ハンブルネスのひとりごと

ノルウェー在住のシステミックカウンセラーのブログです

Nyborg医師からの警鐘&IKEAでの恐怖体験...  コロナ in ノルウェー

こんばんは。皆さまはいかがお過ごしですか?

この1週間で生活に様々な変化がありました。まず、私も在宅勤務が始まり、思いのほかうちでする仕事の難しさやストレスを感じています。週明けには国王に続いてノルウェー首相のスピーチもあり、それから非難豪豪の「ヒッテ禁止令」も発令。メディアでは今の政府のコロナ政策に警鐘をならしたオスロ大学病院のNyborg(二―ボルグ)医師の発言が沸騰。そして、なぜこの国で爆発的感染(一部専門家は否定)しているかが垣間見れたIKEAでの体験。

今日はこの非常事態が更にエスカレートを見せた「第12週」*1 のまとめをしてみます。

 

警鐘を鳴らした医師に「ますます国民を怖がらせた」と非難が…

火曜日、こちらの国営放送の「Debatten」(ザ・ディベートの意味)という番組では、オスロ大学病院(OUS)の医師で研修者でもあるNyborg医師が出演。彼女はこの国の政策ではイタリアの荷の前だ、と警鐘を鳴らし、外出禁止などの提唱をしました。

この番組でノルウェーの医療関係者が日本ではとっくに聞いている「エアロゾル感染」や「マスクの重要性」というのを語るのを初めて聞きました。彼女も番組出演時にマスクをしたかったらしいのですが、司会者からお願いされ、マスク無し出演。

彼女の言い分は、感染がいたるところにまん延していて、どこもかしこも感染の危険がある、というもの。横浜のクルーズ船の件で「レッドゾーン」と「グリーンゾーン」という言葉が使われましたが、彼女もまさに同じことを言っていました。他の出演者(ウェブ出演)とのディベート部分では、「精一杯みんな頑張っているんですよ」とか「ノルウェーの多くの感染者はヨーロッパの他国で感染しているので、国内の爆発的感染はない」と静かな口調で語る二人のおじさま方(政府がらみの方々)に反し、Nyborg医師はかなり激しい口調…というか、おそらく本当になんとかしなきゃ、という感じだったのでしょう。

そして、次の日。彼女の出演後メディアでは非難が沸騰したそうです。理由は「国民を更なる恐怖に陥れたから」。個人的にはマスクもしないで感染を防げると思っているノルウェー人もちょっとやばい、と思っているので Nyborg医師の意見はぶっとんでいるとは思えませんでしたが…。やはり、戦後始まっての「最大の危機」という感じでナーバスになっている人がかなりいると思われます。それに、天災もあまりないノルウェーではやっぱり非常事態や危機といった状況に気持ちが対処しきれないのかも?(超個人的な印象ですが…)

 

迷ったあげく出かけたIKEAで…

IKEAも他のショッピングセンター同様、Nyborg医師が危険視していたところ。夫と私が住む家は8年前に中古で購入したのですが、ずっと洗濯機を置いている小部屋の使い勝手が悪く、実はこの2月から自力でリフォームしていたのです。大まかなところは終わっていたものの、予定を変更したりして新たなパーツがどしても必要になりました。電話注文も試みたものの、プランナーが空いてなくてブッキングできない。不要不急の外出を自粛する要請があるので、IKEAには行けないかな、としばらく控えていたのですが…。まったくリフォームが前に進まず。1週間ずっとこれは不要不急か否かを考えた結果、「うちから車で行って、注文するもの注文して、居るものだけ買って素早く帰る」というわけで、マスクと消毒液を車に積んでお買い物決行。

IKEAでもコロナ対策はしており、営業時間も短縮していました。私もあまり人が居ない時間帯をねらって行ったはずだったのですが、結構たくさんのお客さんでにぎわっていました。注文するパーツも順番待ちがあり、こんな時に限って嫌に前の人が長い。やっと私の番か、と思えば「いや、あっちのプランナーのところで注文してくれ」と言われ、並びなおし…。この間もお買い物を楽しむ人々がかなり通り過ぎ、ストレス度が上昇。思わず、「こんな時にIKEAに来たくなかったんだけど、あなたたちのブッキングシステム全然空いてなくてブッキングできなかったから、ちょっと不満だわ。」とクレーミングしてしまいました。でも、このプランナー部門の方、ぜんぜん私が言っていた意味も「わかんね」という感じで、「なに焦ってるの、お客さん」的な態度。

