々が私の「日本人」というバックグランドに注目してしまい、会話の話題も私個人とは関係のない「日本はああだこうだ、日本人はああだこうだ」ばかり。なかなか「私」という個人と向き合ってくれる方はいなかった気がします。(それか、そこまで行きつかない)ところが、うちの主人は、なぜか日本に関する質問は初めからしなかったので、それが一番印象に残りました。彼は生まれも育ちも(当時)人口数千人という、ノルウェーでは典型的な町出身。みんながみんなのことを知っていて、いろいろな情報が人から人へとかなりの速さで広まるという…。お勉強が苦手な彼は大学などはいかず、手に職系の職業を選んだので、英語もあまり得意ではありません。日本は船乗りだったお父さんが昔行ったこともあり、行ってみたい国の一つだったらしいのですが、それ以外は全く日本との接点なし。

国際結婚される方々の出会いのカタチ・きっかけは様々だと思います。私のノルウェー生活でお会いした方々も、ご主人(または奥様)と出会った時点ではノルウェーには住んでいなかった方や数年住んでいた後で知り合った方、と様々です。が、私のようにかなり長い時間住んでいた後で国際結婚される方はあまり聞いたことがありません。そんな意味では、もしかしたらレア・ケースと言えるのかなあ…と思うところですが…どうでしょうか。

ちなみに、ですが。お会いした方々の中で一番多いのではないか、と思ったのがどこか第三国で留学中などに知り合われたカップルでしょうか。日本人伴侶さんも留学されるくらいですから、英語もでき、ノルウェー人伴侶さんの方も国際的な方…という方々ですね。それから、日本人伴侶さんがノルウェー滞在中の数年のうちに出会ったカップル。留学、または最近はワーホリ中…という感じですかね。同じレア・ケースで、ネットを通して知り合われ、遠距離恋愛の末にご結婚された方々も何組かお会いしたことがあります。

 

こんなところが強みかもしれない(独断と偏見)

どうして日本に関する質問をしなかったか…と、主人に尋ねると「君が日本人だってあんまり意識しなかったんだよね。」との答え。「君っていう人がどんな人かってことが一番興味があった」らしいです。うーん、そうか。でもそれは、もし私がノルウェー語しゃべれなかったら、そうはなっていなかっただろうと予想はつくのですが。

私が独断と偏見で私たちの関係の強みかな、と思うところは かなり私が外人扱いされないということかもしれません。もちろん、食べ物で言えば、彼のソウル・フードはジャガイモとサーモンの夕食。そして私のソウル・フードはラーメン(もちろん、ソウル・フードは個人差あり)麺類が続いた日は「また麵なの?」と苦情もあります。主人いわく、私が一番日本人だと感じたのは 日本に行ったときにかなり変わる私の態度や立ち振る舞い…だそうです。それ以外、こちらに住んでいる限りはあまり私が日本人だと意識することはないらしい…。

強みの二つ目は、お互いの関係のバランスがかなり取れている気がします。私は日本国籍なので2年に一度「滞在カード」を申請しなければなりませんが、外人だからと言って、職場の待遇が不利ということもなく、とりあえずノルウェー人一般人が持っている権利は保証されています。*3 うちの中でも、特に不利なこともなく、二人とも出費を半々でシェアできていることから、夫に援助してもらわないとできないことも 特にありません。

最後の強みはやっぱり自分が出会う前にいただいたノルウェー生活の経験でしょうか。他の方から聞いたことがあるのは、ノルウェー人伴侶さんや、そのご家族の価値観や習わしなどがそのまま「ノルウェーはこうだから、こうするのが普通だ」と言われてしまうこと。私はノルウェー全土に住んだ経験はありませんが、とりあえず何がノルウェー一般的なことか、何が個々の家庭にある習わしなのか 判断はつきます。つまり、「こうするのがノルウェーだ」と言われても、「いや、それは違う。あなたの家だからよ」と言い返せるのです。(まあ、別に言い返せても返せなくても、どちらでもいいような気もするのですがね。)おそらく、自分自身の経験がある種の自信のようなものとなって 私の「インテグレート外人」としてのアイデンティティーを支えてくれているのかもしれません。

 

でもやっぱり主人にとっては新たな体験

私たちはお互いに晩婚で初婚だったので、結婚生活自体もまったく新しい体験でした。主人は民間の会社、私は公の機関の職員なので、お互いに職場の待遇も違いがあり、そんなことも彼にとっては新鮮だったかもしれません。結婚当時、オスロでも最大の総合福祉事務所に勤めていたので、仕事量の多さなどは彼もびっくりしていました。「いやー、市の職員ってこんなにこき使われているの知らなかった」と、言われたものです。この後、転職活動をするにあたってびっくりされたのは、外国人に対する差別があること。どうも、私の学歴と職歴から「引く手あまた」だと思っていたらしいのです。例えば、名前だけで外国人名は書類を見てもらえないケースも現実にあるということ。これも、彼にとっては新発見だったようです。