IKEAのホームページでは「他のお客様とは最低1m開けましょう」といった、お願いもあったのですが、そんなの関係なくその辺中(特に経路)でたむろっていたり、ましてやマスクにサングラスをして店内を小走りしていたのは私だけ。何だろう、その時すごく恐怖を覚えました。危機感ゼロの人々… みんな今どういう状況がわかってるの?いつも通りのんびり買い物楽しんでいる場合なの?と、心の中で叫んでいた気がします。もう、一刻もここから出なきゃ、というわけで店を後にしたわけです。

これは余談ですが、うちの夫はIKEAが超苦手。と、いうのもいつも行くIKEAは特に外国人が多く住んでいるエリアにあって、本当に来ているお客さんたちも多文化なので 人との距離感覚がもともとちょっと違っています。夫は他のお客さんがぶつかってきたり、レジ前に並ぶ時も押されるような経験をしているので、ほとんどいつもパス。今回は特にコロナがあるので、うちからは私一人で行きましたが 多文化ってことも私の猜疑心につながっていたのかしら、と思います。本当に、今の非常事態ではいつもに比べて他人を疑ってしまいがちですね。

 

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今日は新たに3人の方が亡くなり 死者10人、感染者数も前日から166人多い、約2500人となっています。

ヨーロッパの他の国に住んでいる知り合いのSNSの書き込みを見ていても、コロナを軽視したりする人は特に若い世代で多いようです。この状況で本当に自分の身を守れるのだろうか、IKEAではその辺に限界を感じてしまいました。Nyborg医師の意見、当たらないことを祈りたいですが、でも新しい感染者が100人単位で毎日増えているので どうなるかわかりません。今のところ医療崩壊の可能性はまだないのが唯一の救いです。

事実上の非常事態になってから今週の木曜日で2週間となります。まだまだこの状況は続きそうです。

 

*1:ノルウェーのカレンダーには各週に番号が使われています。

国王のスピーチ&更に厳しい政策… コロナ in ノルウェー

みなさん、こんばんは。ヨーロッパでは2月の末ころからコロナ感染が深刻になっていますが、中央ヨーロッパから少し距離のあるここ北欧でも先週から世の中が急変してきました。このところ毎日新しい政策が打ち出され、住んでいる私たちも 着いていくのがやっとという感じです。

先週から 目まぐるしく変わっていく ノルウェーでの日常を追いかけていますが、今日のブログでは週末に決まったこと、職場での今日からの決定事項をまとめてみます。

 

国境をついに閉鎖… 滞在許可のない外国人の入国拒否

週末出された新しい政策は 今日、3月16日の朝8時からの全空港・港・国境の期限付き閉鎖というものです。ツーリストや他の滞在許可を持たない外国籍の方々は強制送還という具合です。これまではノルディック*1の国々と「その他各国」で区別され 自宅検疫かどうかを左右していましたが、明日火曜日からは スウェーデンからの入国後も検疫の対象となります。スウェーデンノルウェー間を通勤している人は除外とのこと。物価の安いスウェーデンによく買い出しに行くノルウェー人が居ますが、買い出し後も14日間の検疫になります。

 

国王のスピーチ 「みんなでこれからのことを乗り越えていきましょう」

昨日の夜7時 政府の会見があるとのことでしたが、その直前に、国王から国民にTV挨拶があるとのこと。ノルウェー王室はかなりオープン、かつ国民に身近に寄り添っている存在でオリンピックやスキーのワールドカップなどにも顔を出し、国民と一緒に喜び・楽しむといったことを大切にしています。国王のスピーチといえば、いつもは大晦日のスピーチが定番ですが、昨日は臨時でした。「今、わたしたちは 信じられない、これまで体験したことのない 恐ろしい状況下に居ますが…」と始まり、「一緒にこの状況を乗り越えましょう」といった励ましや、「各政策を守りましょう」「お互いに親切にやさしく接しましょう」といった行動を促すものでした。*2

いつも自分の心のうちもシェアしてくださる国王だな、と感じていますが、昨日もエンパティックで 本当に国民を思いやっているんだなと思わせるスピーチでした。やはり、こんなスピーチが出てくると「ただ事ではない状態なんだなあ」と、思わずにはいられません。これを見て きっとたくさんのノルウェー人たちが励まされることでしょう。

 

ヒッテも禁止。自宅検疫を破ると2万クローネの罰金も。

さて、前回のブログでも紹介したセカンドハウスの「ヒッテ」。このセカンドハウスは地方の自治体に建っていることが多く、この週末もヒッテでゆっくり過ごそうと都市部からやってきてはスキーなどを楽しんでいる人の様子がTV に映りました。地方自治体にしてみたら、この方々の中に感染者が居て重症化でもしようものなら、一気にベッド数がなくなってしまうことから 「ヒッテに来ないでくれ」というお願いをしていたのですが、それを無視する人も多いことから、新しい規制として自分の住む地方自治体以外にあるヒッテに来ることが禁止となりました。*3 

想像通り、この週末ヒッテに来ていた人の中には自宅検疫の方々も居たというのです…。そんなわけで、今日 ある地方検事が、検疫を破る人に対し、2万クローネ(およそ18万円)の罰金を科せるという発言をしていました。

 

日に日に変わる職場からのお達し

社会全体でも日に日に新しい、さらに厳しい政策が出てくるので やはり職場でも毎日違うことが言われても仕方のないことかもしれません。

今日は所長も加わったチームミーティングから一日が始まりました。昨日付けで所属機関のHR長からのメールも入っていて、このメールの内容をもとに まずこの1週間のことを話し合いました。オスロ市の基本的対策としては、すべての職員を在宅勤務に変えることがありましたが、先週の時点ではうちの職場は該当できないのではという理解でした。で、結論から言うと、私も明日から自宅勤務となりました。業務内容はクライアントさんとの電話対応。今日も数人のクライアントさんにこちらから連絡を取り、健康状況や困っていることの有無の確認を取る作業でした。明日は朝10時にメッセンジャーでチームミーティング。それを1週間続けます。HRからの書面には、状況によっては 私たちの一時的移動もあり、たとえばどこかの部署で人手不足になった場合は そちらに出向という事態もあるということ。やはり、検疫の基準が日本よりもずっと厳しいことから自宅検疫になる人が多い中(実際うちでも2人の人が ヨーロッパに行って帰ってきたというので検疫になってしまっています。)人手を確保する必要があるのでしょう。所属機関では薬物中毒症の方々をケアする機関が多数あるので、もしかすると 私もそちらの方に近い将来回されることも あるかもしれません。

 

私の仕事は居住ソーシャルワークの分類で、クライアント(住人)のマルチケアといった感じですが、特にメンタル的に弱い子たちに気を使います。とりあえず、受け持ちの子たちで連絡が取れ、コミュニケーションが取れればまだいいのですが、返事をくれない子もいます。最初からすべての情報をもらっているわけではないので、もしかすると把握できていない健康面の状況がないとも限らず、さらに気を付けていきたいところです。でも実際は電話だけでの対応に限界を感じます。(もちろん、本当に必要があれば家庭訪問もできるはずですが…)

 

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今日の通勤バスは乗っていたのが私を含めて2人。空に近いバスだけがたくさん走っていて、街はがらんとしていました。不要不急の外出の自粛が始まり、職場からも職員として国の規定を守るよう 再度お達しもあり、なかなか窮屈な毎日になっていきそうです。感染者がまだまだ増え続ける傾向のノルウェーは、日本の政策よりもすでにずいぶん厳しい気がしています。

 

 

ほとんど非常事態かも… コロナ in ノルウェー

2日前、急にこちらも「ざわざわ」した空気が漂い始めました。オスロ市が正式にコロナ感染防止対策を発表し始め、私の職場でも昨日の午前中から対策が立てられました。

昨日午後の政府の会見では、まん延防止政策として数多くの、しかも厳しい政策が施行されるとのことでした。(非常事態宣言はまだされていませんが…)

「戦後初めての経験」と言われ、本当にいつものノルウェーノルウェー人には見られない 焦り、緊張感や不安が 見て取れました。今日はこの2日間の様々な職場や社会一般の様子を記録してみたいと思います。(先週と今週の状況は前ブログにてお読みいただけます。)

 

対策の内容(抜粋) - 私から見たら、まるで「ゼロ」から「100」の違い…

昨日の政府からの発表*1 の時点で、国内すべての幼稚園・保育園、小中高、大学、その他国民高等学校(北欧によくある高校と大学の間の人生勉強・友達作りの学校)などの学校が閉鎖となり、カフェやレストランも、食事を出す場所でお客さん同士が1メートルの間隔で座れる場所以外は閉鎖、その他、トレーニングセンターやプールなども閉鎖となりました。

また「社会的重要な機能」を果たす職員の移動の足確保のため、公共の交通機関は通常通り運航とのこと。この方々は医療関係者や消防、それから福祉分野の職員など。今日の通勤のバスでは、運転手さんの感染を防ぐために前の部分はテープで囲ってあり、「乗り降りはすべて真ん中や後ろのドアからお願いします」の張り紙もバスの外側にあり。

本当に、この25年のノルウェー暮らしではちょっと経験したことがない状況です。

 

職場では…「所長?あれ、みんなどこ?」

昨日12日 政府の発表の前にオスロ市からの発表があったので、朝からチームリーダーや所長も緊急会議をしていました。オスロ市では、在宅勤務が可能なすべての職員を在勤に変更としましたが、うちの職場はノート型パソコンは与えられていないことや、あまりペーパーワークが多くないので、ごく一部の職員は在宅勤務となりましたが、あと残りの職員はすべて電話・ネットでユーザーさんとコンタクトという指示。私が昨日予定していた3件の家庭訪問もキャンセル、代わりに電話でのコンタクトに切り替わりました。