普段の生活以外での「新しくって素敵な人生の変化」は、日本の家族ができたこと、と第二の自分の国となった日本での体験と言っています。もちろん、彼が日本に行ったらどこから見てもガイジンだし、日本語だって習得しているわけではありません。ただ、本人はそれでも人とコミュニケーションが取れるし、日本人の考え方も理解できるといいます。温泉も大・大ファンになっています。

 

変化し続ける生活ルーティン

数年前、実家の母が病で倒れたとき以来、実は私のルーティンが大きく変わりました。それは、母の生活にフォローアップできるように それまで全く見ていなかった日本の情報番組を見たり、国民年金介護保険などの情報収集です。どちらかというと、ビジュアル系で情報収集するのが得意な私は、もっぱらYouTubeを使っているのですが、おのずと夕食後のノルウェーニュースチェックの後は日本の番組のアーカイブを見る時間となっています。

本当に昔はどちらかというとノルウェー社会へ溶け込む方に夢中で、日本のメディアも全く興味なかったように思います。が、自分も歳を取りやはり祖国への関心も増しているのかもしれません。そういう意味では、主人ももしかしたら、今の方が私の日本人アイデンティティーをひしひしと感じているかもしれませんね。

 

国際結婚のカタチは本当に様々で、どれが良いとか悪いとかいうことではないですよね。ただ、国際結婚はいろいろなことで葛藤が多いことも知られています。言葉やコミュニケーションが上手くいかない、とか引っ越してみたけど生活はこんなはずではなかった…などなど。そんなことがきっかけで、私の修士論文も国際結婚がテーマだったのです。

今日は私たちのカタチを紹介させていただいたわけですが、いくら私がインテグレートしているとはいえ、問題は起こります。次回は私たちが日ごろから心がけていることなどを書いてみたいと思います。今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

*1:"Mine 25 år i Norge" ノルウェー生活25年を振りかえって… その4.オスロのシングルライフ - ハンブルネスのひとりごと

*2:「社会に同化している」「溶け込んでいる」という意味で使っています。

*3:強いて言うと、国政選挙の投票権がないことや、ヨーロッパ内の他の国で医療費がカバーしてもらえる「ヘルスカード」がもらえないことくらいでしょうか。

❤結婚10周年❤ その1.2011年7月のこと…

みなさまこんばんは。引き続きお変わりありませんか?

こちら、北欧ノルウェーの首都圏では コロナ政策の緩和が進み、本当にマスク姿の人も減ってきました。ただ、政府はデルタ株の影響もあり、最終段階の緩和にはまだ踏み切っていません。ヨーロッパの取り決めで、国々が感染状況により色分けされ、「グリーン」の国にはワクチンなしで旅行でき、帰国時にも自宅待機無しということで、たくさんの方々がバカンスに出かけた…とか。ただ、旅行中にその国が「レッド」になった場合は自宅待機は免除にはならないので、まるで「ギャンブル」ようです。

さて、今日のブログは結婚10周年を記念してちょっと書いてみたいと思っています。いわゆる、パーソナルブログですね。10年前の7月ってとっても特別だったこともあり、この時のことを振り返ってみたいと思います。

 

手作り結婚式 ー 私たちの選択

さて、こちらは自分たちで結婚式の企画や手配をするのはいたって普通となっています。多くの方が教会*1に所属していますが、式は新婦の教会で挙げるのが伝統と言っても過言ではありません。首都オスロや他の主要都市では教会に属していないかたも多く、その場合は市庁舎などで行います。と、いうのも、日本と違い「籍を入れる」というのがないので、結婚式には承認となる方(教会の場合は立ち合いの牧師、役所の場合は役所の職員)に結婚証明書を出してもらう必要があるのです。

さて、私たちの選択は、式は当時私が数年間ボランティアをしていたオスロ中心部にある「Trefoldighetskirken」で。その後の披露宴は夫の出身地、Nesodden(ネーソーデン)にある、彼の母教会で。式の方も、牧師は選べなかったのですが、オルガニストに演奏をお願いする曲や、式次第などは自分たちで用意。このデザインも私が自分でやったのですが、今思えばちょっとお葬式っぽいお花を選んでしまったかなあ…と。

 

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Trefoldighetskriken (英語でTrinity Church) - kirken.no より

披露宴は 第一部が家族や親せきのみ参加のちょっと硬めの食事会で、第二部がお友達なども加わったもっと砕けた感じのカフェタイム、というのを企画。食事は自分たちでケータリングサービスを頼み、ウェディングケーキは義母が義姉と一緒に手作りで。他にも知人などにカフェタイム用に手作りケーキをお願いしました。会場の飾りつけも家族や友人に手伝ってもらいながらすべて自分たちでやりました。やはりいろいろ決めることや、手配などでかなり忙しくなり 結婚式の舞台となった教会の飾りつけまでは全く手が回らず、友人が急きょお花を買ってきた…という具合。

そして、式の数日前には私の兄がまず到着。彼は亡き父の代行ということで来てくれたのですが、母と叔父夫婦と別便で来たこともあり、空港までも数往復しなければならず、バタバタと忙しくなっていました。式前日も会場準備や西ノルウェーから来た友人(仲人役)らと打ち合わせを兼ねた食事会などもこなし、本当に目が回るような数日間となりました。

 

結婚式当日…起こってはならないハプニングが!