所長からの指示メールには、健康上の理由などで在勤が必要な人は申告するように、とのこと。それから、通勤する人は、時差通勤を心がける。所長によると、出勤を8時45分にしていても、タイムカード(アプリ)では「8時からにしていい」というのです。これで、みんなが就労時間をマイナスにせずに 安心して時差通勤できる、という… なかなか嬉しい計らいです。

 

今日13日 私は歯医者のため、出勤がほぼ昼の12時になってしまったのですが、職場に行くと居たのは数人の同僚。うちのチームの人は今日もともと休みな人が3人とわかっていたのですが、となりのチームの人は10人近くいるところ たったの3人だけ。彼らに聞いてみると、「子供がうちに居る人たちは、たぶん在勤でしょ」とのこと。

家庭訪問などで、みなが外に出ていることが多いため、Outlookの他にも共同ノートで直行・直帰などを他に知らせているのですが、なんと 今日はノートも空欄。Outlookも空欄。所長は普段は外の会議に行っていることが多いものの、会議類もすべて中止になっているはずだし…。

これは、うちの職場に特有なのかもしれませんが、やはり とってもノルウェーチックです。やはり自己判断で(所長には知らせていると思いますが)在宅勤務にしているのでしょうし、しかも誰が在勤で誰がそうじゃないか、という知らせもない。他の同僚に、「メールでちょっと知らせてくれてても良かったよね?」というと、ほとんどが私の意見に賛成です。だって、急にユーザーさんが訪ねてきたときに、誰が居て誰が居ないか把握できてないと 対応しきれないですよ。早速、この希望を所長あてのメールに書いてみました。

 

他、今日のランダム 

他に面白いな、ノルウェーチックだな、と思ったニュース。例えば、ノルウェーではHytte(ヒッテ)といって、小さな山小屋やマンションをセカンドハウスで地方の山森、スキーリゾートや海沿いに持っている(または、家族で所有している)方々が多いのですが、どうもコロナ対策と思い、地方にまさに「疎開」感覚で移動しているというのです。ただ、ヒッテがある地方自治体は人口ウン千人からウン万人の規模ですから、さきほどの市長さんのインタビューでも「できたら今すぐ帰ってほしい。この自治体の住人のケアで手一杯で、ヒッテの方々が重症になったら医療体制がパンクします。」という話がありました。

もうひとつは、「Dugnad (ドゥーグナード)は健在だ」、というニュース。ドゥーグナードはいろんな意味に訳せますが、ここでは「ご近所さんの助け合い活動」の意味でした。この在宅検疫者や在宅治療者が続出するなかでお買い物のお手伝いを助け合ってやっている、という話。以前、ノルウェー人のことを個人主義者と描写しましたが、実は日本と同様、昔は近所同士が助け合って生きてきたという社会背景があり、このドゥーグナード精神は今でも、たとえばマンションの住民会の共同のお掃除や、他に力を合わせて何かするときに出てくる言葉で、ノルウェー人も誇りにしていることの一つだと思います。コロナウィルスとの闘いも、国民ドゥーグナードと表現している人もいました。

 

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さて、今週一週間で、一気にここまで来てしまったノルウェー。日本でも小中高の休校要請が2週間ほど前にありましたが、そこまでには割とゆるやかな事態の流れだった印象です。(日本にお住まいの皆さまはもうちょっと違う印象かもしれませんが。)

さっき聞いた最新感染者数はもう900人だそうです。次々と著名人やスポーツ選手も感染者として伝えられました。どうなるのでしょうか。

私たちは割とまだ平穏でいます、というのは この事態は遅かれ早かれ来るかなという予想ができていたからです。ただ、施設関係の閉鎖のため うちの主人の仕事が減ってきたため 新しい要素も出てきました。あまり書いていませんでしたが、もちろんノルウェー経済にも大きな影響が あっという間に出てきています。

本当に、この状況が一国も早く過ぎ去り、素敵な春を迎えたいです。

*1:Helsedirektoratet har i dag vedtatt følgende - som gjelder fra klokken 18.00 torsdag 12. mars til og med torsdag 26. mars 2020, www.fhi.no

コロナの影響 in ノルウェー

こんばんは。前回のブログから一週間、悪い予想が当たり新型コロナウィルスのノルウェー国内感染者は前回の86人から570人(www.vg.no ノルウェー時間午後7時半現在)と、一気に増えてしまいました。そして、現在も増加中…。さらに昨日あたりからは感染経路が不明な件数が増え、日本でも経験した「市内感染」が現実のものとなってしまいました。