式当日。朝から実家から来た兄や母の世話でとても忙しく、自分の着替えなどは本当に最後の最後。そして、気が付くと…あれ?お迎えに来る人からの電話がない。お迎えの人は夫の弟の友人。自分のアメ車を出してくれたのですが、夫がメールで説明しておいたスケジュールを全く確認していなかったことが後から判明。私が夫に電話をして、彼に連絡がつくと、なんとマンションの外でずっと待っていたというではないですか。(そしてちょうどうちの窓から見えにくい位置にいた!)式が始まる…25分、いや20分くらい前のことです。教会があるオスロ中心部まで、ギリギリもいいところです。しかも、彼はこの事態(式に遅れる)が分かっておらず、焦っている私に「あのー、どうやって行くんだっけ?」の始末…。ここで、新婦ですが、ぶっちぎれる私。ただ、運転手に切れてもしょうがないので、夫に電話で切れていました。この時、夫はかなりおろおろ。今思えばかわいそうだったな。教会に着いたら一息入れる間もなく(式がもう一つこの後あって、かなり押していたため)顔がまだ引きつっていた私ですが、やむなくバージン・ロードへ。実は式のあいだずっとこの怒りとストレスのせいで体がぶるぶる震えていたのですが、幸いにも参列されていた方々は「かわいそうに、緊張してるんだ」と、思ったらしいです。

式が終わった後も、一生懸命「笑わなきゃ、スマイルしなきゃ」と、自分に言い聞かせていたものの、体は思うように動きませんでした…。そんなこんなで、披露宴でもずっとこわばりっぱなし。やっと気持ちが落ち着いたのが披露宴も終盤に差し掛かった頃でしょうか。やっと余裕ができて、いつもの私に戻っていたと思います。

 

式の翌日から7月22日まで

式の翌日には西ノルウェーから来てくれた友人たち、日本からの家族などを一日オスロ中心部観光へ。またその次の日は一足早く帰国する兄を空港に送りつつ、他の日本からのゲストと一緒に山小屋へ小旅行。夫の両親が私たちを迎えてくれました。ここで数日滞在した後、ベルゲンへ向かう母と叔父たちをまた空港まで。彼らは数日 自分たちでフィヨルド観光したあと、私たちとスタバンガーで合流するという計画でした。ここで昔からお世話になっているMご一家のお宅で数泊させてもらった後、彼らはスタバンガーの空港から日本へ帰っていきました。

そして、夫と私も そこから車で寄り道しながらうちに戻ります。やっと二人きりになり、新婚旅行気分になりました。うちに帰る前日は、先日ブログでご紹介したダーレンのホテルで一息入れた後、同じテレマルクで開かれていた、大きなクリスチャンの集会*2に参加して、そこで西ノルウェーからの友人たちとも再会の予定でした。その前に民宿にチェックインすると、TVではオスロで政府の建物が爆発されたというニュースが。続いて数時間後にはオスロから北に行ったある島での銃撃事件のニュースも入ってきました。その場にいた人たちもちょっと騒然としていて、夫も家族と連絡を取り、無事を伝えたり、私も職場の同僚に連絡したりしていました。

その後、詳細がわからずに先述の集会へ。やはり、ここにいた人たちも不安でいっぱいな雰囲気でした。そうです、これが後に「22.Juli」(ヒューエアンドレ・ユーリと読みます。)と呼ばれるようになった単独テロ事件*3です。

 

式がまずくても夫婦関係は立ち行く…

私はもともと結婚式などをあまり夢見る女子ではなく、ウェディングドレスなども「ウン十万も使うのがもったいない」と考えていた方。もしパーフェクトな結婚式を望んでいたタイプだったら、式でのハプニングから立ち直れなかったかもしれません。でも、自分の感情をコントロールできずに夫にも嫌な思いをさせてしまったことや、嬉しい・ハッピーな気持ちで満たされるはずの結婚式がこんな思い出ばかりになってしまったことも、悲しくて本当に残念でした。

でも、考えてみたら結婚式は一つの節目の日と言うこと以外、他の日と重要性はあまり変わらない気がします。そういう意味でも、こういう特別な日にこのようなハプニングが起こってしまっても、人生を長い目でみたら「あまりたいしたことない」と言えるかもしれませんね…。

 

思えば、この2011年7月は、本当に怒涛のような日々の連続でした。自分たちの結婚式もありましたが、ノルウェー社会が悲しみに包まれ、大きく揺れた月でした。式を挙げた教会も爆破を受けた建物から実は目と鼻の先だったため、ステンドグラスなどにも爆破の衝撃で多大な被害が出ました。式の日程があと2週間ほど遅かったら完全にアウトになっていたところでした。人生本当に何があるかわかりません。

 

さて、こんな風にスタートを切った私たちの結婚生活ですが、もう少し次の機会にシェアさせていただきたいな、と思っています。今日もここまでお読みくださり、ありがとうございました!