普段は「大丈夫ムード」で余裕なノルウェー人ですが、さすがに今日あたりからは非常事態っぽい雰囲気が漂い始めました。そんな歴史的(?)な情勢を記録すべく、今日も筆を執りたいと思います。

 

今日は労働組合のコース2日目に参加していました。ところが…

ノルウェーでは大概の人が労働組合に入っています。(これもトピックにしたいひとつです。また後日…。)組合員は労働組合が開催するコース、研修などに労働時間を使って参加することができます。私も昨日、今日とこちらの労働法 (Arbeidsmiljøloven, Aml)の知識をブラッシュアップすべく2日間のコースにオスロ中心部の某ホテルにて参加していました。

昨日の第1日目の時点で、組合の人が「ノルウェー公共保険研究所(FHI)の最新のお達しで、みなさんと今日は握手しません。」と自己紹介の際に説明していました。なんでも、開催にあたってここにあらかじめ電話問合せしていたらしく、「この少人数だからOKが出た」とのこと。(人数はおよそ20-25人ほど)

昼食も普段こういったコースだとビュッフェが普通ですが、今回は一人一人に給仕。これも、「おおっ」と思ったことの一つですが、この大きな(某航空会社系列の)ホテルにグループは私たちだけ。いつも混んでいる女子トイレも、レストランもガラガラです。コース終了はおよそ午後5時で、このあと夕食があったのですが、私は所用のため1時間早く早退。

2日目の今日、組合の人の朝の挨拶で なんと昨日の参加者の一人が職場から「自宅検疫」(日本語では自宅待機と言われていますが、あえて直訳した言葉で表現します。)を言い渡された、というのです。彼女の職場の人が感染した、とのことでした。場内がざわざわします。組合の人は、私たちが今日の日程を中止にしたいかどうか聞いてきました。結局、再度FHIの注意事項をネットで確認したところ、検疫になった本人に症状がないということや、本人からの情報のもとに 2日目決行に至り、出席するのが不安な人のみ、帰っていいということになったのです。(個人が判断してよし、なのはやっぱりノルウェーですね。)該当の人も私同様、昨日は夕食などをパスしたらしく、「じゃ、大丈夫だわ」という人もあれば、ちょっと不安な表情の人もいました。

今日は休憩時間やランチでもコロナの話題で持ち切りでした。自分の職場で自宅勤務を早速言い渡された人や、自宅検疫も「明日は我が身」と思いハラハラしている人。でも、話題がマスクになると、「私たちはマスク慣れしていないから、触りまくったりしてかえって感染するチャンス大なのよ。」と、いうどこかの専門家が言ってたことを私に話す人あり。うーん、この理由って…、と思いながらも「なんっか、あなたたちノルウェー人って妙に頑固だったりもするんだよね。じゃ、マスクはやっぱり絶対しないってこと?」とはやっぱり言えませんでした。

 

いよいよ職場にも影響が…?

オスロ市では職員同士のコミュニケーション用に"Work Place"というフェイスブック系のSNSを導入していますが、ここでも今日はコロナで持ち切りです。所属機関の一番トップのディレクターからも「自宅勤務できる人は切り替えるように」との書き込みがあったのですが、肝心なUngboの所長からは何もお達しがありません。この他、職員全員にFHIの最新情報をチェックするようにもお達し有。

私の仕事は家庭訪問を基本にしているので、「明日の家庭訪問、どうしよう…」とちょっと思案してしまいます。でも「ダイジョーブ、いつも通りで」と、言われそうな気配…大。

 

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通常、こういったコースの最終日はちょっと早めに終わったりするのですが、今日も午後の部はさらに参加者が減り、予定より30分早く終了しました。帰りに立ち寄った、通称「移民の店」。(アジア人などがやっている食料品店で、新鮮な野菜が普通のスーパーより安価で手に入ります。)いつも混みこみで、ちょっと嫌だな、でも野菜ないし…と、思いつつ中に入ると、なんとなんと レジのお姉さま方がしっかりマスクにビニール手袋で応対しているではありませんか! はっきり言って、ノルウェーでツーリストと日本人以外でマスクをした人を初めて見ました。

えらい!