では、みなさまも引き続きご自愛くださいね。

*1:ノルウェー国教会。プロテスタントの一派、ルーテル派なので、幼児洗礼があり、この時に教会メンバーとなります。

*2:Korsvei という団体の集会で、Seljordで開かれていました。

*3:

ノルウェー連続テロ事件 - Wikipedia

夏至・庭リフォーム・ファイザー2回目

みなさまこんばんは!お元気ですか?

こちら北欧ノルウェーでは、一年で一番日の長い日を2日前に迎え、皆がくちぐちに「あー、またこれから暗くなっていくのかあ…」とちょっと文句を言い、でも実際はこれからサマーバケーションに入る人も多く、今日*1はついにSankthansaften (サンクタンスアフテン)。実は明日がこのサンクタンスの日*2なのですが、こちらではその前日に各自治体でキャンプファイヤーが焚かれるなどの催し物があります。当のサンクタンスは何もしない、とか。いまはキリスト教の特別な日というよりは、ミッド・サマーを楽しむという趣旨ですね。

今日のブログは、庭リフォームの経過や最近打ったファイザーワクチンの2回目など、生活トピックとなりまーす。

 

庭リフォームいろいろ

以前、芝生のメンテについてブログでとりあげたのですが*3 それからも、今年は様々なリフォームにトライしています。まずは、薪を積んでおくために主人が考案したガレージ裏の屋根付きテラス。

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薪用収納てらす&コンポストクヴァーン

こちらは屋根を付けるのにかなり四苦八苦に試行錯誤しました。彼が骨組みを作り、私は主にテラスボードのねじ止め担当。家と同じ色のペンキも塗ってみました。(大体皆さん、家とガレージなどの色は統一していますね。木造だからですかねー)コンポストクヴァーンは、日本語に訳すと「堆肥グラインダー」というらしいですが、これは同じガレージ裏にあった白樺の木が腐っていたため、二人で切り倒して枝などを粉々にするために今年購入したもの。(やたらとこういった機械類や道具類が増えますね…)粉砕したものはバークチップの下地として花壇に蒔けます。ただ、思ったより細かくならず、ゴロゴロしたものになってしまいました。

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コンクリートタイルの施工

お次はコンクリートタイルの施工。こちらはハンディマンの主人も自分でやるのは初めて、と言うことでかなり時間をかけていました。去年の斜面工事(左側)の後、このパートは砂利が敷かれたのですが、ガーデンファニチャーを置くとやはり安定が悪いので思い切ってタイルを購入することにしました。このタイルはコンクリートに着色されたもので、一つあたりはリーズナブルなのですが 送料が高い。(その他ボーダーストーンもあったので…クレーン車での配送となりました…)今はこの場所も一応 完成です!
例の芝はどうしたか…というと、実はあれから黄色い部分が増え 粘土質の土が原因で酸欠を起こしているというのをネットで読み、最近大きなフォークのような道具で地面に穴をあける作業をしています…。これで緑になってくれるのか。

 

ワクチン完了しました

そして、コロナワクチンです。いわゆる「職域接種」で、今から9日前にファイザーの2回目をうちました。こちらでは自治体を通すと1回目の接種時に2回目の日程もわかるのですが、私の場合は2回目の通知が来たのが2・3週間前。当初自治体での接種では1回目と2回目の間隔が5月分より11週間になると聞かされていたため、以前同様6週間(こちらではスタンダード)だったのが、ラッキーでした。そして、気になる副反応はと言うと…熱はなし。でも倦怠感が「だらだら」と4・5日続いたような感じがします。もちろん、接種部の痛みもあり。うちの職場はかなり自分のペースで仕事ができるため、接種の次の日はテレワークにして、うちで仕事をしました。

 

収束ムードのノルウェー

そして巷はかなり収束ムードになってきています。あちこちでマスク無しの人*4が増え、職場でも「もうマスクしなくてもいいのよ」という同僚がほとんど。今日のニュースでは、ヨーロッパの基準に合わせ、明日から例のワクチンパスポートも開始。と、同時にヨーロッパ経済機構内の国々からの出入り可能になりました。ただし、ノルウェー到着後の隔離を免除されるには、ワクチンパスポートもしくはコロナにかかった証明などがいる模様。そして、デルタ株については政府では「コントロールできている」という見解です…。私は、といえば 実は日本に一時帰国する日程が決まったこともあり、絶対にコロナには今かかれない…まだまだ緊張感が続く状況です。

 

初の夏バイトリーダー

かなりフレキシブルな職場にいるとはいえ、どうしても引き受けなければならない仕事ももちろんあります。うちの事務所では希望する住人の子たちを対象に 夏のバイトをさせてあげるべく市から補助金が出ました。バイトの中身はというと事務所が管理している不動産のメンテナンスやリフォームです。そして、この春からある不動産の担当者となっている私にもここの「夏バイトリーダー」のお達しが来ました。なので、6月はずっと 仕事の計画書や道具・備品リストの作成など、うちでリフォームはしていて多少の知識はあるものの、専門分野ではない内容の仕事の連続です。