私も勇気持ってマスクしようかなあ…。

 

 

 

 

続・コロナ in ノルウェー

非常事態の時には そこそこの人々のお国柄、というか 「何が普通」で「何がスタンダード」か、というのが色濃く表面化するものかもしれません。

前回から、記録の意味も込めてこちらノルウェーでのコロナ対策について書いています。私も本当に他人事ではなく…、というか こちらの人々には全くない習慣や感覚というのがあって、それらとコロナは相性が悪すぎる気がしています。今日はそんなもろもろのことを 私のノルウェー人主人の独り言も交えながらつづってみたいと思います。

 

まずい、まずすぎます。

ノルウェーでは北イタリアに最近旅行に行った方々が 自宅検疫をしています。その数数百人と言われています。昨日報道されたニュース *1 では、その中のある方たちが トレーニングセンターに行ったり、お買い物などをしていて、あたかも2週間の検疫期間を「ボーナス休暇」のように過ごしているのが目撃されたというのです。

以前にも書きましたが、こちらは国が定めた「病気休職届」があり、この期間は給与と同じ分の収入が「病気休職金」として(初めの16日間は雇い主より)支払われるのです。このようなお手当がありますので、検疫になっても収入減とならないのは ポジティヴだと思います。

どのくらいの方々が自宅検疫を無視して外へ出ているかわかりません。ただ、デンマークではこのような方々は法的に罰せられるということですが、ノルウェーではその法律はまだないと言います。と、いうことはどれだけ検疫の大切さを理解して守るかは 個々の人の知識理解力とモラルに100パーセント頼っているのです。

 

それから、昨日は感染者が56人だったのですが、今日は30人増えて86人。いずれも軽症なので、「自宅治療中」となっています。(オフィシャルな理由はもちろん、軽症なので入院治療の必要がない、ですが。いずれにしても、もともと入院ベッドが足りていないので、入院患者の居場所がない…というのが現状です。)自宅治療中…もし、症状が鼻かぜ程度なら、どれくらいの人たちが自分の状況を重要視するでしょうか。上記の自宅検疫中の方々とどのくらい違うのでしょうか? それから、自宅治療の方々がちゃんと家でおとなしくしてるかをチェックする人は居ません。

 

うちの主人とその知人の独り言ー自分の国の対応を嘆く

主人の知り合いで理学療法士が居るのですが、その方の奥さんはかなり深刻ながんを患っており、日ごろからマスクを着用している本当に数少ないノルウェー人の一人です。

他の西洋の国々同様、マスクはかなり「異文化」または「異様」な感じのものですから、当然この奥さんも人々の「異様なものを見る視線」を毎日浴びていると言います。この方に限らず、他にがん治療中の方や免疫低下をしている方、またはご老人などにとっては、上記のように若くて元気な人がウィルスを持っているかもしれないのに全く他人に配慮しない状況は「恐怖」に近いものがあります。

前回、「国の健康機関」と訳していたFHIは「ノルウェー公共保険研究所」と日本名ではなっているようです。こちらもなんとマスクについては 予防の効果は認められない、としていて こちらで求められている「咳エチケット」は「咳をするときは周りをみて、近くの人にかからないようにティッシュなどの中にしたり、ひじで覆うようにしましょう」です。

花粉症、喘息の方々が咳をすると周りのリアクションが怖いという 日本の状況も行きすぎだと思うのですが、どうでしょう?本当にこれで大丈夫なのだろうか?主人以外にもこの国の対応を非難する人は居るのです。が、この人たちはマイノリティーと言えるかもしれません。

 

私の独り言ー典型的なノルウェー的リアクション

ノルウェー人はかなりの個人主義で、「個々の人は自立して何でもできる能力がある」ことに重きを置いている印象です。なので、様々な判断も上からお達しが来るというのはかなり嫌なことで、自分たちの判断能力にかなりの信頼があります。そう、自分の判断がベスト…のノリでしょうか? 個人個人がそうなので、「国」としてノルウェーを外から見た時もかなり「ゴーイングマイ・ウェイ」感が否定できません。一般的に、外を見渡して 外のいいものをどんどん吸収しよう…という態度はない気がします。

咳エチケットやマスクにしても、お国柄を感じずにはいられない…というのが、私の正直な感想です。もともと小国で人口だって少ないところなので、マスクしないこのくらいの咳(またはくしゃみ)エチケットでこれまで大丈夫だったのでしょう。(中世の時代ではかなりが黒死病で亡くなったのはありますが)

ただ、オスロのような都市部ではやはり満員バス・満員電車で混み合うことがあるので この咳エチケットではさらなる拡散は免れないのでは…と、思う次第。もしかして、これをスタンダードと設定した方たちは自家用車通勤だったりして どのくらい混みあっているかがわかっていないのでは、とさえ思えます。(お金がある方は自家用車通勤だったりします。)

 

とはいえ、私もこの国で滞在許可をもらっている一人ですから、「嫌なら出て行ってちょうだい」と言われても仕方ないですね。ただ、ものを言わなければ、何も変わらない。あくまでも、みんなにとってベターな状況になるように、という態度でものを言っていきたい…。そう、嫌なことをいうのも、ノルウェーの国民のためなのです。

 

 

*1:Nettavisen.no "Legevakten: - Folk i coronakarantene går på butikken og på treningssenter"

コロナ、ノルウェーに上陸!