この月曜日に第1日目。なんとか、今日3日目を終えました。バイトリーダーなので、この子たちを指導しながら、自分も仕事に加わります。いろいろな事情で現在自立を目指している子たちですがら、これまでのバイト経験もほとんどなかったり… でも、もともとバイトの目的もこの子たちに有意義な経験をしてもらうこと、ですから、かなりゆるい感じです。コンセプト的には多くの子にバイトのチャンスを与える、ということで期間は2週間。しかし…毎日外で作業するというのは 大変ですね。しかも、該当の不動産は外に水道の蛇口もコンセントもなく、一人の住人からトイレ・水・電機などを提供してもらわなくてはいけませんでした…。このことが判明したのも、私が関わってから… 事前の調査もなく、詰めが甘いのは、ノルウェーではよくある話です。どちらかというと、「まず、やってみようよ。」というノリなのかもしれない。それはそれである意味、初めの一歩がなかなか出ない日本人と比べると いい部分でもありますが…。

 

と、いうことで 今日はいろいろな生活トピックをご紹介しました。来月7月は私たち、結婚10周年を迎えます。次のブログは結婚生活を振り返って いろいろ書いてみたいと思います。私たちは決して典型的な国際結婚ではないし、しかもノーキッズということで他の方々よりも楽をしている方かもしれません。

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました!日本では、オリンピックが近づいて、ミッド・サマーどころではないのかもしれませんが…。くれぐれもご自愛を❤





*1:7時間日本より遅いので、まだ23日でです。

*2:日本語では「聖ヨハネの日」というらしいです。リンクはこちら…

ja.wikipedia.org

*3:

春だ!庭仕事だ!&一回目のコロナワクチン接種 - ハンブルネスのひとりごと

*4:オスロではマスク率が高いと感じたのですが、地方はそうでもなかったようです。

テレマルク小旅行・ダーレン・ホテル

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みなさま、こんばんは。6月も早くももう中旬。ここ北欧ノルウェーでは、前回ブログより夏を思わせる(と、いうかここでは夏気温)20度以上の天候がずっと続いています。夏至までのあと1週間あまり、まだまだ日が長くなります。

さて、今回ブログは1年以上ぶりにした外泊旅行からでーす。

 

コロナ禍での旅行先選び

私たち夫婦は去年3月よりずっとうちと職場の往復の日々が続いていました。行くのは20分先のコテージくらい。(これも「ルス」のせいー前回ブログご参照ください。)去年の夏休みもパスだったので、さすがにどこかに行きたいモード。今年に入り、イースター休暇にベルゲン*1へ行く計画を立てども、感染蔓延でぺけ。春はイースターの後、キリスト教の祝日が続くのですが、今度は「ピンセ」と呼ばれる聖霊降臨祭の祝日を狙って最初は海が見える場所に2泊3日で行くことに…。ただ、こちらの地域もコロナ新規感染者が増えていたので、主人の提案で2泊を1泊にして 急きょテレマルク地方*2にあるダーレン・ホテルに行くことになりました。

 

Dalen Hotel

実はこの場所、私がノルウェーで最初に行った学校のバス遠足で 25年前に初めて訪れた場所。テレマルク運河の奥にある、夏の5か月だけオープンしている歴史あるホテルで、ノルウェーの 「De Historiske Hotel og Spisesteder」*3にも登録されています。開業は1894年。スイス建築様式にノルウェーのスターヴチャーチ*4 にもみられるドラゴン装飾などが施されています。「おとぎ話のホテル」とも呼ばれ、運河客船で来るヨーロッパからの富裕層のお客さんでにぎわい、国外でもその名が知られていたそうです。第2次大戦などの影響でホテルはその後廃業となり、90年代に再オープンになるまで廃墟と化していたそうです。今のオーナーさんはこのホテルと運河客船を経営しており、「歴史を旅する」をコンセプトに展開しているらしい…。なので、さすがに専用バスルーム付き客室やWifiはありますが、他は当時のままにこだわっているよう…。

私たち夫婦にとっては新婚旅行で立ち寄り、カフェでお茶した思い出があるホテルです。ノルウェーは物価に対してホテルは割とリーズナブルですが、ダーレン・ホテルは1泊でも庶民にはちょっと勇気の要る値段です。今回はある団体のメンバーシップ割引を使ってちょっと安くなり、小ドライブ旅行の行先となりました。泊ったことはなかったので、すーごく楽しみでした。実際の印象は、もちろん建物は歴史があって雰囲気もとても良かったです。ただ、近代的なホテル(TVや冷蔵庫がある)に慣れてしまっていると、快適さではちょっと…ですかね。客室が49なので、こじんまり。泊った日の夜に、ホテルオーナーさんによる「ホテルの歴史物語」が語られ、アットホームな空間でした。ちなみに、夏だけオープンなのはなぜか聞いたところ、十分な断熱を施しておらず、冬は寒すぎてホテルとして営業できないそうです…。

 

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カフェ兼宿泊者用のリビング

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お部屋はこんな感じ。広くはないですねー。

食事とサービス

宿泊費用には朝食は込でしたが、今回の旅行は結婚10周年の前祝もかねていたので、普段は食べないホテルのディナー。メニューはグリルしたホタテ貝柱入りスープ、メインは肉と魚からえらべ(私たちは牛ヒレのステーキを選びましたが、肉が大きかった!)、最後にデザート。どれもおいしかったのですが、おそらく大量の生クリームのせいで胃がもたれ、次の日の朝食(アフタヌーンティー形式)はほとんど食べられずに私の分は「お持ち帰り」にしてもらいました。そこは、サービス良し。ちょっと残念だったのが、他のホテルにあるようなフリーのお茶やコーヒーはなく、このホテル自慢のリビングスペースは有料カフェになっていました。

 

西テレマルク、ミニ観光

さて、次の日はチェックアウト後 ホテルから5キロ先に行ったミュージアムへ。ここへも25年前に絶対来ていたはずですが、今はすっかり様変わりして近代的な建物もできていました。確か、当時は野外ミュージアムのみだったような…。

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西テレマルクミュージアム。スターヴチャーチは夏のみ使われているようです。

まったりと2時間ほど過ごした後、もう一つ有名なHeddal(ヘッダール)スターヴチャーチのあるNotodden(ノート―デン)を経由して 家路につきます。

 

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TripAdvisorさんにも載っていました。https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1188568-d3820362-r421239662-Heddal_Stave_Church-Notodden_Notodden_Municipality_Telemark_Eastern_Norway.html

 

うちの主人はオスロのすぐ南にあるNesodden(ネーソーデン、よくさっきのNotoddenと間違う人が多い…)出身で、テレマルク地方とは縁もゆかりもなかったのですが、ノルウェーの田舎チック・ノスタルジーを味わえる素敵な場所だと言っていました。

ダーレンへ行くには、同じテレマルク県の南にあるSkienから運河客船が運航されています。(英語サイトあり)コロナが収束したころに、ゆっくり運河を通って、この「おとぎ話ホテル」に泊まってみるのもいいかもしれませんね。ちなみに、夏季のみ営業ということで、従業員さんもインターナショナルでした。英語は十分通じます。ダーレン自体は本当にホテルがメインの小さな村なので、他に西テレマルクミュージアムやスキーミュージアムなどに立ち寄るには車が要ります。

www.telemarkskanalen.no

 

庭リフォーム・庭仕事から解放されて ちょっと旅行するのも リフレッシュできて良かったです。

今日もここまでお読みくださり、ありがとうございました。お元気で!

*1:ノルウェー第2の都市でフィヨルド観光の玄関口として有名です。

*2:スキージャンプにもある「テレマルク姿勢」はここ、テレマルク地方から来ています。一応、スキー発祥の地と言われています。

*3:建物などが歴史あるホテルやレストランだけが厳正な審査のもとに加盟できる団体

*4:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B4%E6%95%99%E4%BC%9A

額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・3)

こんばんは。みなさま引き続きお変わりないでしょうか。久しぶりにブログ更新です。この間に日本でもコロナに関する話題が盛りだくさんでしたね。個人的には実家の母が数日前に一回目のワクチンを接種できて、副反応もほとんどなく、家族としてはちょっと安心しました。これで日本滞在も夢でなくなりましたー。

こちら、ノルウェーでは長い半ロックダウンが徐々に解除されているのですが、先週バーやレストランが「オープン」になったとたん、しかも天気もここ数日良かったことから、大きな公園に若い子たちが数百人単位で集まり 次の日にはごみの山になるという事態も発生…。ノルウェー人ではない私も、この公衆道徳の低さには恥ずかしくなります。そう、そして去年に引き続き高校卒業生たちのどんちゃん騒ぎも5月の憲法記念日を皮切りに始まってしまっています!

humbleness.hatenablog.com

前置きが長くなりましたが、今日のトピックは治療体験ブログということで、顎関節症のお話しをアップデートします。ちなみに、前回のこのテーマのブログはこちら…

額関節症(TMD) ノルウェー事情アップデート(2021・2) - ハンブルネスのひとりごと

 

オスロ郊外の某矯正歯科医院へ…

アップデート2の最後で、H先生から(補綴歯科系の)治療を提示され、考えてしまいました。確かに、開咬(オープンバイト)の状態は改善すると思いましたが、ずれてしまった顎はそれではずれたまま。そんなわけで、先生が紹介状を書いてくれるという、これまたオスロ郊外にある矯正歯科専門医の先生のところで診てもらうことになりました。予約が取れたのは、先週27日。