北海道で緊急事態宣言、全国の小中高休校要請。連日のコロナでお疲れであったり、うんざりされている方もいらっしゃるかもしれませんね。

避けられるものなら避けたい、ところですが… 残念ながら、というか、記録の意味も込めて 今日はコロナ・トピックとなります。

 

ノルウェーでは

ご存じのように、イタリアでコロナウィルスが広がっています。そうこうするうちに、実はノルウェーでも この数日の間に「自宅検疫、オスロ近郊で100人」などという ニュースが飛び込んできました。先週はオスロを含むノルウェーの半分くらいの地域が「冬休み」でしたが*1 なんと、先週イタリアにバカンスに行った方々が自宅検疫をしているとのことでした。

そして、今日飛び込んできたニュースは、オスロの大きな大学病院の眼科の職員が陽性になった、とのことでした。この方も実は先週イタリアに旅行に行っていたとのこと。しかも、月曜・火曜と仕事に行っていて 100人以上の患者さんと濃厚接触していた可能性が出てきました。

でも、なぜ自分が「感染地域」に行っていたのに自宅検疫をしなかったのか?詳しいことはわかっていません。ただ、言えるのはノルウェーのお国柄か おそらく「個々の判断」に任されているのでしょう。

 

FHI (Folkehelseinstituttet) 国の健康機関

こちらの国の機関のホームページではコロナウィルスの様々な情報が載っています。海外に旅行する際・帰国後のアドヴァイスも載っていますが、特に必ず自宅で検疫しなくてはならない、ということはなく 最初の14日間は自分の体調を気を付けて見ましょう、程度。あくまで症状が出たら問い合わせをして、基本は自宅療養するように書かれています。容態が悪化した際はかかりつけ医または緊急外来に電話問合せがすすめられています。もともと診察待ちが長かったり、入院ベッド数が足りていないノルウェーですから、重症になるまで 「医療機関には来るな」というメッセージでしょうか。

 

リアクションはいろいろ

今日の「金曜のコーヒー」*2 でも、コロナが話題に上りましたが、日本ほど朝から晩まで報道されていないにもかかわらず、「もうこの話はやめて」という同僚、「職場での対策も考えないと」という同僚も居たりで、かなりいろいろなリアクションでした。

ラジオやテレビで聞くちまたのリアクションも、「大丈夫、ほとんどの人が重症にならないから」という楽観的なものや 「過剰反応するな」というものも。

日本事情を私から見聞きしているうちの主人は 全くノルウェー医療機関はあてにならないし、ノルウェー人の公共エチケットも期待できないので、おそらくまん延するのでは、という予想です。よくその辺中でマスクをせずに咳こんだりしている人は普通に居ます。たしかに、マスクをするなんて(いわゆる、工業用マスクはあるので、大工仕事をしたりする時には普通にしますが)考えられない、というか、ほとんどの人が「未知」のことと感じるているでしょう。マスクを触らない、マスクとは取り換えるもの、などのベーシックな知識もない状態です。

 

さて、今後 本当にこの国の人たちがどうこの状態に対処するか…マスクをする人が出てくるのか、気になるところです。ちなみに、私は今の段階では予防のためのマスクはしません。以前、職場でちょっとしていただけでも 同僚にかなりびっくりされてしまったので。もうちょっと様子を見ることにします。

日本での 学校の休校や外出の自粛などで、経済的にも 他のあらゆる面でも 本当にここ数週間が正念場なのだと思います。状況が少しでも早く好転しますように お祈りします。

*1:実は毎年2月・10月にそれぞれ「冬休み」と「秋休み」として1週間ずつ 小中高がお休みになるのです。それに合わせ、お子さんがいる親御さん方も休んだりして、小バカンスを楽しみます。

*2:毎週金曜の午後にみんなでコーヒーを飲んだりという、ノルウェーの職場でよくあるリラックスタイムです。

友人Tちゃんを偲んで…

皆さまお元気でしょうか?2月も末になりました。日本が今とんでもないことになっていますね。こちらは遠く離れているものの、うちの母(もし感染したら、思いっきり重症患者になってしまうカテゴリーです。)や家族・友人など、私にとっては他人事ではありません。

ここ1,2週間 「具合が悪い時は仕事を休みましょう」というメッセージとともに、いかにほとんどの方が 無理を押して仕事をしているか、ということも話題になっています。

今日のトピックは実はウィルスではなく、今月初めに亡くなってしまった 同い年の友人Tちゃんです。彼女のご家族から訃報を聞いたのが先週でした。ご家族によると、彼女は年末から体調を崩し、1月中はずっと体調が悪いまま 2月に入り亡くなられたとのこと。詳しい病名などは伺っていませんが、Tちゃんは典型的な頑張り屋の日本人…具合が悪くても仕事に行くタイプでした。