駅前にある、明るいクリニック。事前にもググってみたところ、星4以上とかなりの評判。出てきたのは、ヨットが似合いそうなW先生。H先生と同じスウェーデンの方ですが、H先生に比べて 分かり易い!*1 「いやあ、マイユニさんね、あちこちで診てもらって、いろいろな歯科情報も読まれてるって、聞いてますよ」と、W先生。これまでのいきさつなどをお話ししたのですが、結論から言うと、またしても「経過観察」が今はいいということでした。うーん、自分でもすんなりと治療に入るとは思っていませんでしたが…。またかあ…。理由はというと、開咬が発生した期間があまりに短いので、今治療をこころみて、額関節に多大な負担がかかると症状が悪化することもある…というのです。(こんなこと、たしか1月に大学病院の再検診でも聞いたっけ。)

H先生からは紹介状や書類は来たものの、レントゲン写真がないとのこと。W先生、もういちどH先生とよく話し合うとのことで、もう少し治療が具体的になったらレントゲンや他の検査もするとのこと。「とりあえず、夏以降ですね」ですと。先生は最新のレントゲンが必要ということで、今回はあえて無駄な検査はしませんでした。そうです、パノラマレントゲンでも取ろうものなら一気に1万円くらいは飛んでいきます。これも、なかなか良心的で良し。

結局、今回は問診とかみ合わせを見られただけだったのですが、やっぱりH先生と専門分野が違うせいか、開咬の原因についての見解も違っていました。「歯自体が動いた」ことも除外できないというのです。それに、「顎位置を動かす治療」というよりも「歯を動かす」方にやはり注目されている気がしました。日本の大学病院などが発行している治療結果のレポートなどで提唱されている「補綴治療や矯正治療ではない、保存的治療」も、どうもW先生は具体的にはご存じないようでした。私の感想は、そうかあ、やっぱりなあー。私が読んだ治療結果レポートはほぼ日本語で、英文がちょっと載っているだけ。もっと、英文中心のが見つかれば読んでいただけるんですがね…。

 

次のステップは

職場の同僚が自分の息子さんの矯正治療について話してくれたのですが、彼はひどいオーバーバイト(出っ歯)で、ぜんぜん物が咬めない状態だったらしいのです。矯正治療後はすっかりかみ合わせも良くなり、そして顎を動かしてもらったため、顔の形もすっかり変わった…というのです。私のはオープンバイトなので、症状や年齢も違うのですが、この話を聞いて「顎位置を変える治療」があるかもしれない、とちょっと希望がわいたのでした。ただ、W先生のように、あきらかにベテランで、しかも博士号まで取られている方に診ていただいたので これ以上の専門家が居るかどうかはわからないものの、矯正歯科医師会のようなところに問い合わせてみてもいいかもしれない、と思っています。

そして、お金はかかりますが 今年は絶対に里帰りしようと決めているので、日本の大学病院で思いっきり検査していただいて、原因を突きとめていただこう…と。もう、やっぱり医療は日本が一番ですよー。(特にこういった命にかかわらない疾患は、こちらは全然研究が進んでいませんので)

とりあえず、「またかあ」と一瞬沈みましたが、命に係わる病気じゃないし…、と自分に言い聞かせ。しゃべらない時と食べてない時は開咬もなるべく気にしないようにして… (と、庭仕事に熱中している時にふと思ったのでした。)

 

そんなわけで、今日は治療体験ブログ(まだ治療にはこぎつけていませんが)ということで、アップデートしてみました。福祉国家ノルウェーも、意外な病気で意外な落とし穴があり、私はすっかりこの落とし穴にはまってしまった感があります。いくら「疾病」といえども、公の治療機関で扱いのない病気や症状は完全自己負担の民間の治療機関に行かなければなりません。私が出会ったいろいろな先生方もこのシステムは不条理と言っていました。またこのトピックについてはアップデートしますね。

さて、今後のブログですが 庭仕事のアップデートや最近一泊で行った小旅行からまた近々更新する予定です。最後までお読みいただきありがとうございました!では、みなさまもお元気で‥‥。

 

 

*1:分かり易いスウェーデン語で思ったのは、ノルウェーに近いヨーテボリの出身か、またはノルウェーにかなり長く住んでおられて、言葉が「Sworsk」スウォシュク…つまりチャンポンになっているか…が、考えられます。とにかく、言葉が分かり易いのは安心材料ですよね。

春だ!庭仕事だ!&一回目のコロナワクチン接種


みなさまこんばんは。お変わりありませんか?こちらのコロナ近況ですが、オスロ市では相変わらず、外食産業なども含め スーパー・薬局以外はいまだに閉まっております。*1私の住むオスロ近郊はというと、先週月曜日から普通のお店が開きました!およそ5,6週間ぶりですかねー。私たち夫婦は身の回り品の買い物をほとんどしないため、洋品店などは閉まっていても苦になりませんでしたが、やはりホームセンターの部類は大変不便をしていました。閉まっている、とはいっても外食産業ではテイクアウトは可ですし、ホームセンターもネットで注文・店先で商品引き渡しはOKでした。ただ、商品を見れずに買うのはちょっと…ですよね。

さて、今日のブログはというと、地面の霜も解けて始まった庭仕事と、今日のホットな話題のワクチン接種について綴っていきたいと思います。

 

芝生作業

私の実家には庭などはなく、結婚前は庭のない学生寮やアパートに住んでいたため 庭はまったく未知の世界でした。おはずかしながら、芝生とは勝手に毎年出てきて青々と茂ってくれるとばかり思っていたのです。そして数年… 気が付けば、うちの芝生は苔か雑草で埋められていた状態だったのです。そこで、YouTube先生を通して去年より、芝生を青々させるプロジェクトが始まりました。

まず、芝生を掘り起こして空気を地面に入れ、枯草や苔を除去する作業。これはさすがに手動ではできないので、約1万円ほどの機械を購入。2年目の今年も使えているので、買って良かった商品です。(スウェーデン系の元車部品専門店、Biltemaの自社製品)

この機械を芝生全体にかけると、すごい量の「もふもふ」が出てきます。これが苔と枯草の塊です。このもふもふを除去した後、肥料と芝生の種をまくのですが、今年は気温がなかなか10度以上にならなかったため、ちょっと待ちました。

実は去年、業者さんに頼んで大掛かりな斜面の工事をしたので、その後自分たちでもあちこち手を加えて、植木を移動したりしたために、芝生に草のない部分が沢山出来ています。これを種だけで青々させられるのか、ちょっとわかりません。また先生にご教授いただくかもしれません…。

 

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掘り起こし作業中

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もふもふの量がすごい…。
日の当たる場所

うちの敷地には業者さんに施工してもらった急な高い斜面(西向き)と、もう一つ低めの北側にある斜面があります。この北側斜面の土地が小高くなっているために、実は一番長く日の当たる場所なのです。ところが、前の所有者のころからずーーっとデッドスペース。以前はどうも駐車場にしていたらしいのです。私たちも、数年間ずっといろいろとアイデアを練っていたのですが、3年前に初めてプロの庭師の方に案をいただき、この場所も本格的にリフォームすることに決めました。ただ、どうしたらいいかわからず、ずっとほっておいたのもあって、去年までは雑草の茂みになっていました。それをビニールシート作戦(これも、YT先生か?)で、雑草たちを除去。やっと今年になって雑草のない砂利の地面にたどり着いたところ。ただ、ここをきれいにできるのは他のプロジェクトが一段落したころ…でしょう。今も庭のあちこちに補充する砂利の置き場所になっていますし…。(トラック一台分です~。人力で他の場所に運ぶので、なかなか減りませんねえ。)

私の夢はミニ温室。ガーデニング初心者の私でも簡単にできるトマトなどを植えたり、ご近所さんの目を気にせずリラックスできる場所にしていきたいな…。(でも、まだまだ遠い先の話ですよね。)みなさん、庭って本当に時間がかかりますよね。そして、うちみたいに、前オーナーが中途半端な庭を作っていると、それをサラにしてやり直さないとだめなので…。

そんなわけで、休みの日はもっぱら庭仕事…。悲しいっていえば、ちょっと悲しい。でも、どうせ今コロナで他には行けないし。夢に少しでも近づけるように頑張りますー。

 

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(今は)ただの置き場スペースになっている「日のあたる場所」
コロナワクチン接種

話はガラリと変わって、今日一番のホットな話題です。と、いうのも 実はつい4時間ほど前に職場を通じて一回目のワクチンを受けてきました。

ノルウェーでは、アストラ・ゼネカ社ワクチンは血栓の副反応で中止となっており、使われているのはファイザー、またはモデルナ社製です。私のワクチンはファイザー。実はうちの主人も先週、ファイザーの一回目接種でした。うちの自治体でもだんだん50代の人にもワクチンが行きわたってきているようですが、かかりつけ医の口利きで、ちょっと早めに受けられたそうです。私はまだ市からのオファーはなかったのですが、ちょっと早めに職場で受けられました。ただ、主人の自治体を通してと違って、次の接種日は未定です。公の発表では5月分から2回目のインターバルが11週間となり、その分より多くの人の一回目接種を目指しているそう…です。と、すると、私の2回目は7月末ということになります。

それから、ノルウェー政府が今日の午前零時より、ワクチン接種済みの人の濃厚接触による自己隔離規制が変更となりました。

ヨーロッパ内でもワクチン摂取済みの人の入国を隔離期間なしで認めるという動きがあります。

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ワクチン接種会場。人も少なく、リラックスムード。

本当にそうなると、隔離は日本帰国時のみということで、ちょっとは里帰りのハードルが低くなりますね。ただ、肝心の実家の母のワクチンは、受付がこの13日から。隣の市にいる友人に聞くと、電話やネット回線もパンク状態だったそうです。日本の都市部は高齢人口も多いので、より細かく年齢別とか基礎疾患別に予約できるシステムの方が良い気がしますが…。きっと、人口が多い分手が回らないのでしょうね。

 

そんなわけで、今現在の暮らしのアップデートをしてみました。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

*1:と、言っていたのもつかの間、5日のオスロ市会見で、6日よりまた一段階緩和し、閉まっていたすべてのお店が再開店されました!ただ、飲食はまだテイクアウトのみ。