 

いつも居ることが当たり前だと思っていた私

訃報をいただいたとき、かなりショックで体が震えました。そして、思ったことが、なんで里帰りの時に会っておかなかったのか、ということ。とても悔やまれることですが、個人的に声を掛けてもいませんでした。と、いうのも去年の3月の帰国時に会っていて、その前、その前の帰国時にも会っていたので なんとなく「次回でもいいかな」と、考えてしまっていたのです。もちろん、今回はうちのもろもろの件が優先だったこともあり、(彼女と会うために)都心に出かけるのもちょっとしんどいと感じていたこともあります。でも、毎回会っていたから…ということが 彼女がいつも居るという感覚になっていたのでしょう。

いずれにしても、もし連絡だけでも取っていたら、彼女が入院していたにしても なんらかの励ましの言葉もかけられたでしょう。そんなことも全然知らなかった自分に とっても腹が立ち、がっかりします。

 

Tちゃんほど サービス・マインドな人は会ったことがない

彼女、Tちゃんと知り合ったのは今から30年くらい前、都内にある専門学校に通っている時でした。彼女とはクラスも近かったのですが、入っていたESS(English Speaking Society) を通して親しくなっていきました。彼女はお料理が得意で 人を喜ばすことが大好きな人でした。学校の系列は違ったけど、自分のレストランを出したいと 若いころは夢を語っていました。卒業後、彼女はレストラン系のお仕事をしていて、その後福祉業界に転向。私がノルウェーに来てからは 日本で会うときのみ お互いの近況を伝えあっていたのですが、フェイスブックに参加してからは 彼女のお仕事の様子や 趣味のお料理・お菓子教室の話題、熱を入れていたアーティストなど、かなり頻繁に近況を見ることができていました。

Tちゃんの福祉業界のお仕事はシフト制で、夜勤もかなりあったようです。と、いうのも「夜勤明けで…」という書き込みをよく目にしていたため。転職も数回していたようで、彼女曰く、就労条件が良くないところが多いので 良い条件のところに転職するのは普通とのことでした。それにしても、よく私がFBをチェックする時間、日本時間の午前3時・4時に彼女からフィードバックが返ってきたりしていたので 「いつ寝てるの?」と思ったものでした。

最後に彼女と会った去年の3月も 彼女はかなり調子を崩していましたが、1時間かけてわざわざ都心に出てきてくれ、しかも自分で焼いたケーキも持ってきてくれたのです。その後、FBを見るといただいたケーキの写真があり、なんと ほとんど徹夜で焼いていたとのことでした。

 

今回のウィルスの件とTちゃんのつながり…

ウィルスの拡散とともに、「熱があったり、具合が悪い人は会社や学校を休んでください」という厚労省ガイドラインが伝えられました。一方、FBの書き込みで熱があっても、体調が悪くても「休めないから」と仕事に出ていたTちゃん。私のみならず、他のFB友達にも「休んできちんと直さなきゃダメ」と書き込みされていたのですが。やはり、彼女の職場の環境が人不足などで出勤を余儀なくされていたのでしょう。そして、彼女の他人を思いやる性格も大きな理由だったに違いありません。

このガイドラインが出された時、やはりTちゃんのことを思わずにはいられませんでした。「ああ、こんなガイドラインがもっともっと前から出されていたら」Tちゃんはもしや命を落とすことはなかったのでは…?と。もちろん、ガイドラインだけではなく、政府がもっとプッシュして本当に具合が悪い時に無理せず休める職場環境も整わなくてはいけませんが。そして、コロナウィルスに限らず、本来はどんな感染症でもこのガイドラインがスタンダードになる必要があるのではと思います。

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50歳の手前で亡くなったTちゃん。あまりにも早い死です。

いろんな事を彼女の死から教えてもらった気がしています。まず、明日は本当に誰にも分らないということ。今日会える人がいたら、今日のうちに会っておく…または連絡を取る。いつもその人が居ると思ったら大間違いだということ。

それから、普段の体調の管理と、自分の体は自分しか守れないんだということ。もちろん、ノルウェーでは熱があって仕事に出なければならない、ということはありませんが、同じ福祉業界に従事する者として ユーザーさんや患者さんのことを考えて無理をしてしまう兆候があるのは否定できません。

 

もうTちゃんと日本に帰っても会えない、ということがまだ信じられません。残されたご家族にお悔やみを申し上げるとともに、Tちゃんのご冥福をお祈りします。ゆっくり休んでね、そして今までどうもありがとう、Tちゃん。